137億年の物語【天が二物を与えた、ダ・ヴィンチの物語 後編】 2014.05.17

今日の物語は…。
主人公は今回も彼が残した有名な絵画や画期的な研究。
それを経済的に支援したのはその時その時の権力者でした。
そして彼のそばにはいつもライバルがいました。
ライバル。
2人は事あるごとに対立していました。
そして。
宿命のライバルミケランジェロとの間に大きな問題が起きたんです。
大家さん。
ん?レオナルド・ダ・ヴィンチについて更にご説明することがあってお招きしました。
珍しいわね。
でも万能の天才レオナルドについてもっと話聞きたいわ。
相内君。
はい!イタリア土産のお菓子をお出ししなさい。
わかりました。
相内さん。
いいわねあなたあちらこちら行けて。
はあ。
でも費用がかかるでしょ。
それにこういうの作るのにもお金がかかりそうね。
そうなんですよ。
歴史の研究にはたいへんお金がかかるんです。
ですから…。
だから何?え?え?え?いえ何でもありません。
さてダ・ヴィンチの晩年の自画像がこちらです。
確かに歳はとってるけどこのまなざしや口元から知性の深さがうかがえるわね。
ダ・ヴィンチはすばらしい絵画の他さまざまな発明・発見を自身のメモやスケッチでおよそ8,000点以上も残したんですよ。
さて大家さん。
最近ものすごい値がついたこちらの作品をご覧ください。
ダ・ヴィンチがキリストを描いたとされる2011年にニューヨークで発見され大ニュースとなりました。
では大家さん。
この絵いくらだと?あっでもほら20年くらい前だったかしら。
日本の大会社の社長さんがゴッホの絵をたしか当時…124億円くらいで買ったっていうから150億円は楽に超えるんじゃない?いい線いってますね。
およそ160億円だというのです。
まあ。
大家さん勘がいいですね。
ああただ者では…。
(2人)ないないと。
さて大家さん続いてはこちら。
『美しき姫君』という作品です。
はい。
2007年カナダの美術コレクターがこの作品をルネサンス時代の無名画家の作品ということでおよそ250万円で買い取ったんですがその後ダ・ヴィンチの作品ではないかという可能性が出てきたんです。
え〜!とするとこれ本物だったら?美術鑑定家によると130お…。
130億円?ピタリ賞。
やはりただ者では…。
(2人)ないないと。
いやでもねそこまで聞くとさこれ250万円のときだったら思わずポーンと買っちゃいそう。
相内君。
はい。
大家さんはきっとお金持ちなんだ。
お金持ちに違いない。
家賃の滞納なんか気にしないに違いない!だからそれは別。
ねえそれよりもレオナルドのお話もっともっと聞かせてよ。
大家さんのお望みならば喜んで。
レオナルド・ダ・ヴィンチの物語を話しましょう。
ルネサンスを代表する芸術家彼は『モナ・リザ』や『最後の晩餐』など有名な絵画の他にたくさんのメモやスケッチを残しました。
動物や植物から人体の解剖図発明品の設計までその数は8,000枚を超えるといいます。
文系と理系どちらの分野でも才能を発揮したことからダ・ヴィンチは万能の天才と呼ばれているのです。
しかしフィレンツェでの修業時代や30歳でミラノに移り住んだ頃も収入はあまりなかったといいます。
膨大な時間と費用をかけた創作活動と研究。
いったいなぜそんなことが可能だったのでしょう?博士が詳しく解説してくれます。
博士特製のレオナルド・ダ・ヴィンチ年表です。
彼の人生とともにスポンサーやライバルの存在が見えてきます。
ではまず彼の作品を見てください。
『受胎告知』『最後の晩餐』『モナ・リザ』どれも有名な作品ばかりですね。
彼はどの作品も丁寧に時間をかけて描いていた。
ですからそこにかかるお金を援助してくれるパトロンがどうしても必要だったんです。
パトロンって日本では銀座のクラブのチーママに入れあげる社長さんのこともそう言ったりするけど。
