ハートネットTV リハビリ・介護を生きる「おひとりさまの自分介護」(1) 2014.05.14

おひとりさまで暮らす。
今ひとり暮らしの75歳以上の人はおよそ260万人。
男性の10人に1人。
女性では4人に1人の割合です。
そんなおひとりさまを支えるのが介護保険。
ひとり暮らしをする87歳の女性。
じゃ頂きます。
2年前脳出血で倒れ入院しましたがリハビリに努め今は介護保険のサービスを受けながら自宅で暮らしています。
こんな最初…それで病院でこういうの…。
みんなバネになってる。
長年住み慣れた自宅で暮らしたい。
入院中介護保険を利用すればそれが可能だと知り回復に努めたと言います。
自宅にいるくらいいい事ないと思って…。
もうどんな事があっても私はもう二度と家を離れたくないと思った。
少子高齢化が進む中単身世帯が増えています。
誰もがおひとりさまで介護を受ける事になりうる時代。
要介護になってもひとり暮らしは可能なのでしょうか。
「リハビリ・介護を生きる」。
今年度もリハビリや介護に携わっている皆さん更には関心のある皆さんに向けてさまざまな情報をお届けしていきます。
おつきあいして頂くのはタレントの荒木由美子さんです。
よろしくお願いします。
今のVTRにありましたおひとりさまという言葉ですが15年前くらいからでしょうか。
シングル女性などのライフスタイルを指す言葉として浸透してきましたけども介護の世界でもおひとりさまという時代になってきたと…。
はあ…。
私は結婚をしたらおひとりさまはもう考えなくていいと思っていたんです。
ところが私も13歳年上ですので順番で言えば主人を見送りおひとりさまなんですね。
私も…。
だから今日はお勉強させて頂きます。
ではゲストをご紹介します。
おひとりさまの高齢者や介護に関する本を執筆されています。
ノンフィクションライターの中澤まゆみさんです。
よろしくお願いします。
2000年に介護保険制度が始まりましたけどもおひとりさまの老後というのはどうでしょう?変わってきたんでしょうか?介護保険が始まる前というのはやっぱり介護は家族の仕事みたいな事で家族任せになってきてたんですけれども介護保険が始まって介護の社会化っていうんですかね。
社会全体で高齢者の面倒を見ようじゃないかとそういった動きになってきました。
でもまあそうは言ってもひとり暮らしひとりの介護というのはちょっと難しいですよね。
元気な時はいいですけれどもやはりいろんな手を借りるようになったらこの「おひとりさま」は難しいテーマも現実ありますよね。
そうですね。
でも介護保険をうまく使ったりそれから今在宅医療なんかもかなり普及してきていますのでですからそういうものをうまく使っていけばおひとりさまでも最期まで在宅というのも夢じゃないのかなっていうふうに思っています。
そういうのがあって初めて自立おひとりさまというのが成立するという事なんでしょうね。
では実際におひとりさまが介護保険のサービスを受けながらどんな暮らしをしているんでしょうか。
こちらからご覧下さい。
独身で都内の自宅で暮らしています。
役所を65歳まで勤め上げ年金生活の高田さん。
80歳を過ぎてもひとりでドライブに出るなど活動的で健康そのものでした。
ところが2年前脳出血のため突然風呂場で転倒。
10日間も発見されずにいました。
奇跡的に一命を取り留めましたが右半身が不随になり要介護4となりました。
5か月間の入院中懸命なリハビリを土日も休まず続け要支援2の状態まで回復しました。
自宅に戻った高田さんは食事は以前から利用していた健康食品の宅配を利用し家事も自分でできる事は時間をかけながらでもひとりでこなします。
介護保険を使って週に2回デイサービスへ通っています。
はいよろしいですか?施設では機械を使ったトレーニングを1時間ほど。
毎回欠かしません。
このリハビリの際もなるべく介助なしでやりたいというのが高田さんの思いです。
人に寄りかかってやっていくというのは絶対に嫌なのね。
自分が何ができるかとかどうやったら人に迷惑かけないでやっていかれるとかそういう事を考えてね…。
高田さんはケアプランを作る時ケアマネジャーの竹谷さんに「自分でできる事は自分でやりたい」という意思を伝えました。
いろいろご提案はしますけど…あとは毎月生活上困っている事ないかというところで…。
デイサービスで毎回利用するのが入浴サービス。
家のお風呂はやはり危険だと思ったのです。
週に1度だけ訪問介護のヘルパーに来てもらいます。
体の負担となる雑巾がけや洗濯物干しを頼んでいます。
介護保険以外では自治体のサービスを利用して緊急通報システムを家に設置しています。
