(花咲舞)暇だ〜。
(相馬健)はい!あい!びっくりした〜。
ったく何だよその緩みきった顔は。
仕事中だぞもっと緊張感持ってください。
緊張感!仕事中ったって…。
資料の整理ばっかりで飽きちゃいましたよ。
あのなぁ前にも言っただろ?臨店班が暇ってことは支店に問題がない…っていうことですよね?そういうこと。
分かってるんですけど…。
窓口の仕事してた頃は毎日忙しかったけどたっくさんのお客様に喜んでもらえてすっごく充実してて…。
あの頃が懐かしいな〜。
お前まだ異動して来て1か月だよ。
懐かしむタイミングじゃないの。
(芝崎)よいしょ!おっ。
(芝崎)うっあっ…。
あ〜疲れた!ハァちょっとひと休みさせてくれ。
あの…どうしたんですか?すごい汗ですけど。
いやぁ来週うちに金融庁検査が入るんだよ。
金融庁検査?検査官が銀行にやって来て融資先のチェックや指導をするって。
お前そんなことも知らないでよく銀行員勤まってるな。
いや分かってますよそれくらい。
貸出先が安全かそれとも危ないか貸し出し内容が適切かどうかみたいなことを調べる検査ですよね?そうそう。
でも私今まで金融庁検査なんて一度も経験ないです。
まぁ全国750支店のうち検査が入るのはいっぺんに10店舗ぐらいだからな。
じゃあ宝くじが当たるみたいなもんですかね。
でもどの店に検査が入るか分からないからどんなに小さな支店でも一応準備はしておくんだ。
準備って何するんですか?融資ファイルに抜けているページがないかチェックしたりバラバラになっている資料をまとめたり追加資料を作成したり。
大変そう〜。
よしじゃあ戻るか。
あぁ芝崎次長今度の月曜日中野支店に顔出してから来ます。
中野支店って確か君達2人が前にいた?ええはぁ。
何か引き継ぎでも残ってたか?ええまぁそんなとこです。
あっじゃあ私も行きたいです中野支店。
いいよすぐ済むんだから俺一人で。
いや私も懐かしい人達に会いたいですよ。
同窓会に行くんじゃないんです。
相馬君何しに行くの?あっそのはんこをですね…。
はんこ!?押すべき所に押して来なかったというか。
何だ押印漏れか!やだ〜しょうがないな相馬さん。
営業課長だったのにはんこの押し忘れなんて初歩的なミスしちゃって。
このアマ…。
まぁ肩身も狭いでしょうから私が一緒についてってあげますよ。
だからいいって!そうだな花咲君も一緒に行って来て。
へ?はいありがとうございますよし。
1人で野放しにしとくと何仕出かすか分かんないからな。
やった久しぶりの中野支店。
楽しみ〜。
みんなびっくりするだろうなぁ。
本部に移ってすっかり垢抜けた私を見て。
ハハ「垢抜けた」誰の?どこが?いやいやどこもかしこもですよ。
(永瀬)・あれ?相馬さん花咲さんも!・おぉ!あぁ永瀬さんお久しぶりです。
(永瀬)どうも。
元気でやってる?はい何とかやってます。
今日はうちに臨店ですか?いや臨店ってわけじゃなくて…そういう目で見るな。
まぁちょっとやぼ用で。
花咲さん何かキレイになったんじゃない?おっ!あっまぁそれほどでもありますかね。
ほら分かる人には分かるんですよ。
フフフ社交辞令って知ってるか?何か相馬さんと花咲さんって意外な組み合わせだなって支店のみんなと話してたんですけどすっかりいいコンビって感じですね。
どこが!?どこが!?ハハハ…ほら!合わせんなお前。
いや別に。
うわ懐かしい〜。
だからひと月半前だろっつうの。
(永瀬)何だろう?まさか…。
あの…何か?金融庁主任検査官の青田です。
検査にまいりました。
えっうちの支店にですか!?さぁ鍵を開けていただきましょうか。
はい。
相馬さんこれってもしかして…。
どうやらとんでもない時に来ちまったみたいだな。
金融庁検査…。
わわっ!あっ!