まぁまぁそうですけどもねこの場合は芸術家や学者その活動を支える大切な方々のことです。
ダ・ヴィンチは時の権力者をパトロンにしながら自分の世界を創り上げていきました。
そして彼のそばにはパトロンとともにいつもライバルがいました。
ライバル。
そのライバルとは!はい!ルネサンスの巨匠ミケランジェロです。
彼はダ・ヴィンチよりも23歳年下でした。
ダ・ヴィンチは絵のほうがミケランジェロは彫刻のほうが芸術としてより価値があると思っていた。
ファッションも真逆。
ダ・ヴィンチは派手ミケランジェロはたいへん地味でした。
それからダ・ヴィンチは穏やかな性格でしたがミケランジェロは激しい性格だったと言われています。
確かにレオナルドのほうが穏やかそうに見えるわ。
うん。
ルネサンスを代表するもう1人の巨匠彫刻絵画建築と多くの分野で活躍した人物で代表作ダヴィデ像は最も有名な彫刻作品といわれています。
ダ・ヴィンチとは23も歳が離れていましたが誰もがライバルと考えていました。
実は大家さん2人には同じパトロンがいたんです。
あらじゃフィレンツェ時代のパトロンは?はいメディチ家です。
メディチ家はルネサンス発祥の地フィレンツェの大富豪にして支配者でした。
そして数多くの芸術家たちのパトロンでもあったんです。
レオナルドとミケランジェロの面倒見てたなんて桁外れのお金持ちだったんでしょうね。
ええそれはもう。
まっこういったお金持ちの方々の経済的な援助があってこそすばらしい作品や研究につながって…ああいくのです。
んんですから…。
え…。
そしてダ・ヴィンチは30歳のとき創作の場をフィレンツェからミラノに移します。
ここではダ・ヴィンチのパトロンはミラノ公爵でした。
そしてミラノで超大作『最後の晩餐』を完成させています。
ダ・ヴィンチはキリストの弟子たちの深層心理まで引き出そうと絵の構図や一つひとつの表情を何度も何度もスケッチしました。
そのスケッチが今もミラノに残されていました。
手がかかってるぶんドラマチックな作品になってるのね。
彼の人間をありのままに描こうとする努力や姿勢。
これこそがルネサンスの理想なんです。
ダ・ヴィンチが30歳のときに移り住んだミラノです。
アンブロジアーナ図書館にやってきました。
ダ・ヴィンチの手がかりを探しに行きます。
およそ400年前に公開されたこの図書館にはこれは現在でもよく見る形の大砲。
先からは火花とともに砲弾が飛び散っています。
当時のイタリアは小さな国がたくさんあって戦を繰り返していました。
ミラノは都市国家のひとつでミラノ公爵が支配していました。
ダ・ヴィンチは生活や芸術の援助をしてもらう見返りにミラノ公爵のために武器の開発をしたのです。
そのひとつがこちら。
スケッチには4つの車輪が描かれていてクランクを回すと車輪が動く仕掛けになっています。
周りを木の板で囲いぐるりと大砲を配置すると実はこれ戦車なんです。
前進しながら360度すべての方角を攻撃できるのです。
更にすごいのがこちら水の中。
この時代にすでに潜水器具を考えていたのです。
これは敵の船の底に爆薬を仕掛けるために考え出したもの。
オスマン帝国の侵略を想定していました。
さて1499年ダ・ヴィンチの創作人生に波乱が起こります。
フランス軍がミラノを占領して当時ダ・ヴィンチのパトロンだったミラノ公爵は失脚してしまうんです。
あらじゃあレオナルドはどうなったの?その後彼は15年間マントヴァヴェネツィアフィレンツェミラノと転々と移動しパトロンを変えていきました。
うまいといえばうまく生きてたのね。
ほんとうらやましい。
この頃からフランスで亡くなるまでの間が彼の晩年時代です。
さて宿命のライバルミケランジェロとの間に大きな問題が起きたんです。