本当にありがたいと思って。
何か申し訳ない気もするけどね。
できる事は人に頼らないでやっていきたいなと思って。
助けて頂くところは「よろしくお願いします」と言って遠慮しないで相談しながらそのようにやっていきたいとは思ってるのね。
千葉県流山市に住む木戸雅代さん74歳もおひとりさま。
脳梗塞や脊椎管狭窄症を患い右半身が不自由です。
2年前に要介護1の認定を受けました。
8年前に夫を亡くしずっとひとり暮らしです。
そしたらおとうさんに先逝かれちゃったから…。
こんなふうになるとは思わなかったんです。
ひとり娘からは同居の誘いもありましたが娘さんも夫の両親と同居をしていたため自宅でひとりの生活を選びました。
親がいる所へ行って気ぃ遣うんじゃ嫌だからね。
だったらうちでひとりでのんびりしてた方がね…。
木戸さんは介護保険制度を利用して階段やお風呂場に手すりを作りました。
住んでいる流山市のサービスも活用しています。
例えばごみの回収。
ひとり暮らしの高齢者で要介護の世帯は玄関先まで回収に来てもらいます。
そして木戸さんにとって困るのが高い所の掃除。
そういう所はおとうさんにみんなやってもらってたんだけど…。
そこで利用しているのが地元のNPOによる助っ人サービス。
老後の生活を住民同士で助け合おうと10年前に出来た組織です。
はい。
4月29日と5月3日…。
電話一本で簡単にお願いする事ができ掃除や草取り簡単な修理など広範囲で対応してくれます。
利用者は1点100円のチケットを使って謝礼をするという仕組みです。
木戸さんもケアマネジャーからの紹介で利用するようになりました。
今日のサポートは1時間余り。
1人につき交通費込みで1,000円分のチケットを払いました。
現在木戸さんは介護保険制度に加えて医療保険も使い週4日リハビリに通っています。
更に週に1回は病院へ。
毎朝どこかの施設に出かけています。
そんな時も助け合いネットによる同行サービスを使います。
この日は車で20分ほどの病院へ。
費用はタクシーの半分程度で済みます。
場合によっては介護保険ではできない院内への付き添いや帰りの時間まで駐車場での待機も可能です。
みんな助かってます。
自分でやんなさいって言われたら本当にそれこそごみだらけで何もできないけどね。
うまく利用されてますね。
やはり介護保険制度が始まったって事はこんなに自宅で生活がスムーズにいけるようになったんだなという事を思いましたし地域によっては民間のサービスも違うでしょうけれどもあれだけのサービスお力になって下さるんですね。
「助かってます」っていう言葉をおっしゃってましたけれども。
だいぶ変わってきたという事なんでしょうか?そうですね。
介護保険も14年になりますんで慣れてきた人かなり多くなってきたんじゃないかと思います。
昔は「国のお世話になるなんて」とかやっぱり「お世話になる」みたいな言い方を随分なさってた方も多いんですけれども「利用する」みたいな…。
ちょっとそういうところにシフトしてきたかなと思います。
では先ほどのVTRの前半に出てきました高田さんの1週間のスケジュールをご覧頂きたいと思うんですが介護保険のサービスを使ってこのようなスケジュールを組んでいます。
通いのデイサービスが週2回。
これで言いますと月曜日と水曜日ですね。
そして週1回ヘルパーの人に来てもらって家事のサービスを受けているというものなんです。
入浴もやって頂くというのはとても便利ですね。
身体介助というカテゴリーに入って入浴のお手伝いなんかはしてくれますんで…。
あと高田さんが自分のできる事は自分でするという。
こういうのってとても大切なんじゃないかと思うんですよね。
そうですね。
介護保険を利用するためにはどういうふうに…。
システムをお借りするにはしていけばいいのかちょっと難しい事もあるんですかね?最初のうちはちょっと大変だと思います。
いろんなサービスありますんで…。
26種類五十何サービスっていうね。
ですけど慣れてくれば自分にとってどんなサービスが必要なのかってだんだん分かってきます。
ですから高田さんがそうだったんですけれどもケアプランって作りますでしょ。
ケアマネさんと一緒に話し合って自分にどんなサービスが必要なのかみたいな事を自分の意思で決めていくといいんじゃないかと思います。
自分流のケアプランを作ってそれをかなえるためにはやはりケアマネジャーの方との相談…?そうですね。
私は二人三脚ってよく言うんですけどケアマネさんと二人三脚。
まずそのケアマネさんと一緒になってケアプランを作るみたいなね。