(検査官)今からかばんの中身をチェックします。
1人ずつ並んでください。
かばんを開けてください。
失礼します。
うわ…。
金融庁検査ってかばんの中まで見るんですね。
高校の持ち物検査みたい。
そんな生易しいもんじゃないけどな。
(検査官)名刺を持ち出すのは禁止ですよ。
はい…すいません。
え?何で名刺ファイルダメなんですか?名刺も立派な顧客情報だからな。
銀行の外への持ち出しは禁止されてるんだ。
(検査官)何でこんなものがかばんに?
(行員)家で稟議書の続きを書こうと思いまして。
ダメじゃないですか。
仕事熱心もああいう時はあだになるな。
(検査官)はい大丈夫ですよ次の方どうぞ。
マンガやゲームは怒られないんですね。
あれ高校だったら絶対没収ですよ。
だから持ち物検査じゃないんだって。
(検査官)ではこれからデスクの中を検査します。
鍵を開けてください。
・早くして・引き出しの中まで全部調べるんですね。
厳しい〜。
(検査官)どうしてこんな所に?鍵は常に自分で管理し持ち帰ること!鍵なんてなくさないようにデスクに置いといたほうが便利なのに。
それじゃ誰にでも開けられちまって鍵の意味がないだろう。
そっか…。
いいか?みんな!銀行ってのは都合の悪いものは何でも隠そうとする体質があるんだ。
手加減するんじゃねえぞ!
(検査官達)はい!何?あれ。
はなっから銀行を悪者扱いして!声がデカい。
どうしてこんな所に現金があるんですか?
(行員)すいません…。
誰の通帳ですか?このはんこは誰のですか?
(石井)いやその…。
あなたのではないですよね?これは?私物のパソコンです。
いつもは持ち帰ってるんですけど…。
仕事で使ってるな。
情報漏えいの可能性がある。
預かって調べさせてもらう。
え…。
ひっどい私物のパソコンまで持って行くんですか?普通あそこまでやらないよ。
(牧野)相馬君花咲さん。
あっ牧野支店長。
お久しぶりです。
いやぁ大変なことになっちゃったよ。
まさかうちに金融庁検査が入るとはな。
しかもよりにもよって青田が来るなんてなぁ。
あの人そんなに有名なんですか?ああ銀行をいじめるのを生きがいにしてるような奴でな。
重箱の隅をつつくような検査で有名な札付きの検査官なんだ。
確かに感じ悪い。
だから声が…。
(青田)誰が「感じ悪い」って?あっ…。
ハハハ…。
あぁこれはこれは牧野支店長お久しぶりです。
どうも。
(青田)その節はお世話になりました。
またお会いできるとは光栄ですよ。
あぁ言い忘れましたが私もおかげさまで主任検査官になりましてね。
お手柔らかにお願いいたします。
こちらは?あっ本部の臨店班から来ております。
相馬といいます。
花咲です。
本部ねぇ…。
まぁくれぐれも邪魔にならないように頼みますよ。
ええあぁそれはもう。
しかし銀行も随分変わったというか甘くなったというか。
こんな若いお嬢さんが本部の臨店班とは珍しい。
3月までこの中野支店でテラーしてました。
テラー?フッ道理で…。
窓口でニコニコするぐらいの仕事ならお得意そうだ。
お言葉を…!返すなこらえろ!デスク周りのチェック終了しました。
あぁ。
では支店長。
貸出先の上位20社の融資資料を提出してください。
分かりました。
(牧野)木村課長。
(木村)はい。
(木村)『沼袋建設』。
『鷺宮物流』。
『橋場コーポレーション』『川島醸造』。
『川添クリエイツ』『打越製薬』。
『東郷コミュニティー』『NKNエンターテインメント』。
これからじっくり調べさせていただきますよ。
あなたの支店の仕事ぶりを隅々までね。
(青田)ピックアップしたファイルはすぐに持って来い!コピー機もだ!
(検査官達)はい!我々でよければ何かお手伝いしましょうか?そうかじゃあ頼むよ。
せっかく来てくれたのにこんなことになって悪いね。
いえいえみんなで力を合わせて金融庁検査なんて乗り切りましょう!重っ。
重い。
おい何だよさっきはあんなにやる気満々だったのに。
相馬さんが先に手伝おうって言ったんですよね?ほらやんないと終わんないぞ。
ソイヤ!
