グレーテルのかまど「“ナルニア国物語”のターキッシュ・デライト」 2014.05.16

色とりどりの宝石のようなお菓子…一体どんなお菓子かご存じですか?このお菓子が登場するのはイギリス生まれのファンタジー。
1950年代に発表された児童文学の傑作です。
絵本や映画でおなじみのこの作品にターキッシュ・デライトは人をとりこにするお菓子として登場します。
甘くてやわらか。
少年は夢中になります。
一度口にすると永遠に食べ続けたくなる魅惑のスイーツって一体どんな味わいなのでしょう?今日は「ナルニア国物語」に登場するターキッシュ・デライトその魅力に迫ります。
光る石をたどれば行き着く不思議な家にあのお菓子の家のヘンゼルとグレーテルの末裔が暮らしています。
彼らが振る舞うおいしいお菓子の物語をご賞味あれ。
よしこれだこれだ。
これこれこれこれ!何持ってきたの?これ?「ナルニア国物語」。
ちょっと映画を見て久しぶりに原作を読みたくなっちゃってね。
なんと英語のオリジナル版じゃないの。
原書に挑戦するって事?そう。
おっ。
ちょっと読んでみるね。
「OncetherewerefourchildrenwhosenameswerePeter,Susan,EdmundandLucy」。
完璧でしょ?俺が知りたいのは映画に出てきたあのお菓子の事なんだけどちょっとね姉ちゃんも知りたがってて。
見て!あのお菓子の事ですね。
あのお菓子。
すごいおいしそうなやつだなと思った。
あの赤いやつだよね。
かまどは知ってるの?ターキッシュ・デライトっていうお菓子。
あたり前田のですよ!知ってるに決まってるじゃないですか!魔法の本開いて開いてもう!はい。
早く!え〜?どこだ?…あっ!今宵ひもとくのはナルニア国物語のターキッシュ・デライト。
日本では2006年に映画が公開され一躍人気となった「ナルニア国物語」。
神秘の国ナルニアを舞台に繰り広げられる冒険ファンタジーです。
この中で印象的に描かれている…イギリスでは昔から子どもたちの大好物。
カラフルで甘くてやわらかい独特の食感が魅力です。
原作者はクライヴ・ステープルズ・ルイス。
オックスフォード大学で教鞭をとりキリスト教を研究する中「ナルニア国物語」のシリーズを次々と発表。
7つのストーリーを生み出しました。
ターキッシュ・デライトはその最初の物語「ライオンと魔女」に登場します。
物語の主人公は戦火を逃れロンドンから疎開してきた4人の兄弟。
末っ子のルーシィが古い衣装だんすの中にナルニア国を見つけます。
この国は魔女の支配により100年もの間雪に閉ざされていました。
ナルニアで暮らす生き物は兄弟に助けを求めます。
人間の子どもが危機から救ってくれるという言い伝えがあったのです。
しかしエドマンドだけが魔女の味方に付いてしまいます。
それはあのお菓子が原因でした。
魔女はエドマンドにこう切り出します。
エドマンドはすかさずターキッシュ・デライトと答えます。
すると魔女は魔法で緑色の絹のリボンがかかった円い箱を出しました。
蓋を開けるとターキッシュ・デライトがどっさり。
それはこの上ない最高のターキッシュ・デライトでした。
作者C.S.ルイスの研究を続ける竹野教授。
作品にはお菓子を魅力的にする工夫があるといいます。
「BestTurkishDelight」という英語が出てきますけど…ただこの表現だけで読者の中の多くの方が食べたくなるようなイメージが湧く。
つまり…このターキッシュ・デライトには魔法がかけられていました。
一度食べるとますます食べたくなり食べ過ぎるとついには死んでしまうという恐ろしい魔法。
エドマンドはそのお菓子にすっかり夢中になり魔女は「ほかの兄弟を連れてくれば思う存分食べさせてやる」と言いました。
魔女は子どもたちをおびき寄せ一気に殺してしまうもくろみです。
ターキッシュ・デライトにはナルニアを支配し続けたいという魔女の野望が潜んでいたのです。
「Edmundhadnevertastedanythingmoredelicious」。
「エドマンドはこれ以上おいしいものを食べた事がない」。
作ってみようよこれ。
