週刊 ニュース深読み「新たな“労働時間制度”あなたの給料は?働き方は?」 2014.05.17

まだ5月ですが。
今週水曜日、群馬県館林市では、最高気温が31度9分に。
31度9分?
今週は、西日本から東北で30度以上の真夏日になりました。
おはようございます。
週刊ニュース深読みです。
まだ5月ですよね。
本当に暑かったですよね。
実はきょうもですね、西日本や東日本では夏日になる所があると予想されているんです。
5月でこんなに暑いってことは、もう、この夏は猛暑ですか?
という単純な話でもなさそうなんですね。
ちょっとこちらを見ていただきましょう。
これ、7月の気温の予想なんですけれども、青くなりました。
この水色の部分というのは、平年よりも低い所。
東北や北海道などで、平年並みか、平年よりも気温が低くなる予想なんです。
いわゆる冷夏?
そうなんです。
この原因の一つとして考えられるのが、この夏、発生が予想されている、エルニーニョ現象。
エルニーニョ現象って、海水温が上昇するんじゃなかったでしたっけ?それでどうして冷夏になる?
どういうことなのか、ちょっと見ていきましょうか。
取材してきました。
訪ねたのは、気象庁の気象情報課です。
NHKの高井と申します。
きょうはよろしくお願いします。
前田修平さんです。
実は前田さんは。
えっ?エルニーニョ情報管理官と書いてありますが。
そういうお仕事があるんですね。
エルニーニョが専門?
エルニーニョ現象の監視や予測、情報の発表などを行っている前田さん。
解析した情報は、国内だけでなく、海外の専門家もチェックするそうです。
世界が注目するエルニーニョの専門家が。
日本の窓口なわけですね。
エルニーニョ現象とは、南米ペルーの西側の海域で、水温がいつもより高くなる現象です。
そうしますと。
これはメキシコの山火事。
1997年から98年にかけて発生した、20世紀で最大級のエルニーニョ現象では、南米、オーストラリア、インドネシアで干ばつが続き、大規模な森林火災が起きました。
アメリカでは、大気が不安定になって、各地で豪雨や竜巻が。
さらに寒波による大雪も。
各地で異常気象が起きやすくなるので、海外の気象の専門家が、日本の気象庁がどう分析しているかも注目しているわけです。
では、ことしの夏、エルニーニョ現象は。
前田さんは、どれぐらいの規模になるかはまだ分からないとしながらも。
エルニーニョ現象で、日本が冷夏になるメカニズムが分からないです。
まずですね、なぜ日本の夏が暑いかからいきましょう。
それは夏だからじゃないですか?
ちょっとこちら見てください。
ここに日本列島がありまして、高気圧があります。
北側には冷たい空気をもたらす、寒と書いてありますが、寒さをもたらす空気があります。
南側は暖かい空気なんですが、その暖かい空気と冷たい空気を分けているのが、日本の上空を吹いている偏西風。
おなじみですね。
聞いたことありますよね。
で、これからの時期、高気圧がぐぐぐぐぐぐぐ、発達します。
そうすると偏西風が押し上げられて、日本付近は暑くなって、夏になります。
本格的な夏がやって来ると。
分かりました?ここまで。
ええ、なんとなく。
ただ夏になると、高気圧が大きくなる理由が分からないです。
それはですね、この辺りの海水の温度、ポイントなんですけれども、赤道付近の海。
暖かいから。
海の水が風で吹き寄せられて、この辺りにとどまっていると考えてください。
この海面から水蒸気が出て、上昇気流になって、それが下降気流になります。
これが高気圧。
上から押さえるから高気圧。
で、力が強いから、さらに高気圧が発達する。
あっ、それで夏になると高気圧が発達する。
ただ、ことしはですよ、どういう予想かというと、この暖かい海水、この辺りでとどまってしまう、風が弱いから、この辺りでとどまってしまう。
それが先ほどからお伝えしている、このエルニーニョ現象。
そうすると、この辺りの海の水の温度というのは。
上がらない?
上がらない。
ですから、矢印が小さくなりました。
押す力が弱くなるから、高気圧が発達しない。
ですから、偏西風は大きく動かない。
代わりに、ここで、こっちの高気圧が発達してもよさそうなもんですけどね。
ですが、地球の自転の関係で、ここは東側に影響が出るそうなんですね。
ですから、日本は冷夏になるということなんです。
なるほど。
北日本で冷夏になるとした場合、11年ぶりのことなんです。
こちらは11年前の映像です。
8月ですが、長袖を着ている人もいます。
ありましたね、そういえば。
そうなんです。
エルニーニョ現象の影響で、全国的に気温が低くなりました。
野菜や米なども不作になってしまいました。
気象庁の前田さんは、こうした冷夏だけでなく、エルニーニョ現象は、日本列島に別の影響をもたらすおそれがあると話していました。
夏にかけて日本では、偏西風付近に梅雨前線が出来ます。
エルニーニョ現象によって高気圧が発達しないと、偏西風だけでなく、この梅雨前線も、そのまま居続けることになりまして、長雨や豪雨をもたらしやすいというのです。
前田さんは、日本にどれぐらいの影響が出るのかは、まだ分からないとしたうえで。
さあ、続いては中国とベトナムの間で、領有権を巡って緊張が続く、南シナ海についてです。
こちらの西沙諸島、英語名パラセル諸島の周辺海域で、双方の当局の船がにらみ合いを始めてから、きょうで2週間となりました。
ベトナムでは、中国に対する反発が強まって、デモの参加者が暴徒化して死者が出るなど、対立は先鋭化しています。
ベトナムでは、今週、中国に抗議する大規模なデモが相次ぎました。
一部は暴徒化し、外国企業が入る工業団地などを襲撃。
中国政府によりますと、これまでに中国人2人が死亡、100人以上がけがをしたということです。
中国人1人が死亡した現場です。
建設中の工場がデモ隊に襲われました。
目撃した人によりますと、ベトナム人労働者のデモに、中国人労働者が反発し、争いになったということです。
デモを受けて、中国人の間では、ベトナムを離れる動きが広がっています。
ベトナムとカンボジアの国境にある検問所です。
多くの中国人が、カンボジア側に逃れてきています。
日系企業にも影響が。
JETROによりますと、ホーチミン近郊の6か所の工業団地で、合わせて10社余りが被害を受けたということです。
日本企業もですか。
外国企業が無差別に襲撃された可能性も指摘されています。
中国とベトナムとの間で緊張が続く南シナ海。
ベトナムの海上警察の船に乗っています。
ご覧のように、すぐそばを中国海警局の船が並走しています。
にらみ合いが始まって、きょうで2週間となりましたが、双方とも現場海域に展開する船の数を増やしていて、事態が収束する見通しは立っていません。
衝突について、ベトナム側は。
一方、中国はきのう、ベトナムの船が衝突してきた様子を撮影したとする写真を公開しました。
一連の衝突のきっかけとなったのは、中国の掘削装置、海洋石油981の設置です。
南シナ海での資源開発のため、建造されました。
海洋石油981は、おととし、香港の南東の海域で初めて使われました。
深海に眠る石油や天然ガスなどの探査と開発に対応でき、このタイプの掘削装置としては、世界最大級とされています。
また、作業員のための寝室や食堂なども備えていて、遠洋でも長期にわたって作業できるということです。
所有する国有企業の広報資料です。
海洋石油981について、移動する国土と表現しています。
この装置の投入によって、南シナ海での資源開発を進めるだけでなく、領有権を争う海域での主権を、国際的にアピールするねらいもあるものと見られます。
中国が進める南シナ海への進出。
その背景の一つは、エネルギー事情です。
急速な経済発展に伴って、石油の消費量も猛烈な勢いで増加。
現在では輸入に頼る割合がおよそ6割にまで拡大しています。
資源を安定的に確保することが、重要な課題になっています。
南シナ海での衝突は、今週行われたアメリカ軍のデンプシー統合参謀本部議長と、中国軍の房峰輝総参謀長の会談でも取り上げられました。
会談後の記者会見では。
ベトナムでは、きのうも北部で数千人規模のデモがあったということですが、大きな混乱はなかったということです。
ただこの週末も、全土でデモが呼びかけられており、再び混乱が起きないか、懸念が広がっています。
ベトナムの首都ハノイには、取材に当たっている市原記者がいます。
市原さん、きのうは大きな混乱はなかったようなんですが、デモは収束に向かうんでしょうか?