(青田)貸し付け条件に変更があった債券を重点的に精査しろ!
(検査官達)はい!
(青田)返済計画や資金使途の怪しい融資先は細かい数字も容赦するな。
(検査官達)はい!これがうわさの重箱の隅をつつくような検査ですか?ああ一つ一つの融資の状況をチェックしてるんだ。
少しでも問題がありそうなところはピックアップしてとことん調べ上げる。
あの主任検査官ネチネチしててしつこそうですよねぇ?
(青田)私語なら外でお願いできますか?本部のお嬢さん。
邪魔をしないでくれと言ったはずだが。
すいません。
あっ何かありましたら何でもおっしゃってください。
(青田)何でもねぇ。
じゃあお茶でも入れてもらおうかな人数分。
お茶ですか?何でも言っていいんだろ?いやそれは…。
どうどう…はいはいお茶ですねただいま。
ひのふのみの…15人分だ急いで。
ハァ。
(ノック)
(児玉)・はい・失礼します。
(芝崎)真藤本部長お呼びでしょうか?
(真藤毅)ああ。
金融庁検査中野支店にも入ったようだね。
はい。
なぜ中野のような小さな支店に入ったのか何か情報をつかんでないかね?いえ特に情報というのは…。
そうか。
(児玉)何かないんですか?う〜ん。
これは情報といえるのかどうか分かりませんが中野支店の担当は青田主任検査官だそうです。
青田?おかしいなあの青田がわざわざ中野支店に…。
特に問題のある大口融資があるわけでもないのに妙ですね。
執拗なあら探しをされてはるな銀行のように業務改善命令など出されたら厄介だな。
はい。
あの〜それと…。
何だ?実は臨店班の相馬と花咲がちょうど所用で中野支店に行っておりまして。
臨店?
(芝崎)何でもそのまま中野支店に残って検査対応の手伝いをしているとのことで。
(児玉)よりによってそんな時に行かせなくても…。
間が悪いなぁ。
すいません。
ご苦労さま。
また何か情報が入ったら報告してくれ。
はい!では私はこれで。
ん?へ?ん?ん?芝崎君。
君汗かいてるね。
え〜?この部屋はそんなに暑いかね?い…いえ!し…失礼します!適温でございます。
だぁ〜あの主任検査官感じ悪いだけじゃなくて人使い荒いっつうの。
(亜紀)・舞!・
(亜紀)アハハ…。
亜紀!圭子!
(圭子)久しぶり〜!会いたかったよ〜!ちょっと大げさだよ。
先月実花の結婚式で会ったじゃん。
そうなんだけどな〜んか長く感じちゃって。
ここで働いてた頃が懐かしいっていうか。
今日は金融庁検査だから来たの?ううんたまたま。
でもいつの間にか検査対応手伝うことになっちゃって。
舞ちょっと疲れてるんじゃない?まぁね。
テラーの時は制服パリっと着こなして仕事もできて「中野支店窓口のナンバーワン」なんて言われてたのに。
「言われてたのに」ってちょっとちょちょ…。
今そんなによれよれ?そんなことないけどちょっと女子力落ちてるかなぁって。
「女子力落ちてる」…。
あぁ臨店班に入ってから周り男の人ばっかりだもんな。
いいじゃん!紅一点でさぁ。
本部のエリート早くつかまえて彼氏つくっちゃいなよ!いや男の人っていってもさぁ…。
こう…エリートとか彼氏とかそういうんじゃないんだよね。
こう…地味っていうか固いっていうかさ。
でも花の命は短いんだから頑張んないと。
やっぱり銀行の花はテラーっていうことか。
こうしちゃおられん!
(青田)いいか?どんな小さなミスでも見つけたら必ず報告しろ絶対に見落とすな!しっかり洗い出せ!青田さん融資課員のパソコンにこんなものが。
(青田)ん?ほう。
これは面白い。
ハァ。
今日はいろいろ手伝ってもらって悪かったね。
あぁいえいえ大したことしてませんから。
なっ。
はい。
でも準備もよくできていたみたいですし特に心配することはないでしょう。
ああ…。
何かあるんですか?実は隠してる資料があるんだ。
隠してる資料?
