臨場 2014.05.16

(西田守)じゃあ相変わらず倉ちゃん一課と衝突か…。
君も気苦労が絶えないね。
(小坂留美)遺体は日の出埠頭で発見され両手と両足は縄で縛られた状態でした。
(一ノ瀬和之)おもりの縄が切れ海上に浮き上がったと見て問題ありません。
この男に多額の借金があった事から一課はヤミ金絡みの他殺と見ていたんですが全身にある創傷を倉石検視官はスクリュー痕だと見立てられて。
で倉ちゃんは?先生を信頼してると言って待機を…。
(倉石義男)遅くまで大変だ。
実家?それとも…寮だっけ?俺の見立て違いかぁ…。
(西田)自殺だ。
自殺に見せかけたという事はないですか?あり得ない。
(西田)創傷すべてに生体反応がないもの。
死後船のスクリューに巻き込まれて出来た傷に間違いない。
(西田)自ら手足を縛りおもりを付けた覚悟の自殺だ。
(一ノ瀬)倉石さんの見立てどおり自殺か…。
自分で縛ったから縄も前結びだったのね。
やりきれないわね。
(桐岡素子)あ…すいません!
(村松)ストレッチャー通ります!
(町田)状態は?
(村松)心臓発作です!患者は2年前にも心筋梗塞の発作があったそうです。
(素子)心臓マッサージも人工呼吸もやったんですけどダメなんです。
主人を…主人を助けてください!
(看護師)お願いします!
(町田)奥さんはこちらでお待ちください。
先生主人を助けてください。
お願いします!最善を尽くします。
桐岡さんのですよね?あ…すいません。
小坂さん…!?しばらくです。
主人がまた発作を…。
私どうしたらいいのか…。
しっかりしてください。
あとは先生に任せて。
あっイスに…。
知り合いか?えっ?さっきの患者。
ええちょっと…。
(携帯電話)はい。
はい了解しました。
宿直より臨場の要請です。
現場は新宿のホテル。
女性の変死体です。
新宿…。
東京湾の次はネオンの海か…。
お疲れさまです。
こちらです。
お疲れさまです!はーい。
よっこいしょ…。
(一ノ瀬)足カバー。
あはい!お願いします。
あカバーこっちも。
はいお願いします。
(神田勝)おっおいでなすったぞ。
どうも。
刑事課長の神田です。
こういう事は珍しくないんで我々だけで十分だと思うんですがねぇ。
敷島!
(敷島一雄)はい!第一発見者は客室係です。
電話の受話器が外れてる事に不審を抱いたフロントが確認するように指示しあの死体を…。
(神田)薬物反応及び外傷扼殺痕もなし。
まあ念のため本庁から検視官殿にはご足労願いましたが病死で落着というとこでしょうなぁ。
ノイジーだな!…あんた。
どいてくれ。
(鑑識係員たち)お疲れさまです!よし始めるか!
(鑑識係員たち)はい!はいコンパス。
(一ノ瀬)はい。
えー室内南方にはツインベッドが設置され…。
南方ツインベッド。
さらにその西窓側ベッド上には…。
西ベッドに…。
着衣をまとった状態の死体を認める。
死体あり。
死体は頭部を南方にし…。
頭部南方。
下肢はやや北東の方向に向かって仰向け。
下肢やや北東方向。
その右下腿部はベッドから外れ床へ向かう。
受話器が外れてた時間は?
(神田)敷島!はい。
夜9時6分から死体が発見された10時14分までとフロントで確認済みです。
ですから死亡推定時刻もおのずと…。
訊かれた事だけ答えろ!チェックインは彼女がしたのか?はい…。
1人でか?フロントはそうだと言ってます。
検視官殿〜。
結論を先にお願い出来ませんかね。
釈迦に説法だが死に方が問題だ。
ああ…。
頸部圧迫による殺しだ。
窒息させられて殺されたっていうんですか!?しかし首にはなんにも跡がないし失禁の形跡も…。
手のひら掌底いや腕でもいい。
押しつけりゃ首に跡なんぞ残らねえ場合がある。
おい小坂。
あはい。
イチ。
うああ…。
時間をかけて…。
うっ…。
のしかかるようにゆっくり圧迫すれば…。
重い…。
失禁もねえ。
倉石さん…。
ああ…。
巨体のホシなら十分可能だ。
見ろ!それって圧迫痕ですか?この部屋にいたのはこの女だけじゃねえな。