状況は予断を許しません。
日頃、デモを厳しく規制するベトナム政府が、異例ともいえる規模の反中デモを容認してきました。
その背景には、中国側を強くけん制するねらいがあったものと見られます。
ただ、デモ隊の一部が暴徒化し、日系企業などにも被害が出たのは計算外だったはずです。
今週末も、インターネットの交流サイトなどを使って、ベトナム全土で大規模なデモが呼びかけられていますが、当局がこれを黙認するのか、押さえ込みを図るのか、対応が注目されます。
市原さん、ベトナムで中国への反発がこれほど強まったのはなぜなんでしょうか。
現場の海域では、中国が実効支配を続けていましたが、今回、資源開発という新たな段階に踏み込んだからです。
ベトナム側から見れば、自分たちの資源を奪われることにほかならず、中国が一線を越えたとベトナムは受け止めたわけです。
これまでも、中国による漁船などへの妨害はありましたが、ベトナム政府は報道を控えめにして、中国との関係を優先させる姿勢を示してきました。
ところが今回は、衝突の映像を公開して、大々的に記者会見を行い、ベトナムの国営メディアも連日、トップニュースで伝えています。
私もきのうまで4日間、ほかの海外メディアと共に、ベトナム海上警察の巡視船に同乗して、取材することを許されましたが、これも極めて異例の対応で、中国に国力で劣るベトナムが、国際世論を味方につけたいというねらいを感じました。
ベトナムと中国の対立、今後はどうなるんでしょうか?
領有権という、譲歩すれば双方とも政治的なダメージが避けられない問題なだけに、対立は長期化するものと見られます。
ベトナム側は、緊張がエスカレートした場合、軍事的には勝ち目がないことを理解して、海軍の派遣などは慎重に控えています。
それだけに、ASEAN・東南アジア諸国連合など、多国間の協議の場を通じた、外交的な解決を図りたい考えです。
しかし今後、反中デモで中国人の犠牲者が増えるようなことがあれば、今度は中国側が黙っていられなくなるおそれがあります。
反中デモと、海上でのにらみ合い。
どちらも不測の事態に発展する可能性があるだけに、当面、緊迫した状況が続きそうです。
ハノイから市原記者でした。
ここまで南シナ海の問題についてお伝えしました。
続いては、お酒についてです。
アメリカの大手蒸留酒メーカーを、日本円にしておよそ1兆6000億円で買収した日本の飲料メーカーが、今週会見。
海外に本格的に進出する姿勢を鮮明にしました。
期待を寄せるのはこちら、ウイスキーなんですね。
日本のウイスキーは最近、国際的なコンクールで賞を相次いで受賞するなど、評価が高まっているんです。
アメリカ・ニューヨークの酒の販売店です。
客が品定めをしているこの棚。
並んでいるのは、日本のウイスキーです。
この店では、日本のウイスキーの売り上げが、ことしは前の年より10%増えているということです。
こちらのバーでは、こんなメニューが人気です。
ニッポンウイスキー。
6種類の日本のウイスキーを飲み比べることができます。
この店では、客の10人に1人が、日本のウイスキーを注文しているということです。
日本のウイスキーは、およそ90年前に、スコットランドから製造技術を導入して生産を開始。
その後、独自の発展を遂げてきました。
こちらは、ヨーロッパのウイスキー専門誌。
日本のウイスキーを取り上げています。
日本のウイスキーは、香りのよさや、まろやかな味わいなどが評価され、次第に海外でも注目されるようになりました。
2000年ごろからは、国際的なコンテストで相次いで賞を受賞。
去年、イギリス・ロンドンで行われたコンテストでは、鹿児島県の酒造会社のウイスキーが、最高賞を受賞しました。
日本の蒸留所を訪れる、海外からの観光客も増えています。
この日、山梨県にある蒸留所を訪れたのは、シンガポールからの団体客。
ウイスキーが出来るまでの工程を見学したり、試飲を楽しんだりしました。
この蒸留所では、原料の麦汁の発酵に、古くから使われてきた木のおけを使用しています。
世界で主流となっているステンレス製と比べ、きめ細かい温度管理が必要になりますが、より深い味わいを出せるということです。
さらに、世界に打って出ようという動きも。
大手飲料メーカーのサントリーホールディングスは、蒸留酒の売上高で世界4位のメーカー、アメリカのビームを買収しました。
国内市場の拡大が見込めない中、メーカーでは、世界120か国に広がるビームの販路を活用して、販売網の拡大をねらっています。
続いてはこちら。
焦点は与党協議に移りました。
集団的自衛権を巡って、安倍総理大臣が設置した有識者懇談会が、おととい、報告書を提出しました。
報告書を提出願います。
報告書は、北朝鮮の核やミサイルの開発、中国の海洋進出の活発化など、日本を取り巻く安全保障環境は、一層厳しさを増しているとして、憲法解釈を変更し、集団的自衛権の行使を容認するよう求めています。
報告書の提出を受けて安倍総理大臣は記者会見し、限定的に集団的自衛権の行使を容認することを視野に、与党協議に入り、法整備を進めていく考えを表明しました。
自民、公明両党は、自民党の高村副総裁と、公明党の北側副代表を中心に、両党の幹事長らも加わったメンバーで、来週20日から協議を始めることにしています。
去年11月から国際宇宙ステーションに滞在していた、宇宙飛行士の若田光一さん。
今週水曜日、地球に帰還しました。
若田さん、お帰りなさい。
若田さん、若田さん、お帰りなさい!