(せき払い)そんなに驚くようなことじゃないよ。
どこの支店でもお上に見られたくないものの1つや2つはあるもんだ。
見られたくないものって…。
融資っていうのはな決算書や事業計画書の数字だけでは判断できないものなんだ。
でも金融庁にはそこのところがなかなか理解してもらえない。
だから金融庁に突っ込まれそうな案件は見せない工夫をするってわけだ。
そうなんですね。
(田中)支店長!支店長…。
大変です検査官達が物品庫へ。
え?何?これ。
ひっでぇな。
・ありました!・これは一体どういうことですか?牧野支店長。
それは…。
拝見したところ融資関係書類のようですね。
こんなとこに隠しているなんて…。
これはれっきとした検査妨害です。
大問題ですよ。
申し訳ありません!でも何かの手違いだと思います。
まぁ中身を見れば分かること。
これからじっくり精査させていただきますよ。
運べ。
(検査官達)はい!まさかここまで調べるとは。
ええ…。
まったくこんなめちゃくちゃに散らかしておいてそのまま行っちゃうんだから…。
相当マズいんですか?中身。
ほとんどは念のため逃がしておいた資料だが1社だけ債務者区分が落とされそうなところがある。
どこですか?
(青田)これだけの融資資料を隠ぺいしているということはおたくの支店はよっぽどやましいことがおありなんでしょうね。
とんでもありませんやましいところなんて何も。
ではあくまでこれらの資料は隠されたものではないと?はい。
ではこれは何です!?『野方技研』。
決算書によると6期連続の赤字になってますね。
(牧野)はいしかし業績は徐々に上向いております。
それは資料を見れば…。
事業計画書とは随分とズレがある。
見込みの甘さは言い訳できませんね。
いや現在の伸び率を見ていただければ取り戻せる範囲内だと判断しております。
フッ。
牧野支店長には問題の本質がご理解いただけていないようだ。
(青田)私が問題にしているのは『野方技研』の返済が3か月も滞ってるということなんですよ。
ですから要注意先として…。
要注意どころじゃ済まないんですよ。
破綻懸念先に該当することになる。
もう…大丈夫かなぁ。
あっ花咲さん。
あぁ…。
中はどんな感じ?いや分っかんないです。
そうか…。
何か大変なことになっちゃいましたね。
ああ…。
あっ永瀬さん…。
ここだけの話あの隠してた資料ってどのくらいマズいもんなんですか?どのくらいって言われても…。
見つかったら支店がものすごい処分受けちゃうとか?ひょっとしたら。
そうですか…。
ん〜心配だなぁ。
あれ?そういえば相馬さんどこ行っちゃったんだろう。
あ…。
じゃあこれ頼むわ。
はい。
(青田)破綻懸念先を出したとなると支店にとっては相当なマイナスですね。
支店長も責任を負わされる。
(ノック)はい。
失礼いたします。
(青田)何だ?君は。
関係のない者は入って来ないでもらいたい。
申し訳ありません緊急の用件なものですから。
支店長。
ホントか?はい。
何をコソコソやってるんですか?『野方技研』の返済遅延が解消できます。
何?これは?『野方技研』は鎌倉の一等地に保養所を所有しています。
資金確保のためそちらを売却していただけるよう交渉に当たっていたのですが先程社長からの同意が得られました。
何だと!?これで『野方技研』は破綻懸念先にはなりませんよね?ハァ。
終わったんだ。
大丈夫でしたか?あぁまぁ何とかな。
牧野支店長。
はい。
もう他に隠している資料などないでしょうね?ありません。
今正直に言えば多少の情状酌量の余地も認めましょう。
しかし後になって不正が見つかったらただでは済みませんよ。
ありません。
ではもし出て来たら業務改善命令も視野に入りますんでいいですね!?その時は名指しで報告さしてもらいますから。
銀行員としての将来はないと思ってください。
ひっどい。
今のって完全にどう喝ですよね。
シ〜!何だ?また臨店のお嬢さんか。
(青田)誤解されては困るんだがねこちらは正しいことをしているだけです。
お言葉を返すようですが…!返しちゃったよ。
いくら検査官だからっていち銀行員の将来をどうこう言える権限なんてないんじゃないですか?随分威勢がいいですね。
しかしコソコソ資料を隠して検査の妨害をしているのは銀行のほうです違いますか!?それは…。
(青田)あなたも元テラーなら窓口のおねえちゃんの指導でもしていてくださいよ!余計な口挟むな。
こんなもので終わると思うなよ。
検査官に逆らえばどういうことになるか思い知らしてやる。
あ〜!ホンットに許せない!金融庁の検査官がそんなに偉いのかっていう話ですよねぇ!?