指紋は?えっ?受話器ドアノブ電灯のスイッチ冷蔵庫!付いてて当たり前の場所の指紋だよ!どうなってんだ!?どうなってるんだ!?それが粉を振っていますが今のところ検出出来ません!拭き取った跡がないか調べろ!はい!部屋に残されたグラスが…1個だけってのも妙だ。
ホシは自分が使ったグラスを持ち帰ったと見て間違いねえ。
おいこのグラスないか?はい。
ついでに言うがあの女の赤いバッグも念入りに調べろ。
釈迦に説法だろうがな。
(刑事)バッグ調べます。
(神田)調べろ!
(神田)敷島!グラスあったか!?いえ…。
(神田)確かに連れはかなり体のでかい男だ。
(敷島)チェックインしたあとマルガイはホテル内でこの男と合流し部屋に入ったものと思われます。
よし。
こいつがホシと見て間違いないな。
(神田)顔は映ってないのか?はい。
ホテルを出る時は防犯カメラを避けて出たものと…。
私の考えでは…。
もういい!
(井上刑事)課長!
(井上)マルガイのバッグの底から微量ですがバルビツール酸系の睡眠薬が検出されました。
(神田)睡眠薬?
(井上)はい。
(井上)マルガイは片岡小夜子26歳。
(井上の声)以前売春と昏睡強盗でパクられてます。
井上さん!
(井上)おう。
(井上)睡眠薬だな。
片岡小夜子は昏睡強盗を働こうとして殺された。
(敷島)あの検視官は最初からそこまで読んでたのか…?ん…?何?ああホントだ。
また遅刻だ。
(あくび)ん…?大丈夫だよ。
(電話)桐岡でございます。
小坂さん…?その後ご主人の事が気になったものですから…。
ありがとうございます。
でも主人はあのまま…。
お亡くなりに…?小坂さんに助けていただいたあとも慢性的な不整脈でずっと薬を飲み続けていたんですが…。
「ご主人はご自宅で…」
(素子)あの日酔ったので新宿まで迎えに来てほしいと主人から電話があって車で迎えに行った帰りの事でした。
(桐岡洋介のうめき声)あなた…!あなた!
(桐岡のうめき声)あなたしっかりして!ねぇ!そうでしたか…。
どうかお力落としのないように…。
近くお焼香に伺わせていただきます。
はい。
ごめんください。
(花園愛)新宿のホテルでの殺し何か進展はないんですか?ありゃいいホテルだったなぁ。
(スイッチを押す音)あっ!なんなら今夜あたり泊まってみるか?いいネタ思い出すかもしれねえ。
私は構いませんけど。
おっ?
(スイッチを押す音)もう1回言え。
倉石さん。
ん?私…覚悟決めたんです。
この仕事ずーっと続けていこうって。
へぇ〜。
(矢野間文)何何何〜?ホテルだの覚悟だのって。
まさか愛ちゃんも倉石さんと?「も」ってなんだ?「も」って。
あら照れちゃって。
照れて…。
もう〜!ツンツンツン…。
おいこら!文!ああもう…。
気味悪い妄想するな!
(愛)あ倉石さん!はいここまで。
おいーっす。
(2人)おはようございます。
(文)失礼しまーす!毎度…!どうしちゃったの?お通夜みたいな顔して。
小坂さんの知り合いのご主人が亡くなったんですよ。
(一ノ瀬)西田教授の大学病院に急患で運ばれたんですが…。
(文)あら…事故かなんか?いえ心臓疾患らしくて…。
2年前そのご主人が心筋梗塞を起こした時も小坂さんが偶然通りかかったそうなんです。
その時は病院に搬送するのを手伝ったんですけど…。
今度はダメだったんだ…。
ええ…。
(一ノ瀬)仕方ありませんよ。
あの状態じゃ手の施しようも…。
あこれ。
ありがとうございます。
あそうだ。
ちょっと待って。
はい。
これなんとかなるかな?はいはい。
(一ノ瀬)さっき気付いたんだけど。
(文)あらら口紅。
今話したご主人の奥さんとぶつかったんですよ。
(素子)あ…すいません!小坂…。
死んだその男の名前は?桐岡洋介という男がいる!すぐに指紋を採取しろ。
ああ〜?ホテルの指紋と桐岡の指紋を照合しろと言ってんだよ。
また訳のわからん事を。
捜査に口を出す癖は相変わらずのようですがもしその桐岡って男がホンボシじゃなかったらどう落とし前をつけるんですか!?俺の首くれてやるよ。
首をかけるだと…!?桐岡の家か会社に行きゃあいっくらでも指紋は採れる。
ただし桐岡死んじまってるがな。
(神田)なんだそれは!?