そういうところはやっていくと自分らしいケアプランの立て方ができるんじゃないかと思います。
そして最初こうするんだって言ってプランを立てたところでそれをずっとやっていかなくてはいけないという訳ではなくって状況に合わせて変えられるという。
例えばひとりで生活なさってる方がケアプランを立てて頂くのにはまずどこに行けばいいんですか?というところは分かっていらっしゃるんでしょうかね?まあ2つですよね。
市区町村の介護保険課か地域包括支援センター。
この2つを覚えておけば何かあった時にあるいは何かある前でも相談ができますんでまずそこを覚えておいて頂きたいと思います。
それでは先ほど映像でご紹介した方と比べて要介護度が高いおひとりさまたちの例をご覧頂きます。
神奈川県藤沢市にあるこちらの介護施設。
朝9時を過ぎるとこの地域に住む高齢者が集まってきます。
利用者の中には認知症の人も多く日中家族が面倒を見る事ができないためここで一日を過ごします。
認知症ながらひとり暮らしを続けているのが山下トシさん。
7年前に認知症と診断され夫が介護してきましたが4年前に亡くなりました。
近所に住む娘夫婦が共働きをしている事もありひとりで暮らしています。
以前は急に怒りだすなど感情が不安定でしたが2年前からここに通うようになって落ち着いてきたそうです。
小規模多機能型居宅介護と呼ばれるこの施設は通いだけでなくその日の体調や気分によって施設に泊まったり在宅でサービスを受ける事もできます。
お年寄りが主役の居心地のいい第2の我が家を目指しています。
ここでは認知症でも自分でできる事は全部やってもらう事にしています。
その方が昔やってた事とか得意だった事とかをやっぱりやってもらうのが一番…。
例えば女性だったら料理だったりとか縫い物だったりとか男性だったら表具師の方だったりするとかんなのかけ方だったりとかそういうのは認知症になっても壊れにくいのでそこを…認知症になっても困らないというか…。
昔から裁縫が得意で刺しゅうが趣味。
娘に手提げかばんなどを作っていたという山下さん。
施設で使う雑巾作りに毎日精を出します。
お天気がよければ積極的に外に出ます。
みんなで出かけます。
ごみ拾いもしてくるんで。
お掃除しながら。
ハハハ…。
この日は近所の公園の掃除をする事になりました。
午後になると介護スタッフの家族や近所の子どもたちがやって来ました。
いつでも誰でも歓迎。
おなじみさんが集います。
はい!ああ〜!駄目だ。
ああ…もう嫌ねえ。
このぐらい。
ここで…。
頑張れ!えいっ!ああ〜!ああ〜!やった〜!午後4時そろそろしまいの時間です。
山下さんは宿泊せず毎日帰ります。
(山下)バイバイ!バイバイ!
(職員)失礼しま〜す。
さあ行きましょう。
お願いします。
(職員)今日もあっという間に終わっちゃいましたね。
そうね。
お天気もいいし。
ねえ!言う事ない?うん。
言う事ないです。
山下さんにとって毎日家に帰れるのが大切な事。
安全のため家のガスは止められているので夕ごはんはあとで娘さんが仕事帰りに持ってくるお弁当を食べます。
そして8時には床につきます。
明日はお休みです。
月曜日お迎えに伺います。
日曜日は娘さんと一緒に家で過ごします。
東京都江戸川区にあるNPOが運営するマンション風の住まい。
ここはひとり暮らしの高齢者のためのシェアハウスです。
入るとまず広い共有スペースがありそこを中心にワンフロアに5部屋ずつ。
住んでいるのはいずれも女性ばかり。
現在68歳から97歳までの女性7人が暮らしています。
ここには介護保険を利用している女性もいます。
パーキンソン病を患い要介護3の認定を受けています。
5年前まで息子家族と一緒に暮らしていた堀越さん。
ここに住み始めたのはまだ病気が重くなる前の事でした。
ひとり暮らしは堀越さんが若い頃から抱いていた憧れだったと言います。
普通皆さん就職して下宿したり何かしたんですけどもそれもかなわなかったので…。
主人が亡くなって…それからですね。
やっぱりやってみたいなっていう気持ちがまた起きたんです。
堀越さんは毎朝8時から1時間介護保険を利用してヘルパーに来てもらい部屋の掃除や洗濯をしてもらいます。
日中はこのシェアハウス専属の生活支援スタッフが常駐していて料理の代行など何かあれば手伝ってくれます。
NPOのスタッフがいるのは夜9時まで。
夜中何かあった時にはこちらの若い男性に頼ります。
彼はスタッフではなくシェアハウスの同居人。
5年ほど前から20代の若者が2人部屋を借りて生活するようになりました。
男性で若くて夜間の見守りしてくれる人が今入ってくれると助かるんだよねって必要としてもらったっていうのは結構大きかったですね。