(花咲幸三)相当来てるね今日は。
はい。
ほらお前の大好きなもつ煮。
いやもうそんなお父さん子供じゃないんだから自分の好物出されたぐらいで機嫌が直らないってば。
おいしい。
直った!単純な奴ですこと。
あぁしかし今日は参ったよ。
金融庁検査が入ってしかも担当が青田だなんてなぁ。
うわさ以上の厳しさでしたねぇ。
あの調子じゃ明日も何を言い出すか…。
いやでも今日は助かったよ。
相馬君『野方技研』の件いろいろありがとう。
いえあれは担当の南田が一生懸命交渉してくれたからです。
しかし牧野さん…。
ん?以前あの青田と何かあったんですか?朝の挨拶の時からちょっと気にはなってたんですが。
う〜ん実はね昔青田が下っ端検査官だった頃…。
(牧野の声)検査のやり方がかなり横暴でね上司の主任検査官に訴えたんだ。
(牧野の声)そしたら彼は訓告処分を受けた。
それを今でも相当根に持ってるという話を聞いたんだよ。
なるほどねぇ。
えっじゃあそのことを逆恨みしてて今でも牧野支店長を目の敵にしてるってことですか?う〜んまぁそんなとこだろう。
うわ〜!屈折してる。
あの人仕事上じゃなくて絶対ホントの性格も悪いですよ!ほらほらもつ煮!牧野さんもうちのもつ煮食べて元気出してください。
ありがとうございます。
それねサービス。
あっいただきます。
(幸三)うん。
フゥ…。
しかし何で見つかったんだろうなぁ?あの資料のことですか?うん。
(相馬の声)あんな地下の物品庫なんて普通は調べない。
う〜ん。
言われてみれば確かに妙だね。
あっ。
もしかして銀行内部に密告者がいるとか。
密告者?あの隠し場所を知っていた支店の誰かが青田にチクったってのか?はい。
えっでもそんな資料の隠し場所なんてみんながみんな知ってるわけじゃないですよね?いや融資課の連中や課長クラスならみんな知ってる。
じゃあ誰が密告者なのか分からないじゃないですか?そういうことだ。
う〜ん誰なんだろう?あ…。
(舞の声)副支店長の田中さんが支店長の椅子を狙ってとか!そんなはずはない田中さんいい人だもん。
あっ!意外と融資課長の木村さんとか。
(舞の声)木村さんああ見えて結構野心家だからな。
これ僕の奥さんキレイでしょ!愛妻家の木村さんに限ってそんなことはない!石井さんかも…。
(舞の声)よくゴルフで支店長に負かされるってこぼしてたし…。
石井さん優しい2児のパパだもん。
そんなことあり得ない!一人で何言ってんだ?だって分っかんないんだも〜ん!いやしかしこのままで終わるとは思えませんよね?え?いろいろ聞いてるんですよ青田の悪いうわさ。
はるな銀行に業務改善命令を出した時には銀行側の検査妨害をねつ造したって話もありますし。
ねつ造?うん。
(青田)お前の言った通り隠ぺい資料は見つかったがあんなんじゃダメだ!牧野を追い詰められなかったじゃねえか!もっと他にはないのか?もうこの際どんなてを使ってもいい。
お前の手で何とかしろ。
何だと?あのことを全てバラしてもいいのか?ハァ明日も気が抜けませんね。
どんな汚いてを使って来るか分からないな。
どんなて使って来るんでしょうね?あっ。
相馬さんならどうします?え?俺?うん。
俺なら…。
う〜ん。
(操作音)・あなたが密告者だったんですね・永瀬さん。
どうして?青田が何か仕掛けるとしたら検査対象資料の隠ぺいだと思ったんだ。
それを密告者にやらせるんじゃないかって。
融資課員が出勤して来る前にね。
すいません。
永瀬さん…。
どうして密告なんて。
青田に脅されたからか?はい。
やっぱり…。
昨日パソコンを押収された時メールの内容をチェックされて…。
(永瀬の声)僕が借金に追われてることがバレてしまって。
(青田)随分借金に苦しめられてるようだねしかもヤミ金からも借りてるようじゃ銀行員失格といわれても仕方ないねこんなことがバレたら銀行員としての将来に傷が付くんじゃないか?それは…それだけは!じゃあ何か支店にマイナスになる情報を教えろえ!?それって恐喝じゃないですか。
青田のやりそうなことだ。
それで融資資料の隠し場所を話してしまったんです。
だがそれでは青田は満足しなかった。
だから今度はさらなる資料の隠ぺいをでっち上げようとした。
はい。
昨日青田さんから電話があって。
(青田)もうこの際どんなてを使ってもいいお前の手で何とかしろそんな…!僕にはできません!