若田さんは、宇宙ステーションに滞在中、高感度カメラを使ったすい星の撮影や、人の形をしたロボットと会話する実験も行いました。
3月からは、日本人初の船長として、6人の宇宙飛行士のスケジュール調整などにも当たりました。
若田さん、お疲れさまでした。
どうも、ただいま帰りました。
高校生など、300人近くが犠牲になった、韓国の旅客船、セウォル号の沈没事故。
韓国の検察は、船長ら合わせて4人について、真っ先に船から脱出しており、乗客を避難させなければ、死亡することを明確に認識しながら、救護措置を一切取らなかったとして、おととい、殺人などの罪で起訴しました。
また検察などの合同捜査本部は、船会社が、貨物の大幅な過積載や積み荷の固定が不十分なまま、船を出航させていたほか、避難訓練を行っていなかったことなど、ずさんな安全管理が事故につながったと見ています。
検察は、船会社の刑事責任についても調べを進めており、船会社の実質的なオーナーの逮捕状を請求し、船会社の刑事責任について、さらに調べる方針です。
出版やアニメ、映画などを幅広く手がけるKADOKAWAと、ニコニコ動画を運営するドワンゴが、経営統合することになりました。
ことし10月に設立する新たな持ち株会社、KADOKAWA・DWANGOの傘下に、現在の両社を小会社化する形で統合します。
今回の統合、KADOKAWAは、海外にも会員を広げているニコニコ動画を通じて、アニメなどを配信するなど、海外展開を一段と強化するねらいがあります。
一方、ドワンゴにとっても、配信するコンテンツの充実を、一気に図ることが可能になり、両社の思惑が一致した形になっています。
続いてはニュースの深層に迫る深読みのコーナー。
みなさん、きのうは何時まで働きましたか?
日本経済を支えるサラリーマン。
ついてまわるのはやっぱり、残業。
時刻は、夜11時を過ぎています。
ここ、東京の新橋駅前。
多くのサラリーマンの方々まだ、たくさんいらっしゃいます。
景気も上向き。
皆さん、遅くまでお仕事しているようです。
そんな働き方は効率が悪い!政府は、今改革に乗り出しているんです。
でも、お給料が成果によって増えたり減ったりするのってどう思いますか?
これから私たちの働き方はどう変わるの?そしてお給料にはどう影響するの?きょうは、とことん深読みします。
きょうもメール、ツイッターの投稿、お待ちしております。
新橋の駅前で、街頭インタビューしたら、飲んで帰ってくるから遅い人たちなんじゃないかっていう。
赤ら顔の人もいらっしゃいましたけどね。
でも確かに、半分ぐらいの方は、飲んでたかなと思うんですけど、飲んでた方も飲んでない方も共通してたのが、皆さん本当、残業をしたとおっしゃってたんですね。
残業日本。
まさにそうなんだなと感じましたね。
残業したうえで飲みに行かれた方々。
残業したあとの一杯がうまい。
なるほど、どうですか、成果給。
成果っていうのが、全部数字ってことですか?
どうなんでしょうね。
それがちょっと。
きょうの番組の発言回数によって、成果となる?
えー!
じゃあ、いっぱいしゃべろう。
怖いですよね。
そんなことありませんから安心してください。
給料が成果で決められるってどういうことなのか。
中山アナウンサーのこんなプレゼンから、きょうはスタートです。
このお話ですね、アベノミクスの成長戦略に関係していることなんです。
日本って今、労働人口って減っています。
ですので、経済を成長させるために、若い人、お年寄り、女性、外国人にももっと働いてもらおうと、働きやすい仕組み作りを進めてきました。
そして今、企業に対しては新たな労働時間制度を導入してもらおうと議論を進めているところなんですね。
これありましたけれども、給料を成果に応じて支払うと、働きやすくなる仕組みということなんですが、これ、一体どういうことなのか。
企業、そのあたり、政府の会議の資料をもとに、しっかりと皆さんにご説明していきます。
まだどういう方が対象になるのかっていうのは、具体的に決まっているわけではないんですけれども、今回分かりやすく、電機メーカーに勤務するサラリーマン、深読太郎さん、深読みらしく、こういった方で見ていきますよ。
皆さんね、まずは今の働き方、こうなってます。
会社に出社しますと、タイムカード、これで、こうですね。
すると基本給が。
この会社では9時から18時までが定時の勤務。
その間働けばもらえるお金。
定時を超えて働くと。
出ました、残業代です。
こうした給料、時間でっていう時間は、労働基準法で働く時間、決まっています。
1日8時間、週に40時間まで。
残業は、会社と労働者側の話し合いで上限を決めるということになっているんですが、じゃあ、その残業時間、世の中、一般的、どれぐらいか。
この読太郎さんのような一般職男性40代の方ですと平均、月に25時間。
もらえる残業代、どれぐらいかというと、基本給30万円の場合は6万円ほど。
大きいですね。
給料全体のおよそ2割を占めているわけなんですね。
残業代、読太郎さんにとっても、この家の収入の中でとても大きなものなんです。
奥様は専業主婦、そしてお子さんのこの養育費や介護のお金などもあると。
すると、もう本当にこの家計には、残業代が必要なものなんです。
新橋のサラリーマンの方に聞いても、幼いお子さんを2人育てているという、奥さんが専業主婦の方なんかは、もう残業代がなかったら、うちの家計はもうアウトですとおっしゃっていったり、若い独身の男性の方も基本給が少なくて、残業代がなかったら、もう暮らしていけませんっていうことをおっしゃってる方もいました。
読太郎さんは、この日も遅くまで働いたわけです。
で、その会社を見るとです。
するとこんな方々もいるんですね。
だらだらと働いている方、モチベーションがずいぶんと低いながらも、さらに残りながら働いている人。
読太郎さんからすると、これ、非常に不公平。
こういう方々にも同じように残業代が出ている。
会社からしてみれば、これは非常に効率の悪い働き方だと。
これ、業績に響いてしまうかもしれない。
だから、だからこうした問題を解決しようということで、これですね、新たな労働時間制度となったわけなんですけども。
これ、給料が時間の働いた長さではなく、基本は、成果に応じて支払われるということですね。
となると、これは。
そう、もういらない。
代わりに、上司の方と目標を設定して、それが実現できたかどうか。
それで決まっていくわけです。
読太郎さんは目標が決まりました。
よし、読太郎君、新商品の企画、5つ出してもらおうか。
そんな、声変えなくてもいいですよ。
ちょっとやらしてください。
すみません。
その一つを商品化してもらおうとなるわけです。
それが実現できれば、そのお約束どおり、お給料。
これがいわば成果給ですね。
だからこれまでの、長く働けば働くほどもらえていた残業代は、あれ?定時の時間働いたらもらえていた基本給は。
基本給ももらえるの?
代わりにこれなんですね、成果給。
怖い!
ざくっと言いました、分かりやすくしてますけども、成果給になるということなんです。
そうなると、読太郎さんはこれ、一生懸命考えるんです。
企画を一生懸命考えます。
そして5つ提出しました。
すると上司の方、おっ!いいね、その企画、一つ商品化しよう!となる。
すると見事、目標が達成されるわけであります。
さらに読太郎さんは頑張るんですね。
新しい企画も出しちゃおう。
出しました。
するとおっ、それもいいね。
それも商品化だ!そうなると、またまた頑張る読太郎さん、企画をまた出した。
すると、おっ、偉い!よし、商品化だ!