やっちゃいますか?日本で売ってないんでしょ?あんまり。
ターキッシュ・デライト聞いた事ないでしょ?珍しいものですけれど…。
ねえ。
やってみますか?やってみよう!かまどがいるから。
はい!じゃあまず味わいのキメテどうぞ!ヒュ〜!はいはいはいはい!じゃあいきますよ。
まずは鍋に水とグラニュー糖レモン汁。
145℃ぐらいまで煮詰めていきたいんだけれどね。
もうすぐかしら?来た!…OK!じゃあ火を止めて下さい。
熱いうちに使いたいからここからはスピード勝負よ。
じゃあもう一つの鍋にコーンスターチと酒石酸。
出ました!出た!クリームオブタータっていう名前でも売ってるんだけどねこれを入れておくと口当たりがよくなるのよね。
…で水を入れて。
じゃあこれで火を付けてみようかな。
鍋肌から固まってきますから。
鍋肌から固まってくる?来たでしょ?お〜来てる来てる!来てる来てる!はいはい来過ぎだから!もっと一生懸命混ぜないと世界に羽ばたけない!お願い。
もっともっともっと!うわ〜!何だ!?これ!だから…いやもう駄目駄目!速く速く!もっともっと!アハハハハ!はいオキテお願いします。
はい…。
ここからがかなりしんどいです。
…ええっ!?グッと来ます。
やけどしないための手袋だからね。
本当慎重ね!おっ!ああでもパチパチいってるもん。
いってるでしょ?ここからよ気を付けなきゃいけないのは。
大きくゆっくり。
ゆっくりね。
ゆっくり。
速く混ぜるともう危険極まりないから。
でもかまどがいるからどうにかナルニア!よっしゃ混ぜるぞ〜!これ本当に慎重にやらないと…。
危ないから。
危ないよ!じゃあご一緒に。
でも…。
(2人)どうにかナルニア!はい。
これあんまり面白くないなぁ。
これ本当に重たいね!滑らかにしていきますよ。
しんどいっていうのが分かるね。
シロップをこう3回に分けて入れるのはなぜかと言うと滑らかな舌触りを出すためです。
こうやって丁寧にこさえていくとゆっくり混ぜていくと舌触りがとってもよくなります。
これさどんな食感のお菓子なんだろうね?そうね日本のお菓子で例えるならば求肥とかゆべしああいう感じです。
…という事はモチモチッとした食感になるって事だね。
来てるね!これ鍋底に膜がはりまして塊ではがれるくらいまで煮詰めていくんだけどもね。
膜ははってるよ。
はってる?うん。
ほら。
よいしょ!力いるね。
そうだね〜。
そろそろいいかな。
OKです。
ではここで2つ目のオキテどうぞ!エキゾチック。
フフフフ!「誘え」までやっといて。
そこの液体を匂ってみて下さい。
うん!?どげんでがしょ?おお!何か…何だ?これは。
花の香りかな?ローズウォーターっていう…。
あっ!バラだバラ!そうそうそう。
バラの匂いするね。
ローズウォーターっていう香料でターキッシュ・デライトでは定番の香りなんですこの香りが。
本当にちょびっと入れるだけですごいいい香りがします。
色づけしたいのでバラの赤をイメージしたのを入れていきます。
エキゾチックだね〜。
・「エキゾチック」ムラがなくなってきたらOKだね。
すごいな!どろっとしてるね。
わお!紙を載せて…。
冷えるのを待ちますと。
OK!「ナルニア国物語」の中でルイスはなぜターキッシュ・デライトを選んだのでしょう?一つにはネーミング。
ターキッシュ・デライトとは「トルコの喜び」という意味。
そうトルコゆかりのお菓子なんです。
19世紀あるイギリス人がトルコに旅行した際に持ち帰ったものがその名前の由来とか。
トルコではもともとロクムと呼ばれ古くからなじみ深いお菓子でした。
色とりどりで種類も豊富。
定番のバラやレモンの香りナッツ入りのものも人気です。
苦いトルココーヒーと一緒に食べるのが定番の組み合わせ。
ロクムの味わいを引き立ててくれるんです。
日本に住んで20年トルコ料理店を営むファティさんもコーヒーにロクムは欠かせません。
友人をもてなす時や大切な儀式が行われる時にも必ず振る舞います。
トルコの人々にとってロクムは日常だけでなく特別なお菓子でもあるんです。
西洋と東洋の文化が入り交じる国トルコ。
ルイスは異国の香り漂うお菓子を用いて読者の想像力をかきたてようとしたと考えられます。