(青田)何だと?あのことを全てバラしてもいいのか?ですが…
(青田)今から言う融資資料の一部を抜き取ってどこかに隠せえ…それを後で私が見つけたことにするえ〜!?ひとの弱みにつけ込むなんてホンットに卑怯!あ…。
あんな脅しに屈した僕が悪いんです。
僕は…。
銀行員失格です!永瀬さん牧野支店長に謝りに行きましょう。
事情を話せばきっと分かってもらえますよ。
いやぁそれだけじゃダメだろう。
相馬さん。
永瀬。
お前が本当に自分がしたことを心から悔いてるなら今からでも遅くない。
きっぱりと青田に「できない」って断れ。
それが今お前にできることなんじゃないのか?はい。
でもあの主任検査官何とかしてとっちめてやりたい。
何か方法ないかな。
やめとけよ。
え〜?今回ばかりは相手が悪い。
我慢してやり過ごすしかないだろ。
そんな…。
では今から言う取引先の融資資料を出してください。
分かりました。
『東京総合設備』。
『ひのやまプリント』。
『都央住宅』。
『フードリアル』。
『トータルビルサポート』。
『みきもと建材』。
『日出石材』。
『坂上木材』。
『富士見ソリューション』。
青田さん。
(青田)ん?どの融資資料も特に問題はないようです。
何だと!?そんなはずはない!抜けている資料があるはずだ。
不足資料はありません。
全部そろっています。
あの野郎!どういうことだ?僕はこれ以上銀行を裏切ることはできません。
お前借金のことバラしてもいいのか?分かってんのか?俺の力を使えばお前みたいな銀行員1人クビにするのは簡単なんだぞ!
(青田)何としてでも支店長は検査の妨害をしているという事実をつくり出せ!いいな!できません!僕には無理です。
すいません!クソ!
(圭子)どうしよう今日も金融庁の検査があるなんて。
(亜紀)どうしたの?あのね…。
実は融資課の高木さんから預かってるものがあって。
預かってるって?何か分からないけど融資の資料で本当は先週のうちに処分しなきゃならなかったのにし忘れちゃったんだって。
「金融庁に見つかったら銀行全体に迷惑が掛かるような大変なものだ」って。
え〜!何でそんなもん預かっちゃったの?
(圭子)だって…。
(亜紀)ていうかさその資料ってどこに隠してあんの?それがね…。
(行員)え〜本日ゴメイですご苦労さまでした。
(女子行員達)お疲れさまでした。
・お疲れさん・・お疲れ〜・
(亜紀)お腹すいた。
何食べる?アハハ…。
こないだおごって…。
島崎圭子さんというのはどちらの方ですか?はい私です。
あなたのロッカーを見せてください。
え?ど…どうして圭子が?何?あのこれは一体どういうことなんですか?島崎圭子という女子行員のロッカーに融資関係の重要な資料が隠されてるという内部告発がありました。
(女子行員達)え?こんなやり方はおかしいんじゃないですか?彼女は営業課です融資とは関係ない。
彼女のロッカーを見れば分かることです。
さぁ開けてもらいましょうか。
ちょっと待ってください!いくら検査でもやっていいことと悪いことがあるんじゃないでしょうか?また君か。
検査妨害として報告してもいいんだぞ。
そんなの構いません。
花咲!君と話していてもらちが明かねえ。
支店長昨日言いましたよね?これ以上隠ぺい資料が見つかったらただではおかないと。
覚悟してください。
君鍵を貸しなさい。
(検査官)こちらです。
青田検査官!やめるなら今ですよ。
君に指示される覚えはない。
やめてください!
