こんばんは。
ニュース7です。
戦後の安全保障政策の転換につながるのでしょうか。
集団的自衛権の行使を巡って、安倍総理大臣が設置した有識者懇談会は、きょう、憲法解釈を変更し、行使を容認するよう求める報告書を提出しました。
これを受けて安倍総理大臣は記者会見し、憲法解釈の変更によって、限定的に集団的自衛権の行使を容認することを視野に、与党協議に入り、法整備を進めていく考えを表明しました。
午後、総理大臣官邸で開かれた有識者懇談会。
座長を務める柳井俊二元外務事務次官が、安倍総理大臣に報告書を提出しました。
報告書は、北朝鮮の核やミサイルの開発、中国の海洋進出の活発化などを指摘し、日本を取り巻く安全保障環境は、一層厳しさを増しているとして、日本の平和と安全を維持し、地域や国際社会の平和と安定を実現していくうえで、従来の憲法解釈では十分に対応できないとしています。
有識者懇談会の報告書、主なポイントを整理します。
これらの要件を挙げています。
以上の6つです。
さらにこちら、集団的自衛権だけでなく、国連のPKO活動や集団安全保障、武力攻撃に至らない侵害、いわゆるグレーゾーンについて、報告書は、日本が実行できるようにすべき具体的な行動の事例を挙げています。
このうち例えば、集団的自衛権ではこちら。
こういった報告書の内容をどう受け止めるのか。
安倍総理大臣は先ほど記者会見を行い、政府としての検討の進め方の基本的方向性を明らかにしました。
安倍総理大臣は記者会見で、有識者懇談会が集団的自衛権を行使しなければ、実行できない事例として示した、日本近隣の有事の際、アメリカ艦船の防護が要請される具体例をパネルで示しました。
この中で、今や多くの日本人が海外に住み、海外に出かける時代だ。
その場所で突然、紛争が起きることも考えられる。
そこから逃げようとする日本人を、同盟国であるアメリカが救助・輸送しているとき、日本近海で攻撃されるかもしれないとしたうえで、次のように述べました。
その上で、わが国の安全に重大な影響を及ぼす可能性があるとき、限定的に集団的自衛権を行使することは許されるという、有識者懇談会の提言について、次のように述べました。
そして安倍総理大臣は、憲法解釈の変更によって、限定的に集団的自衛権の行使を容認することを視野に、与党協議に入り、法整備を進めていく考えを表明しました。
今後の議論の進め方については、今後のスケジュールは期限ありきではない。
十分な検討を行い、準備ができしだい、必要な法案を国会に諮りたいと述べました。
一方で次のように強調しました。
さらに安倍総理大臣は、報告書が、個別的か集団的かを問わず、自衛のための武力行使は禁じられていない。
国連の集団安全保障措置への参加に、憲法上の制約はないとしていることについて、次のように述べました。
スタジオには政治部の田中記者です。
田中さん、この有識者懇談会の報告書と、総理が記者会見で明らかにしました、政府の基本的方向性の違い。
これはどこにあるんでしょうか?
そうですね、最も大きいのは、憲法の下で自衛隊の活動を、どこまで認めるかという立場の違いなんです。
報告書は、国連の集団安全保障措置は、憲法9条が禁じる武力の行使には当たらないとしていまして、多国籍軍などへの参加に憲法上の制約はないとしているんです。
これに対して、安倍総理大臣は、こうした提言を政府として採用できないと述べまして、報告書との見解の違いを際立たせました。
そして自衛隊が武力行使を目的に、湾岸戦争やイラク戦争での戦闘に参加するようなことはないと明言したんです。
報告書イコール政府の方向性ではないと強調する姿勢が安倍総理大臣の記者会見からはうかがえました。
そしてもう一つ、報告書の提出と同じ日に、そうした方向性を示しましたけれども、そのねらいはどこにあったんでしょうか?
そうですね、その背景には、集団的自衛権の行使容認を巡っては、国民の間で意見が割れているということがあるんです。
また連立を組む公明党も、行使容認に慎重な姿勢を堅持しています。
こうした中で、自衛隊の活動を広く認める内容の報告書が、いわば独り歩きする形となれば、世論に警戒感が広がり、公明党からも反発が出かねないという判断があったのだと思います。
そこで安倍総理大臣は、報告書の提出から間を置かず、焦点の集団的自衛権について、限定的な行使容認という、報告書の中でも抑制的な提言について、研究を進めていく方針を打ち出したんです。
このように安倍総理大臣は、第1次安倍政権からの積み残しの課題である、集団的自衛権の行使容認に向けて、世論や公明党の意向にも配慮しつつ、一歩を踏み出したといえます。
田中記者には、また後ほど聞きます。
では、与野党の反応です。
国民の間でも、集団的自衛権の行使を認めるべきかどうか、さまざまな意見があります。
総理大臣官邸の前には、集団的自衛権の行使容認に反対する人たちが集まり、憲法を守れなどと訴えました。
各地で意見を聞きました。
今後、本格化する集団的自衛権を巡る議論。
こちら、さまざまな立場から議論の焦点になるとして、指摘されているものを見ていきます。
まず1つ目がこちらです。
憲法解釈の変更によって、集団的自衛権の行使を容認することについてです。
有識者懇談会は、憲法の下で認められる、必要最小限度の自衛の措置に、集団的自衛権の行使も含まれるとして、憲法解釈を変更し、行使を容認するよう求めています。
これに対して、憲法で政府の権力を制限する、いわゆる立憲主義が損なわれるのではないかという指摘があります。
それぞれ立場の違うこちら、2人の憲法学者に聞きました。
今のお2人の考え、こちらです。
今の憲法の下で認められる自衛権の範囲をどう考えるかによって、憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使が認められるのか、意見が分かれています。
次はこちらです。
集団的自衛権の行使を容認した場合、歯止めをどうするかという点です。
有識者懇談会の報告書は、密接な関係にある国に対し、武力攻撃が行われることなど、行使する際の6つの要件を示しました。
これに対しては、条件を付けたとしても、将来、自衛隊が他国による海外での軍事行動に巻き込まれるおそれがあるといった指摘があります。
先ほどの2人の考えです。
まずこちら、西さんは、報告書の6つの要件は、行使を限定する条件として十分な内容だ。
さらに日本としてどこまで制約したものにするか、国民全体で議論を深める必要があるとしています。
一方、長谷部さんは、示された要件は、国際法上、当然、必要とされる内容で、歯止めにならない。
日本から見て疑問のある軍事行動でも、アメリカにつきあわざるをえなくなる危険が非常に大きいとしています。
そして集団的自衛権の行使を巡っては、次のような論点もあります。
今の憲法解釈で認められている、個別的自衛権や警察権で対応できるものはないかというものです。
例えば、有識者懇談会の報告書で示された事例のうち、公海上で攻撃されたアメリカの艦船を、自衛隊が守るケースなどは、個別的自衛権で対応できるという指摘があります。
安全保障が専門のこちらの2人は、次のように話しています。
ここまで集団的自衛権を巡る議論の、こうした主な論点について見てきました。
では再び政治部の田中記者に聞きます。
田中さん、今後の動きですけれども、何が焦点になってくるんでしょうか?
