美味しんぼ最新号に編集部の見解掲載5月19日 5時10分
東京電力福島第一原子力発電所の事故による健康影響の描写が議論を呼んだ漫画「美味しんぼ」を連載する雑誌の最新号が19日に発売され、有識者の賛否両論を紹介する特集記事が組まれ、雑誌の編集部が「さまざまなご意見が穏当な議論へつながる一助となることを願います」とする見解を掲載しました。
「美味しんぼ」は、小学館の雑誌「週刊ビッグコミックスピリッツ」に連載されている人気漫画です。
先月28日の連載で、主人公が福島第一原子力発電所を取材したあとで鼻血を出し、実名で登場する福島県双葉町の前町長が「福島では同じ症状の人が大勢いますよ」と語る場面などが描かれ、福島県や双葉町が「風評被害を助長する」などと批判していました。
最新号は、原発事故による健康への影響などを取り上げた「福島の真実」編の最終話で、登場人物が会話の中で「福島の人たちに危ないところから逃げる勇気を持ってほしい」、「福島の未来は日本の未来だ。これからの日本を考えるのに、まず福島が前提になる」などと語る場面が描かれ、自主避難者への支援の大切さを訴えています。
また、漫画のあとに自治体からの批判や、有識者13人の賛否両論を載せた特集記事が10ページにわたって組まれ、最後に「編集部の見解」が掲載されています。
この中で編集部は一連の表現について「残留放射性物質や低線量被ばくの影響について改めて問題提起したいという思いもあった」と説明したうえで、「批判を真摯(しんし)に受け止め、表現の在り方についていま一度見直す」としています。
そのうえで、「このたびの『美味しんぼ』を巡るさまざまなご意見が、私たちの未来を見定めるための穏当な議論へつながる一助となることを切に願います」と締めくくっています。
小学館によりますと、「美味しんぼ」は以前からの予定どおり、しばらく休載するということです。
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・ 健康影響描写が議論「美味しんぼ」最新号 (5月19日 16時36分) ・ 「美味しんぼ」最新号にさまざまな意見 (5月19日 12時07分) |
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