そんなうまくいったことばかりやってますけど。
成果が増えれば増えるほど、給料も上がっていくと。
こうなると社員の方は、やる気が上がると。
頑張る読太郎さんを見た、こうした方々も、一生懸命頑張るようになって、効率よく働いて生産性が上がり、会社の売り上げもアップするというふうになるんです。
もしですね、その目標を出して、それができなかった場合は、全くもらえないんですか?
そこですよね。
そんなにうまくいくのかどうか。
きょうはこれをやりましょうという新労働時間制度に対して、賛成の専門家と反対の専門家、両方のお立場の方にお越しいただいております。
反対のお立場なのが、若者の労働相談に取り組んでいる今野晴貴さん。
よろしくお願いします。
そして賛成のお立場は、労働経済学者の八代尚宏さん。
よろしくお願いします。
そんなにうまくいくのかっていうご質問ですね。
目標を出しても、なかなかそれが実現できない場合って、多いですよね。
頑張ってはみたけれども、いろんな景気とか、いろんなことで目標が達成できないともらえなくなるっていう、その頑張りがむだに、でも会社のためには頑張ってるわけですよね。
だから問題は成果が上がらなかったときに、給料が今のざっくりとした説明だと、ないかもしれないというみたいになっていますけれども。
だから、そういう極端なことはありえないわけで、基本的に労働者の給料っていうのは、基本給があって、それから成果部分がそれに乗るわけですし、今の説明もちょっと、ややミスリーディングがあると思ったのは、こういうやり方をすでに実行してたことがあるんですよね。
2000年代に電機労連という、システムエンジニアとかプログラマーがメインの労働者ですよね。
こういうところは労働時間がすごい不規則なんです。
ですから、そこではまず、今までもらってた残業代を一つの定額に帰ると。
会社によって違いますけど、大体年収の3割ぐらいを、残業をしてもしなくてももらえるという形で導入したわけですね。
これは逆に労働時間を短くするために導入したんです。
つまり忙しいときは、どんどん残業しなきゃいけないけど、そうでないときは自分で休める、休んでも損をしないと。
今すでに導入しているところでは、ちゃんと基本給に該当するものはありますよっていうご説明ですよね。
ただこれは、違法だといって潰されたんですね。
労働省によって。
そうなんですか。
つまり、せっかく労使が考えて、労働者のために作った、組合主導でやった仕組みを潰してしまったというのが非常に問題なわけです。
これが実践していたら、今、もっと建設的な議論ができてたと思います。
なんでそれが潰されてしまったんですか。
つまり、今の法律にはそういうことは想定していないと、働いた時間に応じて、残業代を出さなきゃいけないという、非常に硬直的な考え方。
だから、それ自体を変えようというのが今の動きなんですね。
どうぞ、今野さん。
現実にはいっぱい弊害があって、そもそも成果っていったときに、誰がどうやって、図るのか。
先ほども街の方、おっしゃってたわけですけれども、まず目標はどう設定されて、その目標をどれだけ達成したのかということがどう評価されるのかが問題なわけですよね。
さっきの話でいくと評価されて、またもっと頑張るともっと評価されて、でも逆に、企画を3つ最初から通さないとだめだと、今度なったらどうなるのか、そこまでやらないと、あなたは最低限をクリアしていないですよ、いやいや、むしろ、5個、いや6個だと。
それいかなければ、常に評価しないよ、こういう話になってしまったらどうか。
これは実は、仮定の話じゃなくて、私の受けている労働相談だと、毎日のように、そういうような方は常にいらっしゃるわけです。
新労働時間制度にしなくてももうすでに。
しなくても、もうすでにそういう働かせ方をいろんなところで行われていて、私は特にブラック企業という問題、この間、ずっと告発をしてきたんですね。
ブラック企業というのは、それを常とう手段にしているわけですね。
この仕組みに近い仕組みというのがあって、もちろん厳密にいうと違法なことが多いんですけども、例えば管理監督者という制度があるんですね。
管理監督者というのは何か。
あなたはもう、会社の幹部ですと。
幹部だから、残業代は出ません。
つまり、経営者と同じように、もう自己責任で働いてください。
こういう働かせ方があるんですね。
これを例えば、ブラック企業では、店舗の店長に適用する。
あなたはこの店舗の店長として、会社の幹部として、とにかく売り上げを上げてください。
売り上げが上がらなかったら、あなたは全く成果は評価されませんよと。
だけれども、じゃあ、どのぐらい売り上げ上げなきゃいけないのか。
絶対無理だっていうような条件を突きつけられてしまうと、とにかくサービス残業を、とにかくひたすらするしかない。
最近きた相談なんかですと、こういうのあるんですよ。
突然、1店舗の店長だったのをもう2店舗やれと。
2店舗も絶対成果出せと。
これでできなければいけないこれ、180時間残業する。
80時間を超える残業をしてしまうと、体を壊す危険がある、死んでしまう場合もある。
これ、厚生労働省が言ってるんですね。
ところが、あなたのノルマは2店舗回すことだ。
こういうふうに設定されてしまうと、もうこれは死ぬほど残業するしかない。
こういうのはもう世の中にいっぱいあるんですね。
挙げていくときりがないんですけども。
みずからの目標ではなくて、会社側から無理なといいますか、そんなのできないよということを押し付けられるということなわけですね。
ですよね。
自分の目標を立てると、あまり高い目標を立てないかもしれない。
それはですね、今野さんはブラック企業を専門にしておられるわけですから、そういう人ばっかり来るわけですけど、世の中にはまともな企業もたくさんあるわけですよね。
今のようなケースは、組合があれば組合とちゃんと会社が相談しますし、それがなくたって、基準監督署がちゃんとチェックしてるはずなんです。
だから問題はブラック企業がそんなに多いということは、私は基準監督署の怠慢であって、ちゃんと今の法律を守らせる義務があるわけです。
質問します。
今回の新労働時間制度では、みんな残業代、なくなっちゃうんですか?
そこは、もし、これが入るとしたら、どういう人が対象の可能性があるのかっていうのは、大変みんな興味があるところだと思うんですけど、関心のあるところだと思うんですけれども、実は、これ話している、新たな労働時間制度って非常にちょっと分かりにくいタイトルでしょう?こういう、新たな労働時間制度。
これ、実はこれまでに何度も話してきたものなんです。
実はこれはホワイトカラー・エグゼンプションといわれる。
とっつきにくいことばが出てきました。
ホワイトカラーは分かるんですけど、エグゼンプションって分かんないです。
これはね、アメリカで行われている制度でして。
エグゼンプションってなんですか?