(圭子)うっ…。
(泣き声)何でないんだ?
(泣き声)行くぞ。
待ってください。
女子行員のロッカーを引っかき回しておいて黙って帰るつもりですか?ひと言くらい謝ってください。
いいか?この支店にはまだ隠ぺい資料があるんだ。
我々はそれを見つけようとしてるだけだ。
何が悪い。
検査なら何をしてもいいんですか?何だと?そもそも隠ぺい資料があるという内部告発があったとおっしゃっていましたがそれは本当なんですか?何?まさかはめたのか!?はい。
この支店に隠ぺい資料はありません!え!?え!?え〜!こんなことをして許されると思ってんのか!そちらが汚いてを使っているからこちらもそれに合わせただけです。
汚いてだと?何のことを言ってるんだ?青田さんあなたは過去の恨みを晴らすために牧野支店長を失脚させるような大きなミスをこの中野支店で探していた。
でもそれがないと分かるとうちの行員を脅して重要な融資資料をわざと隠そうとしましたよね?何の話か分からん。
全部永瀬さんが話してくれました。
(舞の声)いつでも証言する覚悟はできているそうです。
これでもしらを切るんですか?バカな…。
そんなものはそいつの妄想だ。
そんないち銀行員の話と金融庁主任検査官の私の話とどちらを信じると思うんだ?言いたいことはそれだけか?おい。
今までの威勢はどこに行ったんだ?大体ね君が言ってることには何ひとつ証拠がないじゃないか!あ!?
(レコーダー:青田)お前借金のことバラしてもいいのか?
(レコーダー)分かってんだろうな?俺の力を使えばお前みたいな銀行員1人クビにするのは簡単なんだぞ!相馬さん…。
(レコーダー:青田)何としてでも支店長は検査の妨害をしているという事実をつくり出せ!
(レコーダー)いいな!
(操作音)青田さん。
これ証拠になりますよね?あなたの悪いうわさはいろいろと聞いてました。
だから何を言っても反論して来るだろうと思って念のため永瀬君に録音してもらってたんです。
何かの間違いだ。
私は正当な検査をして…。
正当な検査?それ金融担当大臣の前でも同じことが言えるんですか?どうなんですか!?だ…黙れ!黙りません!権力をかさに着て自分勝手な逆恨みで銀行員を陥れようとするなんてそんなのおかしいです!あなたは検査官として…いえ人として間違ってます!それと女子ロッカーにずかずか入り込んで中を引っかき回しておいて謝りもしないなんてそんな人男として最低です!くっ!
(圭子:舞)やった!どういうこと?圭子すごい!やった〜うれしい!何で私じゃないの?ねぇ。
(圭子)よかった〜。
アハハ…!アハハ…!
