カエルの鳴き声
おなじみの鳴き声ですがこれから夏にかけて聞こえるカエルの合唱には規則正しい法則があることが明らかになりました。
生字幕放送でお伝えします岩渕⇒こんにちは。
10時5分になりました「くらしきらり解説」。
きょうは、カエルの合唱には法則があったというテーマです。
担当は谷田部雅嗣解説委員です。
カエルの合唱に法則があったどういうことなんでしょうか。
谷田部⇒聞いているとカエルがばらばらに勝手に鳴いているようにも聞こえるんですが実はカエルの合唱には数学的な美しい法則があったということが分かっているんですね。
「かえるの合唱」というと誰でも聞いたことのある歌がありますね。
輪唱で歌いますよね。
この輪唱という法則にのっとって歌うとハーモニーが生まれるというものなんですけれどももともとはドイツ民謡で歌詞はドイツ語の訳詞昭和22年に作られたものです。
ドイツのカエルが鳴いているということなんですけれども日本のカエルは、どう鳴いているのかということですよね。
山とか川とか田んぼで鳴くカエルも、どことなく合唱しているように聞こえなくもないんですけれども、今回のカエルのどういう研究が行われたんですか。
これはカエルの合唱には数学的な法則があったということでイギリスの科学専門誌の電子版に発表されたものです。
理化学研究所や、東京大学京都大学などが共同で研究したもので研究の中心になったのが合原一究さんです。
子どものころからカエルなどの両生類や、は虫類が好きでしかも数学が得意だったということで、数学をもとにして動物の行動を明らかにしようという研究をしているわけですね。
研究の対象になったのは最初に声を聞いていただいたニホンアマガエル。
日本中いろいろなところで聞くことができるんですけれどもこのカエルを対象にして研究が行われました。
そもそもカエルはどうして泣くんですか。
このアマガエルに限らず鳴くのは雄だけなんです。
雌を引きつけるための求愛行動だったりあるいは縄張りを主張しているのではないかと考えられています。
実際にどう鳴くのかということなんですけれども自然の中でどう鳴いているのかというのよく分からないんですが1匹単位ですと研究されています。
例えば1匹の場合は規則的に1秒間に3回から5回ぐらい鳴く。
これを数式で表すとこういうことになります。
図にするとこうなります。
頂点にきたときに鳴いている規則正しく鳴いているということです。
規則正しいから数式で表せるんですね。
2匹の場合はこうなります。
最初は1匹で鳴いていますけれども2匹目が鳴き始めると。
交互に鳴いていますね。
交互に鳴いているということです。
これを数式で表すとこのようになって、合わせると結局は交互に鳴くということが数式でも表せます。
規則正しいから、これも数式で表せるんですね。
なぜ交互に鳴くんでしょうか。
カエルにも耳があるので相手の声が聞こえるということです。
自分が鳴いているときには相手の声が聞こえませんね。
相手が鳴いていないときに自分の声を出せば、逆に言えば相手に聞こえるということになるので、お互いの主張を、譲り合っているわけではないですけれども、聞こえやすいように交互に鳴いているということです。
自然の中で何匹もカエルがいた場合はどう鳴いているんですか。
それが研究のテーマなんですがまずは勝手に鳴く、ばらばらに鳴くことが考えられます。
それから波のように伝わっていく。
次々に鳴いていく。
そして3番目としては2匹どうし同じように隣どうしが交互に鳴く。
全体が2つのグループに分かれて鳴き分けるということが考えられるということです。
確かめるのに必要なのはカエルの場所ですか?どこで、いつ鳴いたかということですね。
昼だったら簡単なんですね。
でも鳴くのが夜なので見えない。
だから難しいですね。
位置が分からない。
声は聞こえるけれども、どこで鳴いているか分からない。
マイクをたくさん並べてとらえようということもありますけれども田んぼというのは意外と雑音が多くて、いろいろなカエルの群れが鳴いていますから、うまくできないということがあります。
そこで作られたのが音源定位のための音声視覚化デバイス。