エグゼンプションは、つまり適応除外、ホワイトカラー、つまり事務局のうち、一定条件の人は、労働条件からエグゼンプション、適用除外しましょうという制度なんですね。
これ、安倍政権にとっては念願のようなもので、入れることが。
第1次安倍政権、7年前のときにもこれを入れようとして、やっぱりものすごい反対になって断念をして、去年もその第2次安倍政権になってから、去年も国家戦略特区と呼ばれる、総理肝煎りの仕組みの中で入れようとしたんですけど、これもやはり反対が強いので、まず議論が断念して、今回、3度目のチャレンジのようなものですね。
中身は?
それで、このホワイトカラー・エグゼンプション、これ、今までに何度も話してきたんですけど、基本的にはこちらのタイプだったんですね。
高収入型。
例えば、年収が1000万円以上だったり、高度な技術を持っている人、例えばデザイナーとか、例えば弁護士資格を持って、会社の法務部で働いている人、そういったような人たちが主にその対象、まず入る対象になるという議論をやってきたんですが。
この高収入型に当てはまる人はどうなるという意味ですか?
その労働時間の規制から外れて、要するに、成果給になるということですね。
こうなったらもういいんじゃないかなって気になりますね。
そうですよね。
ところが、ところが今回、もう1案付け加わったんです。
こちらの案なんです。
こちらの案が付け加えられまして、こちらもひと言で言いますと、年収要件が入っていませんので、もしこれが入ったとしたら、今までの人よりも適用対象がかなり広がる可能性がある。
ただ、歯止めとしてはここにありますように、本人の同意はもちろんですけども、労使の合意が必要であると。
つまり組合もちゃんと同意してないとだめですよということで、歯止めはかかっているんですけれども、これは厚生労働省などにいわせますと、どうしても労使の関係でいくと、いくら労使の合意が、組合側の合意が前提といっても、労使の関係でいくと、使用者側、つまり経営者側の立場のほうが、どうしても強くなりがちなので、どこまで本人の意向とか、組合の同意というのが、どこまで本当に配慮されるのかっていうのは大変不透明なものがあると。
こちら側が加わったことで、もう、残業代なしになっちゃう人々が一気に増える可能性があるんですね?
実はこれは、あくまで労使の合意なので、まあ組合が、まずないところもかなりありますよね。
ですから、当面はやはりきちっと組合があってといったようなところが対象になってくるので。
ですから2つ、補足することがあるんですが。
1つはですね、もうすでに労使の合意ということを条件にして、いろいろ労働法を規制緩和するっていうことは、いろんな場面で行われているんですけれども、それこそ残業、きょう出てきている、日本人はとにかく労働時間が長いという話があるんですけれども、過労死をしてもおかしくないような労働時間を労使合意で、しかたないというふうに認めてしまってる企業、すごく多いんですね。
中には、80時間が過労死ラインなのに、200時間も、300時間も認めてしまっているというような、こういう大企業、あるぐらいなんです。
そのぐらい、労使合意っていうのが、内実がないわけです。
ですから、大体どんなことでも通ってしまうというのが、これはもうずっとそうなんです。
だから、それを挟めば大丈夫ですよっていうのは、かなり非現実的。
それは先ほど先生がおっしゃったみたいに、なんでしたっけ?基準監督局ですか?そこがちゃんとすれば。
そうですね。
そこが、さらにもう少し補足しないといけないんですが。
その前にちょっと先に言った2つ。
もう一つは。
それおかしいので、これとはまた違う問題のような気がするんですけど。
ちょっとですね、別の意味で補足させたいんですけど。
どんどん補足が補足を呼んで、話が見えなくなってきた。
これをお願いします。
労使合意だけで決めるんじゃなくて、国が対象者の範囲の目安を示すわけです。
国は当然、チェックするわけです。
だから今野さんが対応しているブラック企業のような例えば外食産業とか、そんなものは、そんなものっていうか、そういうところで働いている人は、基本的にお客サービスですから、自分の裁量で労働時間を決められないわけですよね。
そういう人は基本的に対象外になるんです。
非常に問題なのは、すみません、補足しようと思ったところなんですが、今回、具体例として挙げられているのが、営業職なんですね。
営業職というのは、ものすごく幅広くて、かつ今でも非常に長時間残業が問題になっている。
例えば、最近きている労働相談。
こういうのがあるんですね。
営業ノルマがあって、それを達成するためには、何時まで働いてもいいよという仕組みになっている。
全然残業代出ないわけです。
そうするとみんな、必死になって営業成績上げようと思って、帰れない。
ほかの人ももっとほかの人より多く成績上げたいから、結局エンドレスでみんな競争している。
こういうことが営業なんていうのは、まさに典型的に行われてきた。
でもこれは今までだったら、違法なんですよ。
それはやっぱり働かせすぎてはいけませんから、残業代を出しなさいと言えば、これはさっきから出ているように労基署が動けるんですね。
ところが今度の法律が通ってしまうと、労基署がそれを取り締まれなくなってしまうんです。
それは全く間違いでして。
納得しかけたのに。
Aタイプというのが今まさに議論されているものなんですが。
Aタイプというのはどちらですか?
こちらですね。
こちらはちゃんと、国が示す労働時間の制限というのを前提にしてこういうことを考えるわけで、それがないとおっしゃったようなことになるわけで。
すみません。
ちょっとここで、視聴者の方からの声をご紹介させてください。
時間や労力を使って頑張っても成果が出ない場合はどうするのでしょうか。
千葉県の20代の女性からきています。
一方でIT業界では昔から成果主義なので、何を今さらという気になる。
自分も残業が毎月80時間を超えるけど、残業代なんて一円も出ません。
それは違法ですね。
違法ですね。
東京都の30代の女性からは研究職です。
短期の成果を求められることが多くなり、休日出勤が増えています。
優秀な人以外は、長時間労働をしないと、成果を上げるのは難しいと思います。
その成果が、誰でもどんどん上げられるとはかぎらない、そういう人はどうするんだというご指摘について、ちょっとしばらくお話させてください。
まさにですね、だからこそ、労働時間の上限を決めることが大事なんですね。
今は日本の労働法では労働時間の規制っていうのはないんです。
残業手当を…。
さっきなんか言ってませんでした?週40時間。
それは労使が合意すれば外せるんですね、特別な場合。
だから、ある種青天井なんです。
それが問題なんです。
それはもう、今野さんと同じ意見でですね、だからこそ、グローバルスタンダードである労働時間の上限を決めたうえで。
すみません、これですよね。
現在ある労働時間の規制は、法的労働時間は1日8時間。
法定労働時間。
法定労働時間は1日8時間、週40時間までと決まっているけれどもそれは?どうするんですか?
これがね、これが要するに36協定というのを、労使の間で結びますと、これを超えて働けるんです。
問題なのは、この36協定で、じゃあ、どこまで結べるのかというと、これは結局ね、結果的に、事実上、青天井なんですよ。
それをすみません、変えるのが今回の法律の役割なわけで。
でも今回の法律は、成果給にしましょうということだけじゃないってことですか?