何?何?ミケランジェロが彫刻ダヴィデ像を完成させたとき本人は屋外で最も目立つ場所に置けと言ったがダ・ヴィンチは屋内に置くべきだと主張しました。
こちらがそのダヴィデ像。
ミケランジェロの代表作です。
この像の設置場所をめぐってライバルが火花を散らした様子が映画に描かれています。
設置場所を決める会議は大もめにもめていました。
ダ・ヴィンチが意見を求められたときそこにミケランジェロがやってきます。
で?で?どっちになったの?屋外の市庁舎前です。
後に劣化が激しく問題になりました。
レオナルドの言うとおりにしておけばよかったのにね。
また同じ頃2人が同じ宮殿の向かい合った壁に絵を描くことになったんです。
修羅場になったんじゃ?えぇ彼らはかなり闘争心を燃やしました。
でもダ・ヴィンチの使った特殊な絵の具が流れ落ちてしまい結局完成できなかったんです。
じゃあレオナルドの負けってこと?いやミケランジェロもローマ教皇の墓を作るためにローマへ行ってしまったので結局完成できずじまいでした。
どっちも未完成じゃ勝負は引き分けね。
はい。
ミケランジェロともめてる最中に描き始めたのが『モナ・リザ』です。
モデルについては諸説ありますが今最も有力なのはフィレンツェの裕福な商人の妻リザ・ゲラルディーニという説です。
ダ・ヴィンチは何年にもわたり筆を入れ続け『モナ・リザ』は彼の最高傑作になったんです。
レオナルドとミケランジェロいろいろもめながらもお互いに高めあっていたのかしらね。
そしてダ・ヴィンチはミラノからローマへ赴きローマ教皇をパトロンにしました。
ローマ教皇もパトロンに?えぇ。
その後ダ・ヴィンチはフランスの国王もパトロンにしてアンボワーズに移り住み67年の生涯に幕を閉じました。
パリの南西およそ230キロにあるアンボワーズです。
ダ・ヴィンチは最後のパトロンフランソワ1世に招かれ1516年ここに移り住みました。
こちらがダ・ヴィンチが実際に晩年3年間を過ごした家です。
なんだかお城みたいですよね。
そしてこの家の前には7ヘクタールもの敷地のある庭が広がっています。
広大な庭にはダ・ヴィンチが愛した自然が溢れています。
橋が架かっていてちょっとした川もあるんですね。
奥へ進むと…。
あちらに突如として大きな女性の横顔の絵が現れました。
柳の枝にかけられた絵にはある意味が…。
実はダ・ヴィンチは絵を描く際にたびたび自然からインスピレーションを受けていたそうなんです。
例えばこの髪の毛はその隣にある柳の葉にインスピレーションを受けて描かれたものなんだそうです。
確かにこうなびく感じも髪の毛のようですね。
庭を回ったら建物の中へ。
ダ・ヴィンチが暮らす前この城はフランス国王の別荘として使われていました。
ものすごい豪勢というよりはとても品のいいクラシックな落ち着いた空間が広がってますね。
ダ・ヴィンチはこの家に引っ越してくるときに3枚の絵を持参しました。
そのなかで『洗礼者ヨハネ』の絵はここで完成させました。
光に満ちたこの客間は彼のアトリエでした。
次の間は…。
こちらはダ・ヴィンチお抱えの料理人がここでダ・ヴィンチのために料理を作っていたそうです。
ダ・ヴィンチはいったいどんなものを食べていたのでしょう。
当時の料理を研究しているソザンさんに聞きました。
その料理がこちら。
あ…ちょっと4種類のハーブとミント長ネギなどを卵と練り込んで焼き上げたものです。
おいしくいただけますね。
部屋の中でダ・ヴィンチが残した言葉を見つけました。
ダ・ヴィンチはワインをこよなく愛したといいます。
現在のワインとは少し違うのだそうですが。
あ…香りがちょっと全然普通のワインと違う。
実は当時高価だったスパイスが入っているんです。
お〜っ。
ノドに辛みがパッと広がるような感じでちょっと刺激があります。
フランス王に招かれたダ・ヴィンチはかなり裕福な暮らしをしていたようです。