(笑い)行くぞ。
私納得出来ません。
112キロ。
桐岡洋介の体重だ。
十分圧迫死させられる。
だからってなぜ新宿の事案と結びつくんですか!?確かに素子さんのご主人は体の大きな人です。
でも証拠は何も…。
ないから指紋を照合すんの。
答えになってません!
(一ノ瀬)僕も検視官の推測は乱暴だと思います。
でも事実を結びつけると…。
わかるように説明して。
(一ノ瀬)片岡小夜子は男を眠らせ財布を奪うつもりだった。
ところが…。
(桐岡)おお…お前何やってんだ!?おら。
(桐岡)おい!
(片岡小夜子)イヤ〜離して!
(小夜子)あんたが勝手に変な想像したのよ…!
(花瓶の割れる音)
(小夜子)離して!イヤー!
(一ノ瀬)しかし男は薬が効き始めて思うように体を動かす事が出来なくなりその結果…。
そこまではわかるわ。
でもだからって。
心臓疾患を抱えた人間が過量の睡眠薬を飲みゃあどうなる?中枢神経の抑制作用が増強し呼吸や循環もダメージを受けます。
それで心臓発作が起きたと考えても不思議じゃありません。
まさか…。
(一ノ瀬の声)桐岡洋介の奥さんが証拠を隠滅したと仮定すれば筋が通るんですよ。
桐岡はホテルを出た直後奥さんに迎えに来させ証拠隠滅を指示した。
そして家に帰った途端心臓発作に見舞われて…。
いい加減にして!全部憶測じゃないの。
指紋が照合されりゃ答えは出る。
帰りはお願い…。
小坂さん!
(素子)あなたしっかりして!ねぇあなた!救急車は?え?あいえ…。
わかりますか?わかりますか?何?どうしたの?腹減った。
メシ食わせろ。
ああ良かった…。
あの人が共犯だなんて…。
娘の明日香と婚約者の梅野さんです。
(素子)小坂さんよ。
2年前お父さんが倒れた時に助けてくださった…。
(桐岡明日香)あなたが…。
(明日香)母からは何度かお話は…。
(梅野健一)僕も伺った事が…。
梅野さんは東都銀行のロンドン支店にお勤めなんですけど主人の葬儀のためにわざわざ帰国してくださって…。
当然の事ですよ。
お茶でも淹れようか。
本場仕込みの紅茶?いいわよ。
(梅野)明日香の好きなやつはえっと…。
(明日香)これ。
(梅野)あそうだこれ。
お幸せそうですね。
明日香が明るく振る舞ってくれるんで助かってます。
主人は亡くしてしまいましたが本当の母親のように接してくれて…。
お嬢さんはご主人の…。
ええ。
前の奥様との子供です。
明日香が8歳の時に主人は私と再婚をして。
もうかれこれ16年も前です。
どうぞ。
それで…実は…ご主人の事でお話が…。
(チャイム)お母さん私出る。
(井上)新宿西警察署の者です。
(明日香)どうぞ。
(井上)失礼します。
お母さん警察の人が…。
警察…!?ご主人の歯ブラシは?青いのです。
もういいだろう。
それではお借りします。
主人の大切な遺品です。
傷ひとつ付けないでください。
わかりました。
(井上)おい!
(一ノ瀬)指紋の照合結果が出ました。
桐岡洋介の指紋は現場のホテルの部屋で採取されたどの指紋とも一致しなかったようです。
もう一度指紋の採取をやり直す。
こっちの鑑識現場に向かわせろ。
はい。
小坂!行くぞ。
倉石班の一ノ瀬です。
指紋のヒロさんは今日出てますか?
(神田)検視官殿は桐岡がホシじゃなければ自分の首をかけるとおっしゃった!その約束はきっちり守ってもらいますからね。
あっ…便座の裏はまだのようだ。
はいヒロさん!はいよ!はいごめんなさいよ。
ごめんね。
ここ…ここよろしく。
はいはいはい…。
いいねぇ。
ホテルだけあって便座もこまめに拭きあげられてるようだ。
指紋がくっついてるとすりゃ最近付着した指紋だ。
(一ノ瀬)この部屋は事件後所轄によって閉鎖されてました。
ああますますいいや。
出ました。
わずかな部分ですが指紋です。
(神田)すぐに桐岡の指紋と照合しろ。
(敷島)はい。
これで共犯者が女だって事もハッキリしたなぁ〜。
イチ。
女…?便座の上げ下ろしは女性の習慣じゃないから指紋を拭き取り忘れた…!って事だ。
任意ですがご同行願えませんか。
なぜですか?ご主人の指紋と犯行現場の指紋が一致しました。