そうですね、安倍総理大臣にとっては、来週から始まる与党協議で、公明党の理解を得られるかどうかが当面の焦点となります。
政府は当初、今の国会中に、憲法解釈の変更を閣議決定することを目指しまして、水面下で公明党に対して、集団的自衛権の行使を容認しなければ実行できないとする、具体的な事例を示すなどして、理解を得る努力を続けてきたんです。
しかし、これまでのところ、公明党側は、個別的自衛権の拡大で対応できるなどと主張していまして、理解が得られる見通しは立っていません。
そして公明党は、いわゆるグレーゾーンに対応するための法整備などを優先し、集団的自衛権の議論は、可能なかぎり先送りする構えなんです。
政権幹部からは、自民党と公明党の間には信頼関係があり、最終的には折り合えるなどと、強気の見方も出ているんですが、調整は難航が避けられない情勢です。
きょうの報告書の提出と記者会見をきっかけに、戦後日本の安全保障政策の大転換となりうる議論が本格化することになりそうです。
政治部の田中記者でした。
ここまで集団的自衛権を巡る動きについてお伝えしました。
ベトナムの反中デモで、中国人に犠牲者が出る事態となりました。
台湾企業が、ハティン省に建設中の工場で、きのう午後、ベトナム人従業員がデモを起こし、一部が暴徒化して、中国人の従業員1人が死亡、90人がけがをしました。
また別の台湾企業でも、おとといデモが起きて、ホーチミン近郊にある工場が放火され、焼け跡から中国人技師1人が、きょう遺体で見つかったということです。
中国人に犠牲者が出たことで、中国政府からの反発が強まることも予想されます。
韓国の旅客船、セウォル号の沈没事故で、韓国の検察は、セウォル号のイ・ジュンソク船長や航海士ら4人を、殺人などの罪で起訴しました。
検察は、殺人罪を適用した理由について、4人は避難させなければ乗客が死亡することを明確に認識しながら、救護措置を一切取らなかったと指摘し、未必の故意が認められるとしています。
船長らは調べに対し、自分が生き残らなければならなかったなどと供述しているということです。
衆議院の選挙制度の見直しを議論する、有識者による第三者機関を巡り、伊吹衆議院議長と与野党8党の幹事長らが会談しました。
この中で伊吹議長は、議院運営委員会の議決を経て、国会に第三者機関を設置すれば、設置に反対した党も議論に参加しやすくなると述べました。
これを受けて与野党8党は、第三者機関を議長の下ではなく、国会の正式な機関として設置する方向で調整することになりました。
大相撲夏場所です。
きのう、横綱の鶴竜を破った遠藤。
5日目は豊ノ島との一番です。
遠藤、きのう、初金星を手にしました。
突っ張って、はたいた。
遠藤の勝ち。
遠藤は4勝目。
序盤の5日間について、いい内容もあれば、悪い内容もあった。
まだこれからと、気持ちを引き締めました。
中入り後の勝敗です。
まわしがまだ取れない鶴竜。
今度は突き放しに変えていきます。
粘る豪風。
はたき込みました。
鶴竜の勝ちです。
鶴竜、立ち合いはいまひとつだったが、落ち着いて突っ張れたのがよかったと、連敗せず、ほっとした様子でした。
プロ野球はナイトゲーム5試合です。
気象情報は岡村さんです。
こんばんは。
日本海側から雨雲が進んできています。
あすにかけて、北日本や北陸地方などを中心に、荒れた天気となる所がありそうです。
天気を崩す原因ですが、日本海の低気圧です。
寒気を伴っていまして、この寒気に覆われる北日本や北陸付近、大気の状態、不安定となりまして、雷雨やひょうなどのおそれがあります。
さらにこの低気圧、あすの夜にかけて北海道付近で発達します。
このために北日本では、風も強まりそうです。
それではあすの予報を見ていきましょう。
2014/05/15(木) 19:00〜19:32
NHK総合1・神戸
NHKニュース7[二][字]
▽集団的自衛権で報告書 行使容認めぐり首相は 【キャスター】武田真一,【サブキャスター】上條倫子,【気象キャスター】岡村真美子
詳細情報
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【キャスター】武田真一,【サブキャスター】上條倫子,【気象キャスター】岡村真美子
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