(亜紀)ちょっとねぇ…。
(圭子)バンザ〜イ!じゃああらためまして…。
(亜紀:圭子:舞)カンパ〜イ!しかしよくやったもんだよ。
あれが全部芝居だったなんて。
すいません。
でもさああでもしないとあの陰険な主任検査官ギャフンって言わせられなかったからね。
でもよく引っ掛かってくれたよね。
いちかばちかだったよね。
相馬さんもあんな会話録音してくれるなら言ってくれれば私達だって苦労しなかったのに。
俺はあれを上に上げるタイミングを計ってたんです。
そうなんですか?しかしあんな大それたことをよく思い付いたな。
フフっ。
それはいい女優がいたから。
圭子学生時代ずっと演劇部だったの知らなかったんですか?知るかそんなこと。
あぁ私知ってましたよはいお疲れさま。
私も見たかったな圭子ちゃんの大芝居。
ありがとうございます。
あんな久々に大勢の人の前で演技したんで緊張しちゃいましたよ。
私にも教えてくれないなんてびっくり!だって亜紀に教えたらさ緊張でガッチガチになっちゃうじゃん。
まぁそうなんだけどさぁ。
さすが圭子真に迫ってたぞ〜。
ん〜!あっねぇねぇ…あのさ黒い下着ってあれどうしたの?ん?あれね。
え!?あれも作戦だったのか?じゃああれもお前のか?えっウソ!?黒い下着って何だ?違うってばあれは圭子が勝手にやったアドリブ。
私だってびっくりしたんだからね。
休憩中に急いで買って来たんだから!ラスト盛り上げよっかな〜と思ったんだけどやり過ぎだったかな?最高だった!よし!女って怖い。
怖いな。
何か言った?ううん。
ううん。
あ〜!青田が懲戒免職になりました。
免職?はい虚偽報告恐喝職権乱用。
過去にも同様のことが行われていたという事実が判明したようで。
まさかあの辣腕検査官がこんな最後を迎えるとは。
けがの功名とはいえ青田が金融庁からいなくなったことは銀行にとって都合が良かったですね。
しかしまたあの臨店の2人がかかわっていたというのが気になるところだが。
このまま放っておくとあの2人の存在は厄介なものになるかもしれんなぁ。
戻りました〜。
あぁ今牧野支店長から連絡あったぞ。
え?物品庫から資料が見つかったことに関しては厳重注意だけで済んだそうだ。
よかった〜。
あっ永瀬さんのほうは?青田がクビになったことで永瀬へのおとがめもなし。
まぁ私生活に関してはこっぴどく叱られたみたいだけどな。
まぁこれで永瀬さんも懲りたんじゃないんですか。
うんどうなることかと思ったけどよかったよかった。
よかったじゃないよ相馬君。
はい?君達臨店でもないのに2日間も留守にして。
はいこれ今週行ってもらう臨店先。
たまってるからね。
こんなにですか?ほらブツブツ言ってないでさっさと行く!あぁはい…。
どっから行きます?う〜んそうだな…。
あっ。
どうしたんですか?中野支店の押印忘れ結局押して来てない。
相馬さんもう…。
まったくしょうがないね。
2日間も何しに行ってたんだ!すいません今からちょっと行って押して来ます。
あっじゃあ私も。
(芝崎)何で君も?ついてってあげますよまた一緒に。
いいよ俺一人で。
行きますよ。
あぁ臨店先もね!は〜いいってきます。
池井戸潤さんが書いたこのドラマの原作本を…。
2冊セットで抽選で20名様にプレゼントいたします。
詳しくは番組ホームページをご覧ください。
奮ってご応募ください。
へぇ〜そうなるのか。
やだ相馬さん…。
花咲…!2014/05/14(水) 22:00〜23:00
読売テレビ1
花咲舞が黙ってない #5[字][デ]
舞(杏)が以前働いていた中野支店に金融庁検査が入る。担当するのは厳しい検査で有名な主任検査官・青田(高杉亘)。舞は、横暴な態度の青田に嫌悪感を抱き———。
詳細情報
番組内容
舞(杏)と相馬(上川隆也)が以前働いていた中野支店に金融庁検査が入る。主任検査官の青田(高杉亘)の一声で、検査が始まった。厳しい検査が続く中、支店長の牧野(小木茂光)が、見られたくない資料を地下物品庫に隠してあるという。そこに、検査官たちが物品庫に向ったという知らせが入る。なぜ支店の行員しか知らない隠し場所を青田が知っていたのか?舞は、銀行に対して敵意をむき出しにする青田のやり方に怒りを覚え…。
出演者
杏
上川隆也
塚地武雅
甲本雅裕
大杉漣
生瀬勝久
高杉亘
小木茂光
田中幸太朗
原作・脚本
【原作】
「不祥事」「銀行総務特命」池井戸潤(講談社文庫)
【脚本】
梅田みか
監督・演出
【演出】
佐久間紀佳
音楽
菅野祐悟
得田真裕
【主題歌】
「We Don’t Stop」西野カナ(SMEレコーズ)
制作
【チーフプロデューサー】
伊藤響
【プロデューサー】
加藤正俊
【制作協力】
日テレアックスオン
【製作著作】
日本テレビ
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
ステレオ
サンプリングレート : 48kHz
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