まずですね、今までもらってた残業の代わりに、時間に比例した残業代の代わりに、当然定額残業代は出るわけです。
これは電機労連でもそうしています。
つまり、管理職と同じなんですね。
つまり管理職と同じなんですね。
管理職は出ますから、それがだから年収の3割近いものが。
残業代がなくなるとおっしゃったのに。
まさにブラック企業の手口で、あなたは30時間分の残業手当がありますよといって、それを基本給に含めて、そして、そもそも基本給は30時間、あるいは50時間、ひどいと100時間残業して、初めて基本給で18万円ですよと。
それは違法なんですよ。
違法ではないです。
合法なんです。
待ってください、現状をどう見るかっていう議論に行かずに、ちょっとすみません。
さっきの寄せられた疑問にちょっと答えていただきたいんですけど。
弱い人をどうするかっていう話で、労働時間をもっとちゃんと規制しなきゃいけないじゃないかと、今、おっしゃってましたよね。
それを今、36協定というもので、経営側と組合側が合意すれば、青天井にできてしまう現状が問題だと。
じゃあ、どう変えるか、どう変えようとしていて、あるいは、それが今のままでいいかどうかという話をお願いします。
だからそれは、出てる話っていうのは、残業代は一切払わないようにすると。
その代わりに、上限規制設けるといっているんですが、関係なくて、残業代が出たうえで上限規制も必要なんですよ。
普通に考えると。
で、さらに言うと、上限規制さえしていれば、サービス残業の問題、生じないってみんな言うんだけれども、今すでにサービス残業というのは刑事罰付きで違法なんです。
これが全然守られていないわけですよね。
そもそも、刑事罰だけで国家が社会全体を統制していくっていうのは、これはかなり難しいことなんです。
一人一人しょっ引くってできますかっていったときに、全然できないんですね。
道路交通法と一緒です。
ですから、そういうときに今何が一番労働時間を規制する武器になっているかというと、残業代だけなんです。
これは国が無理やり払わせるという形ではなくて、自分で最後辞めるときとかに請求できるんですね。
これがものすごく今、重要な規制の方法になっていて、仮に残業代の請求ができなくて、その代わり国が取り締まりますよといっても、国がろくに取り締まらないということを今の状態と同じ。
あるいはもうちょっと強化したとしても、たぶんほとんど防げないです。
という状況のままでは残業代すら、結局、請求できないというふうになってしまうだけなんじゃないか。
だから今すでに、こういう問題があるんですよね。
今野さんが言われたように。
だからこの報告書でも、まず第一に書いているのは、きちっとした監督行政をやれということを言っているわけで、その前提でこういう改革をやるわけなんですね。
それが一番大事なことですね。
だから、ブラック企業がいるから、改革してはいけないというのは全然これは、議論がすれ違っているわけでありまして、まず今を変えなきゃいけない。
で、われわれはちゃんと、基準監督署を強化する案があるわけですよ。
それはなぜかというとですね、監督官を増やすのが一番大事なんですよね。
だけど、公務員はそう簡単に増やせない。
だったらスクラップ・アンド・ビルトですね、例えばハローワークというような職業紹介、これは国家公務員が窓口業務をやってるんですよね。
こんなことは民間で十分できるんです。
問題は労働警察である基準監督署は公務員でしかできない。
だから、公務員にしかできない仕事にもっと集中して、人材を移しましょうという、こういう提案もしてるわけです。
ちょっと監督官増やしたからといって。
ちょっと基本に立場戻りたいんですけど、結局、成果給になった場合、成果が上げられないと、給料は上がったり、上がらなかったりするんですか?
ですよね?
そこは例えば。
だから給料は、成果が上がらない人は下がると思ったほうがいいんですか?上がると思っていいですか?
それは上がるわけないですよね、基本的に。
じゃあ、林家さんにお聞きしたいんですが、林家さんのお仕事でものすごくおもしろくない落語をやってた人はどうなるんですか?基本的に。
それは私に、すごく酷な質問だと思うんですが。
ですから、そういうプロフェッショナルな人は、当然、成果給で働くわけですよね。
サラリーマンであって、これからはやっぱり指揮命令に従って働く、工場労働者の人たち、あるいはセクレターの人たちは今までどおりきちっと残業代を払う仕組みのままでいる。
ただ管理職ではないけれども、自分の判断で働くプロフェッショナル的なサラリーマンはまさに成果で働くということが、はるかに合意的なんですね。
でも、なんか。
ですから、全然そう見えてないんです。
だから私も含めて、多くの専門家の間でも、これ、どこまで広がるのか、全然見えませんよということが、非常に大きな懸念になってるわけですね。
さらに言うと、仮にそれがプロフェッショナルなところにある程度限定されたとしても、そういう業界では労働時間、日本は長いわけですよ。
それなんでかというと、それこそ今回の政府の審議会の議論でも出ているように、今回、こういう規制を外せば、仕事が、つまりさっきから出てる業績設定ですとかね、ノルマみたいなものが、うまく会社との間に話し合われて、それさえクリアしたらすぐに帰れるよと。
つまりワークライフバランスに資する目標設定がはっきりするわけだから、早く終わって、早く終わったら帰れますよという話になってるんですが、順番が逆で、そもそもそれができないから、ものすごいノルマが来ちゃったりとか、目標設定がきつ過ぎてみんな帰れないのに、規制を外すとそれが突然うまくできるという言い方になっているんですね。
なぜ残業代を払わないっていう話になるの、突然企業が良心的な目標設定をし始めるのか、全然分からないんですね。
ごめんなさい、ひと言だけ。
それは残業代をもらったほうが、今の労働者にとってメリットがあるからであってね、だからそういう意味で、残業代のほしい労働者と、帰らなきゃいけない労働者の利害が対立しているわけですよ。
ですからそこをもっと今より改善できるわけです。
どっちかっていうとだらだら残業をできる人っていうのは、そもそもかなり恵まれた人だと思うんですね。
もしかしたら、それはいるかもしれないけど、相当、たぶん、私から見ると、ものすごく少ない人たち。
今、大半の人は困っているわけですよ。
分かりました。
今野さんは基本的に今の日本の現状からしたら、成果給なんか入れちゃだめだとおっしゃってるわけですね。
入れちゃだめだというよりも、みんなどこでも導入しているし、さらにいうと、導入する方法なんて、いくらでもあるんですね。
だけどその成果給自体は、すでにひどいものなんです。
成果給事態がいいものかどうなのかというところで、お2人の議論が分かれていると思ったほうがいいんですね。
そうですね。
今の成果給がいいとはいいませんが、それを直していかなければ、日本経済はもたないんですよね。
なぜ規制を外すと直るのか。
私は逆で、むしろ労働時間規制、つまり残業代の規制はもっと強化したほうが、企業はこの時間の中でどれだけできるのかということを、シビアに考えなきゃいけなくなると思うんですね。
ちょっとね、ちょっと議論を整理すると、2つあるんですよ。
この問題。
要するに残業代をどうするのかっていうお金の話と、それから長時間労働を、どうきちっと管理するのか、抑えるのかと、時間の話ですね。
どうしてもこの話は、どうしても議論していくうちにどうしても、いっしょくたんになってしまうので、話がこんがらがってくるんですけど。
ですから、基本的には、やはりまず残業代っていうのは、今、成果に応じて払うようにする。
だけど、その成果に応じて払ったほうがいい人と、そうじゃない、時間に応じてやっぱり払ったほうがいい人、やっぱりそれはあるわけで、どれだけこれをしゅん別するかというのが問題なんですね。
じゃあ、時間はどうなのか。
時間をどうするのかっていうと、とにかく客観的な条件として、環境として、日本は今こんなに働きすぎなんですよ。
日本人は。
これが週50時間以上働いている人の割合ですね。
これが日本はこんなにいるんですよ。
ヨーロッパのこういったところとか比べると、全然多いですよね。
ですから、しかもこれがどうなってるのかっていうと、例えば過労死につながってしまったり、心の病の背景になったりするわけです。
ですから、やっぱりこれを抑えなきゃいけない。
確かに時間、労働時間が少しでも短くなって、早く家に帰れるのはいいことですし、それからやる気がある人がやる気を認められるのも、間違いなくいいことですよね。
じゃあ、その成果給を入れるとしたら、じゃあ、どういうことが必要なのかを考えていきながら、何を正さなきゃいけないのかも見えてきたらいいと思うので、ちょっとこんなアンケートの結果、ご紹介させてください。
成果給で、職場はよくなると思いますか、悪くなると思いますかというアンケートを実施したところ、悪くなるとお答えになった方が69%。
よくなる31%をはるかに上回りました。
どうしてなのかですよね。
それをこちらにまとめました。
お願いします。
なぜ悪くなると思うかというところに、何かヒントがあるかもしれませんので、ご紹介します。
こちらからです。
東京都30代の女性。
分かりますね、こういうこと。
イメージとして分かるなぁ。
そもそも成果給の成果のところに時間が入ってるんじゃないかっていう話。
それはそうかもしれない。
タコツボ化?
