今週の米株、先週相場を圧迫した小型株に注目
[ニューヨーク 18日 ロイター] - 今週の米株式市場は、先週相場全体の足かせとなった小型株に注目が集まっている。先週の米株式市場では、ダウ工業株30種.DJIとS&P総合500種指数が過去最高値を記録した。
ただ、その2日後に小型株2000銘柄で構成するラッセル2000指数.TOY は一時、3月につけた高値を10%下回る調整領域に近づいた。
これを受け、今後大型株も売り込まれるとの懸念が一部で広がった。ただ一方で、景気回復と企業の合併・買収(M&A)の増加を背景に、小型株は下げ止まるとの見方もある。
ホッジス・キャピタル・マネジメント(ダラス)のポートフォリオ・マネジャー、ゲーリー・ブラッドショー氏は、中小企業の業績の伸びは健全で、これからも成長が予想されると指摘。大企業は潤沢な資金を確保しており、中小企業の買収は今後活発になる、との見方を示した。
第1・四半期の決算をみると、大企業の業績は中小企業の業績よりも好調となっている。S&P総合500種指数の構成企業のうち、利益が予想を下回ったのは25%。一方、スターマインのデータによると、トムソン・ロイターの中小企業約2000社の指数構成企業のうち、現時点で利益が予想に届かなかったのは44%。
バイオテクノロジーやインターネット関連株の大幅下落を背景に、投資家は2月以降急成長企業への投資に消極的になっており、その結果、iシェアーズのラッセル2000上場投資信託 (IWM)(IWM.P: 株価, 企業情報, レポート)から資金は流出していた。
ただ、変化の兆しがみられる。投資情報サービス会社リッパーによると、14日に終わる週のIWMへの資金流入は、ドルベースで4年ぶり高水準となった。
バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチの小型株ストラテジスト、スティーブン・ディサンクティス氏は顧客向けリポートで「この動きが安定化すれば、今までの流れが変わり、小型株は今よりも堅調になるだろう」との見方を示した。
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