1519年。
万能の天才は67歳でその生涯を終えました。
アンボワーズ城の片隅で今も静かに眠っています。
ありました。
「レオナルド・ダ・ヴィンチ」の文字と晩年の彼の横顔。
どうしてこの礼拝堂にダ・ヴィンチのお墓があるんですか?お墓の横には白い百合の花が手向けられています。
レオナルド・ダ・ヴィンチは亡くなる寸前まで代表作『モナ・リザ』に筆を入れ続けました。
いまだに完成していない作品ともいわれているのです。
ダ・ヴィンチミケランジェロと並ぶルネサンス三大巨匠の1人ラファエロの『アテネの学堂』です。
大家さんよ〜く見てくださいよ。
なになに?ラファエロが描いたギリシャの哲学者プラトン。
誰かに似ていませんか?あっレオナルド!そうなんです。
ラファエロはダ・ヴィンチとミケランジェロ両方を尊敬していたんです。
ダ・ヴィンチをモデルにプラトン。
ミエランジェロをモデルにヘラクレイトスを描いておりラファエロ自身も右端から2番目に描いています。
ラファエロの穏やかそうな表情すてきね。
私もラファエロなら入れ込んでもいいかな。
まぁ入れ込むといってもまぁラファエロはねもうこの世にはいませんので。
ですからあの…。
何のことかな?フフッ。
《1911年『モナ・リザ』がパリのルーブル美術館から盗まれ世界的なニュースになった。
この容疑者として捕まったのがかの有名なパブロ・ピカソだ。
29歳の彼は友人とともに連行された。
だがすぐに容疑は晴れ釈放されたという。
真犯人は美術館の学芸員。
盗難から2年3か月後作品は無事発見された。
もしピカソが絵画泥棒だったら彼の傑作がこの世に出ることはなかっただろう》それにしても大家さんにパトロンになって研究費の援助をしてくださいって言えなかったな。
ていうかわかってたよなあの人な絶対。
ごまかしてたもんなこうやってなんかこんなこと。
なんだあれ?なんだ?あのごまかし方。
家賃だけでも下げてほしい。
おとな旅あるき旅
2014/05/17(土) 18:00〜18:30
テレビ大阪1
137億年の物語【天が二物を与えた、ダ・ヴィンチの物語 後編】[字]

今回の主人公は「レオナルド・ダ・ヴィンチ」。宇宙が始まってから現在までの歴史を描きます。池上彰の監修で、寺脇博士と相棒の相内助手がドラマ仕立てで解説。

詳細情報
番組内容
ルネサンス時代に活躍した万能の天才、レオナルド・ダ・ヴィンチには大切な存在がありました。ひとつはルネサンス最大の権力者、メディチ家。多くの芸術家を支えたパトロンでした。そしてライバルの天才彫刻家、ミケランジェロ。ダ・ヴィンチとミケランジェロはフィレンツェを舞台にしのぎを削り、ルネサンスの芸術を高めていきます。今回は、ダ・ヴィンチの生涯を宿命のライバルの存在からひもときます。
この番組は…
話題のベストセラー本「137億年の物語」を映像化。「137億年前に宇宙が始まってから今日までの全歴史」という壮大なテーマを紐解く。
寺脇康文が扮するちょっと変わり者の寺脇博士が模型やイラストなどを駆使して、わかりやすく歴史を解説。世界史が大好きな大家の宮崎美子、世界中の歴史現場を取材する助手の相内優香。ドラマ仕立ての不思議な歴史報道番組。
出演者
【博士役】
寺脇康文
【研究室の大家役】
宮崎美子
【寺脇博士の相棒・助手役】
相内優香(テレビ東京アナウンサー)
【著者】
クリストファー・ロイド
監修
池上彰
ホームページ

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ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
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