更にもう一つ時代背景が関係していたという説。
この物語は第2次世界大戦らしきものがあってロンドン空襲があってそしてそこから疎開するという形で始まりますね。
「ライオンと魔女」は第2次世界大戦中の話として描かれました。
食料不足の時代空腹に耐える中子どもたちが思いっきり食べたかったのは砂糖たっぷりの甘いお菓子。
そしてお菓子には夢や希望憧れが詰まったものを求めていました。
戦争中実はルイス自身も疎開する子どもたちを自宅で預かっていました。
子どもたちと暮らすうち彼らの行動をノートに書き留めるようになったルイス。
このメモをもとに書かれたのが「ライオンと魔女」。
厳しい現実と闘う勇気を奮い立たせたいとこの物語が誕生したのです。
ターキッシュ・デライトは逆境に屈しない心を育むためにルイスが選んだお菓子でした。
へえ〜!ターキッシュ・デライトってトルコのお菓子だったんだね。
確かにターキーだもんね。
そうそう。
でねその物語の中で何であめとかチョコレートではなくてターキッシュ・デライトだったんだろうかってね。
そういうのも想像して作るのも楽しいよね。
楽しいね。
冷ましておいたターキッシュ・デライトどうなってるか見ようか。
そうだそうだそうだ。
どうかな?それねペラッとはがれたらもう全然OKだから。
もうほら完璧完璧。
ほら!いいですね〜。
OK!じゃあそれを1晩置いておきます。
じゃあ次はナッツを使ってみたいと思います。
ローストしたアーモンドそれとヘーゼルナッツそしてピスタチオがございます。
アーモンドとヘーゼルナッツは刻んで下さい。
アーモンドとヘーゼルをヘンゼルが刻むって事ね。
いいですよ。
じゃあさっきと同じ感じでターキッシュ・デライトのもとを作ってみて下さい。
任して!かまど〜!出来たよ!ほほう!バニラエッセンスをたらして下さい。
3滴4滴たらして…。
ナッツとバニラの香りすごく合うと思うんですよ。
いやもう今の時点ですごくいい香りが香ばしい香りと甘い香りと。
このすてきな色合いももうたまらん!きれい!わ〜大好きこの色!いいねこれね。
いやこれさターキッシュ・デライトを作ったなんて言ったら姉ちゃん絶対驚くねこれ。
驚くよ〜。
ちょっと一息TeaBreak!「ナルニア国物語」にはこんな不思議も。
ちょっとかまどかまど!はい?びっくりしたよこれ!日本語版にはさどこにもターキッシュ・デライトが出てこないんですけど。
そこに気付いちゃったのね。
気付いたよ。
何て書いてあった?いやちょっと見て!プリン!でね次のページにもねプリン!ほほう!プリン!プリンプリン!プリンしか書いてないんだよこれ!よく見つけたわねヘンゼル君。
これはふわふわで甘いと書かれたターキッシュ・デライトを当時日本人になじみの深いお菓子に変えているのよ。
本が訳されたのは1966年昭和41年なんですよ。
ちょうどそのころ牛乳と卵を混ぜて作る即席プリンのもとが普及し始めたのよね。
それまで高級で一部の人しか食べられなかったプリンがようやく一般の家庭で食べられるようになった頃なんですよ。
そういう事ね。
日常に食べるご褒美的なお菓子だったって訳でしゅ。
ああこれ翻訳した人はさ日本の子どもたちが大好きな甘くてやわらかいプリンをターキッシュ・デライトの代わりに選んだって事だ。
そういう事でしゅ!そうすれば日本の子どもたちもおなかいっぱい食べたいと思うもんね。
そういう事ですよ〜。
そこでヘンゼルだったら何て訳しますか?何だろうな?あっ!エキゾチック感もあるしね。
いい!それいい!…という事で以上TeaBreakでした。
ばっちり!固まったよかまど!固まった?じゃあじゃあ切りましょうか。
OK!包丁にねサラダ油…。
くっつきにくくなるんだね。
うわっ!弾力すごい!ウフフフフフ!何だ?これ。
すごい弾力だよこれ!いいでしょ?何かもう色もきれいだし…。
これは大きめにして食べ応えのある感じにしたらいいね。
おお〜!何か物語に出てきたのっぽいね。
あとねチョコレートも用意してみたんです。
イギリスではチョココーティングっていうのが定番なの。
へえ〜!ナッツいってみようか。