(パトカーのサイレン)ここか…。
事件性はあるんでしょうか?うん…?新宿のヤマの事か?はい。
仮に睡眠薬を飲まされた素子さんのご主人が片岡小夜子にのしかかって死なせてしまったとしても本人が死んでる以上殺意は証明されません。
桐岡に殺意があったかどうかは知らねえが素子がその証拠隠滅を図った事だけは間違いねえな。
私には素子さんが証拠を隠滅したなんて信じられないんです。
あの人があんなに大事に思ってたご主人が人を殺したなんて信じたくないんです。
信じたくねえか…。
信じたくない事には目をつむるか。
俺のとは違うなぁ…。
たとえウリをしてたような人間だろうが殺されなきゃならねえ理由なんかねえ。
彼女がなぜ死んだのか…。
ホトケの声を根こそぎ拾ってやるのが…俺の仕事だ。

(素子)私は本当の事を言ってるだけです。
新宿に主人を迎えに行っただけなんです。
それでうちに帰って車を車庫に入れたら突然主人が苦しみ出したんです。
2年前に心筋梗塞を起こした時とまったく同じ状態でした。
(素子)しっかりして!お願い!
(素子の声)でも効果はありませんでした。
主人は人殺しなんかしてませんし私だって何もしてません。
だったら亭主の指紋はどう説明するんだ?知りません。
ホテルにあった主人の指紋が事件の日のものだってなぜ言い切れるんですか?指紋に日時が刻まれているとでも…?なんだと!?神田さん…。
私は嘘なんかついてません。
桐岡素子からは何も出なかったようですねぇ。
当然だわ。
素子さんは事件に関係ないんだから。
新しい証拠が出ない以上新宿のヤマも事件性なしと見て事故扱いで幕引きでしょうね。
でも明日家宅捜索をするみたいですよ。
家宅捜索…!?素子さんの家の?ええ。
倉石さんが捜査本部にねじ込んだみたいです。
まったく何考えてんだか…。
倉石さんが…?
(敷島)いつも何時頃お見えなんですか?
(早坂真里子)もう1杯いかがですか?
(敷島)大丈夫です。
(ドアの開く音)
(ため息)
(真里子)待ち人現る!この人ねぇさっきからずーっと待ってんの。
勘弁しろよ…息抜ける場所ここだけなんだから。
ハァ!?嘘ばっかり!
(ため息)あっちこっちで抜き通しでしょ。
ほっとけ。
義妹さんのお店だったんですね。
亡くなられた奥さんの妹さんと伺いました。
お前世間話するほど暇なのか?桐岡素子からは何も出ませんでした。
いつもの。
検視官のお見立てをもう一度お聞きしたくて。
なんだ今度は仕事の話かよ…。
検視官のお見立ては…!?あ?お前どう思うんだよ?自分も殺意があったかどうかは別としてあのホテルで桐岡が片岡小夜子を死に至らしめ桐岡の奥さんが桐岡の指紋を消しグラスを持ち出したと。
それだけか?…どういう意味でしょうか?そのまんまだよ。
それだけしかないの?いえ…ですからご命令どおり家宅捜索を含め捜査は引き続き行ってます。
お話があります。
素子さんの家の家宅捜索を示唆されたと聞きましたが本当ですか?示唆ってほどお前小難しいもんじゃねえがこの野郎の上司に電話は入れたな。
根拠を聞かせてください。
その先にまだわかってねえ事があるからだよ。
どういう事ですか?桐岡洋介は単なる病死じゃねえ。
病死じゃないって…?昏睡強盗の女が殺された。
そのホシの女房は証拠を隠滅したが亭主は心臓発作を起こして死んだ。
そんな偶然そうあると思うか?
(敷島)確かに…。
でもそれはどういう…。
今言えるのはそれだけだ。
飲み直しだ。
真里ちゃんまた来るね。
ああ。
あの人には一体何が見えてるんですか?検視官殿のご命令だ。
しっかりやれよ!
(捜査員たち)はい!
(一ノ瀬)なんでここまでしなきゃいけないんだよ…。
さ〜てと始めっか!いつかはこんな日が来ると思ってました。
母は父の事を愛していました。
でも父はこれまでに何人も愛人を作って母の事を苦しめてきました。
でもこんな形でバラバラになるなんて…。
もうおしまいかな…何もかも。
明日香さんまさか…。
結婚式を延期する事にしました。
そうしてほしいって彼に頼んだんです。
それお母さんの…。
ええ。
私が母にプレゼントしたんです。
高校の修学旅行のお土産なんですけど。
母は今も大事に使ってくれて。
私は母の事を本当の母親だと思ってます。
見せていただいても?ええ。
(素子)あ…すいません!何も出ませんね。
下水は見たか?いえ。
徹底的に調べろ!ほら!はい…。