これはどういう意味ですかね。
自分の仕事だけやるっていうことですね。
自分の領域だけの仕事しかやらない。
そうすると、ちょっと気を利かせるとか、ちょっとよけいなこともやっといてあげようみたいなことが、なくなっていくという意味ですか。
ですからね、この日本のみんなでチームワークでやるっていうのから生まれたのが、私は、おもてなしの。
アクションいるんでしょうか?
これにつながってると思うんですよ。
要するに、タコツボ化するんじゃなくて、自分の領域を越えて、お客さんに喜んでもらうためには、自分はさらに自分の領域を越えて、その隙間になっているところを含めてどうやって埋めていくか、配慮していくかっていうことを、気遣っていくわけですよね。
さらにいうと、そもそも個人の評価できないんですよ。
チームとしてね。
結局そもそも評価できないから、結局、チームを運営しているリーダーから、お前の貢献度が低いとか高いということが、大ざっぱに評価されて、そこで例えば、そりの合わない部下に対して、こいつのノルマ2倍にしようとか、不得意なことでもやれってことも、こういうことも中には起きてくる。
なんか確かにこちらにも結構来てます。
これはなかなか鋭いですね。
こういう現状を変えるために、制度改革が必要なんですよ。
また同じ話になっちゃうんですが、なぜ残業代規制なくなって、逆に企業に対して緩くなってくると、なぜ突然、良心的な設定ができるようになるのか。
だから、そんなことはないんですよ。
残業代、残業代規制じゃなくて、直接労働時間規制、これが先進国のやり方なんですね。
それに変えていくわけ。
今は貧しいときの時代で、お金さえあればいいでしょというやり方なんですね。
ただ、ロジックとして分かるんですけど、八代さん、労働現場のことをもう少し具体的に言うと、監督署がいくら人数が仮に今の5倍になったとしても、それは全部のところのサービス残業、取り締まって、一人一人立件していくなんてことはできないわけです。
そうすると、結局、自分で請求できるかどうか。
自分が請求できる残業代の…。
お2人は、ずっと現状をどうするか、どう見るかってところで、戦っておられて。
目標は2人とも一緒なんですよね。
もう一つ現実の話で言うとですね、例えばこれは、じゃあどうするのかっていう話があるんですが、今だっていろんなことができて、短時間正社員、つまり時間を短くして、その中で仕事をしてですね、評価しようと、こういうことは別に今すぐでも、企業は導入できる、なんの法律上の制約もないんです。
あるいはフレックスタイム制というのがあります。
これ、何かというと、働く人が自分で自由に時間を選んで働ける。
必要なときにはちょっと長く働くということも含めて、可能なんですね。
それに関しては、ブラック企業もちゃんと時間守ってくれそうですか?
これはまさに法律上の制度として導入した場合には。
そういう場合には、ちゃんと法律が守られる?
守られないです。
これはやりながら違法なことをしてくる企業ももちろんあるんです。
だけれど、こういうのをしっかりと今、導入、運用することのために、規制緩和は必要なくて、今すぐでも実はできる。
この視点も無視されているんですね。
一緒にやればいいじゃないですか。
逆に言うと、こういう仕組みがあるのに、さっきから出ているような、まともな成果給が広がらないのか、悪いことをする企業がなぜ多いのか。
それはもともと悪意ある企業があるのもそうだし、あるいは仕組みとして今、導入すると悪い方向に流れていくような現実があるんですね。
だからこういう仕組みはもう整っているのに進んでいかないわけです。
お2人が一致しているところは、ちゃんと監督するところがしっかりしないとだめですよっていうところは、お2人共通ですよね。
そしてもう一つ、たぶん、これは全員同意してもらえると思うんですけど、いい上司がいないとだめだというところがありませんか?いい上司はどうやって育てたらいいんですか。
これ、経営の問題なんです。
マネージメントの問題なんです。
つまりもともと残業しないと、仕事が終わらないなんていうのは、それはそもそも、所定労働時間で終わらない仕事を割り振っているという、もともとのマネージメントが全然できてない。
おっしゃるとおりです。
だから問題は成果給を管理職にまず導入することなんですよ。
これまでうまくいかなかったのは、平の人に導入して、管理職は遊んでたわけで、管理職というのは一つの職種なんですよ。
単に年を取ったらなれるものではないんですよ。
それをきちっと、まず管理職にやる。
だけど、営業職を管理するのも管理職ですから。
じゃあ、あれはそういうふうに明記されていればいいんですけど、書かれていないと思うんですね。
これですね。
だからつまり、例えばこれを管理職って呼べばいいことなんですか?
しかもそうなんです、管理職って、どこまで誰が管理職なのか。
さっき言った、店舗の店長が、ほとんど自分で業績設定、目標設定なんてできないのに、1人2店舗やれといったらやるしかないような人が、あなた会社の幹部だからといわれてる現実の中で。
それは違法なんですよ。
年収はおよそ1000万円以上と、ホワイトカラー・エグザンプションの考えにすれば、年収1000万円以上の店長さんはっていうことにすればいいんですか?
1000万円以上の店長さんは。
さらに…。
1000万稼いだところで、ばたって倒れたら不幸せなのでは?