ナッツいってみようか。
フフフ。
わ〜何かこういうチョコレートのお菓子あるけどさ食べてみると全然違うっていうね。
「これ何!?」みたいな。
これでね姉ちゃんが俺の言う事聞いてくれるかなと思ってさ。
なるほど。
心を惑わしてやろうと思ってた訳だ。
(チャイム)あっ!姉ちゃん帰ってきた。
姉ちゃんお帰り!お望みのお菓子出来てますよ。
何たくらんでるのよ?怖い!「ナルニア国物語」で少年がとりこになったお菓子ターキッシュ・デライト。
ナッツの風味とかぐわしいバラの香りがエキゾチック。
チョコのコーティングもお薦めよ。
遠い世界に誘う魅惑の味。
ご賞味あれ。
さてエドマンドはターキッシュ・デライト欲しさに魔女のもとへと向かいます。
しかし兄弟を連れてくる事はできませんでした。
彼は魔女の怒りに触れひどい仕打ちに遭います。
ターキッシュ・デライトの代わりに出されたのは…後ろ手に縛られむちを振るわれました。
初めて経験するつらく苦しい出来事。
エドマンドはそこで自分の弱さと向き合う事になるのです。
これは架空の物語ですけども非現実の物語自体は実は…誘惑と誘惑される者との関係それを読者は読む訳ですね。
ひと事ではないと思う人もいるでしょうし…エドマンドは正気に返り魔女と戦う道を選びます。
そして兄弟と力を合わせ平和な世界を手に入れるのです。
初版から60年余り世界中で読み継がれてきた「ナルニア国物語」。
都内で毎週開かれている大学生によるお話会。
そこには初めてこの物語に出会う子どもたちの姿が。
「それは凶暴なオオカミでした」。
どうだった?どういうところ?「ナルニア国物語」に描かれたターキッシュ・デライト。
それは子どもたちに夢と勇気を与えてくれる魅力あふれるお菓子でした。
今日の「グレーテルのかまど」いかがでしたか?物語でのターキッシュ・デライトは人を惑わすスイーツとして描かれていましたが同時に少年を成長させてくれるそんなスイーツでもありました。
僕も今回初めて作ってみてあの液体のものがどろどろのものに変わってそれがモチモチのものに変わると。
これに驚き魅了されちゃいました。
ではまたこのキッチンでお目にかかりましょう。
ではちょっと失礼して。
頂きます!赤いやつからいこうかな。
うわ〜もういいですね。
今日のヘンゼル君にすごい合ってるね。
このエキゾチックなローズの香りがね誘われる感じがするね。
フフフフフ!あれ?何か…かまどがすげえ美人さんに見える。
あら。
すごい!何だ?惑わされてるのか?あっ!お姉ちゃんを惑わすつもりが食べてしまったがゆえに己が惑わされてるの?今もう一個食べたらね治った。
あっ治ったの?うん。
いつものかまど。
惑わさないお菓子なんだ?そっちのナッツの方は。
おかしいでしょそれ。
2014/05/16(金) 21:30〜21:55
NHKEテレ1大阪
グレーテルのかまど「“ナルニア国物語”のターキッシュ・デライト」[字][デ]

「ナルニア国物語」に登場し、子どもたちをとりこにする珍しいスイーツ、ターキッシュ・デライト。「トルコのよろこび」と名付けられた、カラフルでスイートな味に迫る!

詳細情報
番組内容
1950年代に発表された英国の児童文学「ナルニア国物語」。原作本、絵本のほか映画にもなり、世界中で親しまれるファンタジーの名作だ。物語では悪の権化のような魔女が主人公の少年を“甘くて柔らかな”お菓子、ターキッシュ・デライトで誘惑する。一度食べたらとりこになるこのお菓子の味、そして正体とは?また、作者C.S.ルイスが伝えたかったこととは?番組に届いた多くのリクエストに応え、謎のベールが今、明かされる
出演者
【出演】瀬戸康史,【語り】キムラ緑子

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
バラエティ – 料理バラエティ
情報/ワイドショー – グルメ・料理

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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