(一ノ瀬)痛い…痛い痛い…ちょっと…!どうした?…イチ!検視官の言われたとおり…事件はこれで終わりじゃなかったんですね。
お前もやっと気付いたか…。
わかったんです。
あの夜何が起きたのか。
100円ライターから桐岡素子の指紋が検出されました。
ライター?
(ため息)
(チャイム)
(明日香)お母さん…。
心配ないわ。
明日香はここにいて。
こんなところで一体なんのお話があるっていうんですか?ここがあんたが亭主をやっちまった場所だからな。
私が主人を?バカな事おっしゃらないでください。
主人は心臓発作で死んだんです。
あなたたちはいくつ私に罪をなすりつければ気が済むんですか!?これだよ。
あんたの指紋がくっきりくっついてた。
それがなんだっていうんです?
(笑い)もちろんこんなもんじゃ人は殺せねえ。
イチ。
こんなライターでも5000ボルトの電圧を生みます。
(一ノ瀬)問題は…抜かれた着火の部品です。
普通この程度で致命的な感電はしませんがご主人には最悪の条件が整っていた。
心臓疾患を抱えた上過量の睡眠薬を飲まされていた。
ご主人はあなたが言うようにここで心臓発作を起こして倒れた。
(一ノ瀬)だがその後あなたは救命措置どころか通電しやすいようにご主人の胸を水でぬらしこれを押し当てたんです。
5000ボルト…。
弱った心臓にはその必要もなかったろうに…。
(井上)おあつらえ向きにここにはゴム手袋も長靴もある。
あんたは感電する心配がなかったんだ。
証拠隠滅どころかあんたここで亭主を殺したのか!?何言ってるんですか!?ライターは庭の落ち葉を燃やすためにここに置いてあったものです!確かに亭主はもうすでに荼毘にふされてる。
遺体からの証拠は何ひとつねえ…。
うん…。
だがなぁ…口紅だけは別だ。
口紅…?
(一ノ瀬)ご主人が病院に運ばれた夜あなたが僕にぶつかった時に付いた口紅です。
(一ノ瀬)病院であなた自身が言ってた事には矛盾があるんですよ。
心臓マッサージも人工呼吸もやったんですけどダメなんです。
主人を…主人を助けてください!
(一ノ瀬の声)人工呼吸をしていたら…こんな口紅が付くはずがないんです。
あの時ご主人のシャツがぬれてました。
それは…きっと主人の汗で。
床に滴るほどの汗をご主人がかいたとは思えません。
(留美の声)水でぬれたキーホルダーの事も覚えてます。
本当の事を言ってください。
通電させるためにご主人の胸部に水をかけライターを使って…。
そうなんですね?素子さん。
私が主人を殺しました。
私が主人を…。
殺しました…。
主人とはもう何年も冷めた関係でした。
何度も別れようと思いました。
でも主人は別れてくれませんでした。
このままじゃ私の一生が台無しになる…そう思って…。
じゃあ詳しくは署の方で。
あでも主人がホテルで人を殺したっていうのは何かの間違いです!
(神田)何…?素子さん…。
主人を殺したのは私ですけど主人は人殺しなんかしてません。
なんだと…?隠そうとしてるんですね。
ご主人が人を殺した事も証拠を隠蔽した事もすべて隠して明日香さんの幸せを守ろうとしてるんですね。
いい加減な事言わないでよ!明日香さんが結婚して幸せを掴むためにはご主人が犯した罪は存在してはならなかった。
いいえ。
自首する可能性のあるご主人すら存在させてはおけなかった。
それがあなたがご主人を殺した本当の動機です。
違います!桐岡は何もしてません!私は外で女を作り家庭を顧みない桐岡が憎かったんです!だから桐岡を殺したんです!あんたならいいのか?あんたなら人殺しになっても娘が悲しまねえとでも言いてえのか?継母という立場じゃそうでもしなけりゃ本当の母親以上にはなれねえとでも思ってんのか?それは違うな。
あんたがもし自分を犠牲にして娘の幸せを守った事に満足してるんだとしたらそれはただの…罪作りってんだ。
親にはそれ以下もそれ以上もない。
16年の間あなたが築いてきたものに間違いはなかったんです。
それはあなたと娘さんの事を知ってる人間なら誰もがわかってます。
(嗚咽)
(素子の嗚咽)私のために…。