だから、確かに上限規制を設けるっていう話でバランスは取れるというんですが、上限規制を破った企業を、じゃあ、誰がどうやって取り締まるのか。
そのときに残業代も請求できないんじゃどうにもならないじゃないか。
入社するときに、例えば私はこっちのタイプにしてください。
私はこういうふうな時間にしてくださいとか、給金にしてくださいっていう条件っていうのは、できないものなんでしょうか。
人生のいろいろなステージにおいて選べたらいいですよね。
成果給にするかどうかということだけじゃなくて、やっぱり、まず今、これまでの話でも分かっているように、やっぱり労働時間をどう抑え、長時間労働をどう抑え込むのかという観点で行けば、こういったやっぱり考えなきゃいけないんです。
それからですね、ぜひ言っておきたいことは、なんとなく皆さんの議論を聞いてるとですね、労働者を長く働かせれば、企業の得、労働者の損という、…で考えられておられるんですけれども、今の日本の最大の問題点は、非常に生産性が低いわけで、これは労働時間が長いということでもあるんですね。
これ、どう見るグループなんですか?
1人。
1時間当たりの生産性を。
これだけ経済的価値を生んでいるか。
もうちょっとちゃんと見せてください。
それはですね、ですから、日本人は労働時間が長いから時間当たりの生産性は非常に低いわけなんですね。
実は正しくて、僕からするとですね、それはさっき言ったように無理なノルマを課せば、法律にろくに規制されずに、そしてこれからはサービス残業もOKになっていくわけですから、より強化された形で、むちゃな営業ができちゃう、そうすると会社自体が努力しなくなるんですね。
つまり限られた時間で残業代が高くついてくるよとなれば、この限られた時間で営業して、そして利益が出る、生産性が高い店舗を残していく、あるいはそういう店舗を増やそうとなるのに、今とりあえずここに出してしまおう。
売り上げが出るかどうかは分からないけど、とりあえずこいつにさらにもう1店舗やらせれば、限界まで超えてやらせれば、そうすればもうちょっと利益が出るかもしれない。
こういうことが、どんどんどんできてしまう現実があるわけで、さらにこの制度で、それが加速されるんじゃないか、つまり、これがもっと下がっていくんじゃないかというふうに私からは見えるんですね。
それを防ぐための規制なんですよ。
規制の実行化のためにはちゃんと。
なぜ緩和をすると、規制を緩和すると、規制の実効性が高まるというふうになるのか。
そこの因果関係が説明できないじゃないですか。
国会で規制を緩和するなんてひと言も言ってません。
規制を組み換えるんですよ。
今の金さえ払えばいいって規制を、金を払ってもだめなんだ、今の上限を決めなきゃいけないという、より厳しい規制に変えるんですよ。
ちょうどその話、中断してたんですけど、要するに労働時間の条件って、先ほど説明しましたように、事実上、今の労働法制の下では、36協定さえ結べば、青天井で、上限がないにひとしい。
きちっと、これ、ヨーロッパ諸国でも行われているところあるんですけども、本当に法律で例えば月間の残業時間とか、そういう長さ、本当に法律で規制をする。
本当に上限をきっちり強制力を持ってやると。
ちょっと一応最後まで。
それからあとは、ヨーロッパでこの前、インターバル規制、これは1日の仕事が終わって、翌日の仕事が終わるまでに、例えば11時間、間空けなさいと、休息しなさいと。
夜10時まで働いたら、次の日の朝8時までは働いちゃだめですよと。
そうです、そうです。
ですから結局24時間、1日24時間しかありませんから、24から11時間引けば、13時間、どんなに長時間労働やっても13時間でストップですよというのがこの趣旨ですね。
これ、実際に今入れているところがあるわけです、ヨーロッパでは。
さらに、残業代の賃金の割り増し。
これ、日本は残業すると、賃金25%以上の割り増しっていうのが基本なんですけれども、これ安くて、アメリカでも基本50%以上。
そうなんですか。
ヨーロッパの国の中では、75%っていうところもあるぐらいで。
つまり。
そんだけ残業代が高くなったら、企業もあんまり残業してもらいたくないですね。
そう、だから残業させると、企業にとって割に合いませんよとする一つの方策なんですよ。
ですから、こういったことを、まず今の制度の下でもきちっと考えられることとして、まず私は、緊急に考えるべき対象だと。
今現在、なんでしたっけ、新労働時間制度、これには今、竹田さんが言ったような、長時間労働の対策は組み込まれようとしてるんでしょうか。
今の産業競争力会議の中で出ている案には、これは入ってません。
入ってない?
その3つとも入ってないんですか。
具体的に入ってないですけど、そういう労働時間規制をしなきゃいけないということは冒頭に入っているわけです。
だから私はこの労働時間、長すぎる労働時間との…、公害だと思うんですよ、社会的公害。
ちょうど自動車の排気ガス規制をやるように一時的に企業の…これはやるべきで、それは結局、日本企業の競争力を高めるための基本になるわけで。
もう一つ言っておくと、冒頭に入っている、労働基準監督署の強化、ずっとおっしゃっているんですが、具体的には情報開示とかそういうことしか書いてないんです。
いやそれは、そんなんじゃ当然足らないのは分かっているわけで。
ちょっとここで、ツイッターのご意見ご紹介させてください。
仕事が個人主義になりそうですよね。
チームワークも取りづらくなりそう。
成果主義がそもそも日本人にはあまりなじまないのでは。
労働実態は多様化している。
それに対応できる法の整備を図ることが重要だと思う。
強制的に2か月、バカンスを取らせるようにすれば、もうちょっと仕事の効率、考えるようになるかも。
それはどうですか?分かんない。
欧米型ですよね、バカンス。
ヨーロッパなんかは本当にそうですよね。
成果主義の会社と時間主義の会社があって、労働者が選べるようにしたらいい。
それはそうだと思う。
選べればいいと思うんですけどね。
2014/05/17(土) 08:15〜09:30
NHK総合1・神戸
週刊 ニュース深読み「新たな“労働時間制度”あなたの給料は?働き方は?」[字]

政府は、労働時間の規制を外し、給料を労働時間でなく成果で決める新たな「労働時間制度」を検討している。給料はどうなるのか?長時間労働は減るのか?深読みする。

詳細情報
番組内容
先月、政府は新たな「労働時間制度」についての検討を始めた。仕事の報酬を「労働時間」ではなく「成果」により決めることで、自由な時間に働けるようになり、子育てや介護などの事情に合わせた「多様な働き方」ができるようになるという。しかし、労働時間の規制が外れることで長時間労働を助長するとの不安も。仕事を“成果”で評価することはできるか?長時間労働は減らせるか?これからの「新しい働き方」について深読みする。
出演者
【ゲスト】林家正蔵,宮崎美子,【解説】国際基督教大学客員教授…八代尚宏,NPO法人POSSE代表…今野晴貴,【キャスター】小野文惠,高井正智,【リポーター】中山準之助,【気象キャスター】南利幸

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