難しいですね。
アメリカで特許を取って日本でも特許が公開されているんですがカエルホタルと名付けられました。
実際に機械があるんですけれどもマイクとLEDランプがついているんです。
音が強く聞こえると強く光るということでカエルがそばで強く鳴けば強く光るし遠くで鳴いていると、あまり光らないということです。
これを田んぼのあぜ道に40cm間隔で並べて夜、暗くなったときに光るとその近くでカエルが鳴いているということが分かるということです。
実際にどういう場所で研究されたんですか?研究が行われたのは島根県の隠岐の島町の水田です。
ここは棚田になっていましてあぜ道がかなり独立していて観察するとあぜ道にカエルが並んで鳴いています。
ここにカエルホタルを設置してそれを上からビデオで撮って光る様子をとらえるという研究が行われたんです。
実際に撮られた映像があります。
あぜ道の間に点滅する光が見えますね。
光っていますね。
もう少し拡大するとカエルの声に合わせて、ぴかぴか光っているのが分かります。
これがカエルの鳴き声を視覚化した目で見えるようにしたというものなんですけれども、この結果をまとめるとカエルホタルの番号要するにカエルホタルの位置ですね。
ここに実際にどれぐらいのカエルがいたかというと、大体5匹ぐらいのカエルがいて鳴くと光るということで赤いところが、そばで鳴いたということを示しています。
そうすると5匹のカエルがそれぞれ、いろいろなタイミングで鳴いているんですけれども縦に見ますと2番のカエルと4番のカエルそして、1番と3番と5番とびとびに交互に邪魔にならないように鳴いているということが分かっているんですね。
これもまた数式で表せるんですか。
これは結合振動子系モデルということでカエルの位置とか鳴くタイミングを全部、合わせたものなんですけれどもまとめていえばカエルの集団は隣り合ったどうしが重ならないようにして交互に規則正しく鳴いている。
これが数式で表せる法則があるということです。
カエルは本当に合唱していたというわけなんですね。
これは世界で初めて明らかになった法則ということですけれども今後はどうなるんですか。
これは隠岐の島町の水田だけで観測されていますので厳密にいえば、ほかの田んぼではどうかとか、川ではどうかとかほかの種類ではどうかとかあるいは国によって違うのではないかとかいろいろあります。
そういった研究もこれからしなければいけないということで合原さんたちは海外でも調査しています。
例えばオーストラリアのアカメアメガエル。
ニホンアマガエルと似た声ですかね、少し太い声ですかね。
体長が大型なんですが変わっているのはツンガラガエル。
中南米に生息しているカエルです。
声が2種類あるように感じますね。
この声をどう使い分けているのかあるいはカエルの天敵の蛇やコウモリなどが、カエルが鳴くと分かるわけですから、するとどう戦っていくのか。
ほかの動物の行動とあわせて見ていくと、もっと不思議な性質が明らかになっていくのではないかというのがこれからの研究です。
ずいぶん楽しい研究ですね。
自然を知るというのは学ぶということです。
本当にカエルも規則正しくお互いの主張をきちんと聞く形で鳴いているここから人間も学ぶことがあるんじゃないかなという気もします。
カエルも譲り合っていますからね。
谷田部雅嗣解説委員でした。
次回のテーマです。
担当は橋本淳解説委員です。
ぜひ、ご覧ください。
では、きょうはもう一度数学的な法則が見つかったニホンアマガエルの合唱を聞きながらお別れです。
2014/05/16(金) 10:05〜10:15
NHK総合1・神戸
くらし☆解説「カエルの合唱には法則があった」[字]
NHK解説委員…谷田部雅嗣,【司会】岩渕梢
詳細情報
出演者
【出演】NHK解説委員…谷田部雅嗣,【司会】岩渕梢
ジャンル :
ニュース/報道 – 解説
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
情報/ワイドショー – 健康・医療
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