(明日香)お母さん…!帰ってくるの…待ってるから。
お母さん…。

(パトカーのサイレン)桐岡との生活を続けられたのは明日香がいたからです。
あの子の成長する姿を見ているだけで私は幸せだったんです。
(素子の声)「人を殺した」そう主人は言いました。
あの女…死んだ…。
お…俺が殺した…。
え…!?ホテル…。
(素子の声)もし主人が逮捕されれば明日香の結婚がダメになる。
それだけは止めなきゃって…。
そう思うとそれ以外の事は何も考えられなくなって…。

(うめき声)
(桐岡)も…素子…苦しい…!しっかりして!ねぇあなた!
(素子の声)その時でした。
これまで抑えてきた主人への憎しみが一気にわきあがって…!素子…薬…うっ…ああ…!
(素子の声)あの人のバカげた行為が明日香の幸せを奪ってしまうなんて許せなかったんです!倉石さん。
おお釣る?竿とエサはそこの…。
ありがとうございます。
倉石さんの言葉で素子さんきっと救われたと思います。
そいつは違うなぁ小坂。
人は誰でもてめえでてめえの生き様を決めてんだ。
他人の一言でそいつの人生が変わるなんてそんな事はねえ。
…はい。
(敷島)倉石さん!勘弁してくれよもう…。
息抜けるとこはここだけなんだから…。
あ小坂ほら。
え…!?コバンザメほら。
コバンザメ?倉石さん!倉石さん?ありがとうございました!よ〜し…!よっ…。
2014/05/16(金) 16:00〜16:58
ABCテレビ1
臨場[再][字]

「罪つくり〜赤い口紅の秘密」

詳細情報
◇番組内容
臨場とは、事件現場に臨み、初動捜査に当たること。遺体や現場に残された物証から、事件の筋立てを読む検視官・倉石義男は、優秀だが死者の声をすべて拾えれば周囲との軋轢など気にしない組織の厄介者。「拾えるものは、根こそぎ拾ってやれ」彼の死者に対する悼み方、優しさが死因を追究し事件解決へ導く。
◇出演者
内野聖陽 松下由樹 渡辺大 伊藤裕子 京野ことみ 金子さやか 橋爪淳 伊武雅刀 高嶋政伸 ほか

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz

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