もともと地域コミュニティーをつなぐという目的でNPOによって設立されたシェアハウス。
毎週近隣の人も集まってさまざまな催しが行われます。
堀越さんおかげでマージャンを覚えました。
今考えてみると私はここへ来て最高だと思った。
家にいたらばこういう生活できなかったんです。
今本当に自由を満喫してるっていうか…。
うわ〜。
自由を満喫していらっしゃるんですね。
完全におひとりさまな訳ではなくって…。
マージャンですよ!ねえ!「今は楽しい。
最高」っておっしゃってました。
あの言葉こそが本当ですよね。
そうですね。
やっぱり地域の中で地域の人が支えながら暮らしていけるっていう事がこの2つの例を見るとすごくいいなと思いますね。
いい映像を見せて頂きました。
自分で決められるって人間の尊厳じゃないですか。
そこがしっかり自分でも感じられるっていうのがあの笑顔になるんじゃないかなと思いますけどもね。
でもこのおひとりさまの介護自分介護を成り立たせるためには何がポイントになってくるんでしょうか?やっぱり最期までその場所にいたいっていう自分の思い。
例えば自宅にいたいとか私はひとり暮らしをしていくんだみたいなそういう意志みたいなものというのがもしかしたら必要なのかもしれないしそれから家族がいる場合は家族の協力理解みたいなものが必要だと思います。
私よく自立力とか人持ち力とか地域力とか言うんですけどやっぱりその3つってとても大切なんじゃないかと思います。
さっきの「自分のできる事は自分でやる」。
これは自分力というか自立力ですよね。
それから友達を作っていくあるいは支えていく人を作っていくという人持ち力。
そしてやっぱりその地域の支え。
藤沢の施設もそうだったしそれからシェアハウスもそうなんですけれどもやっぱり地域の中で支えていこうというそういう事がとても大切。
これからもっと大切になっていくと思います。
そこに介護保険をどうやってうまく組み合わせていくかという。
介護の沙汰は金次第なんて事になってしまうと本当に残念だし悲しいので金次第にならないようなものを地域の中で作っていくみたいな事がとても必要なんじゃないかと思います。
お年寄りのおひとりさまってどうしてもこれまではかわいそうだとか大丈夫なのかなとか世の中であんまり表立って言えなかったような時代があったと思うんですけども今や自分の人生を謳歌している皆さんもいらっしゃると…。
この辺ちょっと私たちも考えを変えていかなくてはいけないと思うんですよね。
本当ですね。
どうしても私たちがお年寄りの方が不便なところを見ると「かわいそうに…」。
かわいそうじゃない。
力強くあの方たちは生きて自分のできるところで楽しんでいらっしゃるんだって応援してあげなきゃいけないんですね。
本当そうだと思います。
あとはやっぱり自分が元気な時は元気じゃない人を支えて自分が元気じゃなくなった時に元気な人から支えてもらう。
そういったお互いさまの心みたいなものをみんなが持っていくと社会がもう少し暮らしやすくなるんじゃないかというふうに思います。
おひとりさまもお互いさま。
ああ!いい言葉です。
さあ明日は50代60代といったこれから介護を受ける世代のおひとりさまの介護について見ていきます。
今日はありがとうございました。
2014/05/14(水) 20:00〜20:30
NHKEテレ1大阪
ハートネットTV リハビリ・介護を生きる「おひとりさまの自分介護」(1)[字]

未婚の人も、死別や離別でシングルになった人も「長生きすれば最後はひとり」 人生の晩年に介護が必要になったらどうするのか?一回目は「要介護になっても一人で暮らす」

詳細情報
番組内容
高齢者の「おひとりさま」が増えています。シングルで通した人も、死別や離別で一人になった人も「長生きをすれば最後はひとり」。人生の最終盤をどう迎えるのか、介護が必要となったらどうするのか?2本シリーズで「おひとりさまの自分介護」を考えます。1回目は「要介護になってもひとりで暮らす」。認知症を患い日中は介護施設に通い、夜は自宅に戻るおひとりさま。そして要介護3でシェアハウスに住み、晩年を楽しむ人など。
出演者
【出演】タレント…荒木由美子,ノンフィクションライター…中澤まゆみ,【司会】山田賢治

ジャンル :
福祉 – その他
福祉 – 高齢者
福祉 – 障害者

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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