地球ドラマチック「植物“生き残り大作戦”」 2014.05.17

キノコのようなものが並ぶ風変わりな世界。
口のようなものが開いたり閉じたりしています。
実はこれは私たちのすぐ身近に存在する植物の姿です。
最先端の電子顕微鏡で植物の一部を拡大した映像です。
最新の技術によって撮影に成功しました。
葉脈の中を進んでいく樹液。
飛び出す種。
身近な存在なのにあまり知られていない植物の本当の姿をのぞいてみましょう。
地球上のあらゆる場所に植物は生育しています。
火山地帯。
砂漠地帯。
川の河口。
寒冷地帯。
そして都会まで。
植物は動く事ができません。
代わりにさまざまな生殖方法を編み出し過酷な場所でも根を張れるよう進化を重ねてきました。
およそ4億6,000万年前植物が陸上に登場し始めた頃の地球はこの場所のように酸性で高温の温泉に覆われていました。
過酷な熱さにもかかわらず植物が育っています。
大抵どの温泉の周りにもさまざまな草が生えています。
高温に耐えて生育している草の中にはとてもユニークなものがあります。
その一つがダイカンテリウムです。
こちらです。
葉っぱの先端が紫がかっています。
ダイカンテリウムの根には菌類が生息しています。
この植物は根に生息する菌類の力を借りる事で高温に耐えている事が研究によって明らかになりました。
温泉の近くに生育する植物の根は地表をはうように伸びます。
酸素を最大限取り込むためです。
有害物質にさらされても生き延びる事ができます。
植物は太陽の光エネルギーを使って炭水化物を合成します。
これを「光合成」といいます。
藻類は地球に生命が誕生した頃に現れた最初の植物です。
水中で光合成を行います。
温度が下がると藻類は寒さで凍らないように光合成によって炭水化物を生成します。
中には微生物にのみ込まれる事で厳しい寒さから身を守るものもいます。
グリーンランドに近いスピッツベルゲン島では短い夏の間は24時間太陽が沈みません。
雪が解けたむき出しの大地には養分はほとんどありません。
育つ植物は限られ生育する密度もまばらです。
種や土砂がたまる避難所のような場所があれば植物は芽を出し定着します。
これは典型的な場所でチョウノスケソウの仲間が群生しています。
植物は一旦根を張るとそこから生育地を広げようとします。
チョウノスケソウの仲間も同じです。
根づいた場所にしがみつき少しずつじわじわと拡大していくんです。
寒く不毛な大地でも生き延びる鍵はグループを作る事つまり群生する事です。
植物はそうして過酷な環境にも定着してきました。
ここには100年以上生き延びている植物もあります。
植物が群生するのには2つの意味があります。
一つは風や寒さに耐えられるという事。
2つ目は枯れて養分になるという事です。
植物は枯れると土となり次に育つ植物に養分として受け継がれます。
チョウノスケソウの仲間の群生に別の植物が育つ事もあります。
例えばこのシオガマギクの仲間。
シオガマギクの仲間の中にはふわふわの毛で寒さをしのぐものがあります。
細かい毛は断熱材の役割と共に有害な紫外線を遮る役割も果たします。
エーデルワイスの仲間など多くの植物が寒さにじかにさらされる事を避けています。
一方砂漠に生育するサボテンなどの植物もこのテクニックを使って熱から体を守ります。
毛は水をせき止める役割も果たします。
水滴を受け止めやすいようにいかりのような形をしている毛もあります。
毛の形はそれぞれ周囲の環境に完璧に適応しています。
切り立った崖にも植物は生育しています。
(ビシェン)生物の多様性を研究するには実際に生物が生息している場所に行かなければなりません。
たとえそれが危険な場所であったとしてもです。
この辺りは本当に険しいな。
こんな過酷な場所で花を咲かせ実を結んでいる植物があるなんて思いもしませんでした。
この厳しい環境で植物はどのようにして養分を得ているのでしょうか。
高さ100mの崖の斜面に植物が生育しているなんて驚きです。
でも不思議な事ではありません。
真上には鳥の生息地があります。
必要な養分は空から降ってくるわけです。
これは鳥のフンが堆積したものです。
栄養素となる窒素を含みバクテリアや植物コケ地衣類がこの場所で生きていくのを助けます。
地衣類は一部がばらばらになる事で増殖します。
1平方センチメートル広がるのにおよそ50年かかります。
地衣類は藻類と菌類が結び付いた共生体です。
菌類は「水分とミネラルと住みか」を藻類は「エネルギー」をもたらす事でお互いを支え合っています。
養分の乏しい環境で生き抜くために別の解決策を編み出した植物もあります。
ハエトリグサが自生しているのは世界でもアメリカ南東部のノースカロライナ州とサウスカロライナ州の州境だけです。
面積にして40平方キロメートルほどのエリアです。
ハエトリグサは食虫植物の仲間で葉が罠を仕掛けるための特殊な形に進化しています。
食虫植物はおよそ5,000万年前に偶然誕生しました。
植物の進化史上における突然変異です。
栄養の乏しい環境に育つ植物が突然変異によって特有の進化を遂げ昆虫を捕まえられるようになり昆虫から栄養を直接摂取できるようになったんです。
食虫植物には筋肉も神経もありません。
どのようにして昆虫を捕まえるのでしょうか。
ハエトリグサは蓄えた水のエネルギーを利用しています。
水を一気に送り出す事で罠を閉じ再び水を蓄えて罠を仕掛け直します。
葉を閉じるための水は罠のちょうつがいの部分の細胞に蓄えられています。
この小さな毛は罠を作動させる引き金です。
獲物が20秒以内に2回毛に触れると葉が素早く閉じます。
毛を1回だけつついても何も起きません。
また毛は雨が当たっても反応しません。
ハエトリグサの罠は獲物を捕まえる口の役割と共に胃の役割も果たします。
この赤い細胞から酵素を出して獲物をドロドロに溶かすのです。
(エリソン)人間は胃に消化酵素を持っていますよね。
ハエトリグサも酵素を分泌して昆虫を溶かします。
そして昆虫から溶け出した栄養と体液を吸収します。
食虫植物は獲物の肉しか消化しません。
そのためあとには昆虫の外側の部分だけがそのまま残されます。
(エリソン)ハエトリグサが獲物を完全に消化するのには3日から5日かかります。
ハエトリグサの罠は3〜4回獲物を捕らえたあと黒くしなびてしまいます。
食虫植物の多くは沼地に生えています。
(エリソン)モウセンゴケやそれに似た植物は食虫植物の中でも最も原始的なものの一つです。
このようなネバネバした罠からより複雑な罠まで食虫植物は少なくとも5〜6回大きな進化を遂げてきました。
つまりモウセンゴケは原始的な食虫植物でありそこからアジアに生育するウツボカズラやハエトリグサが進化したという事です。
原始的とはいえモウセンゴケのネバネバした罠は非常に効果的です。
強力な粘液が含まれる玉は露のようにきらめき昆虫をひきつけます。
一度くっつくと逃げ出す事はできません。
捕らえられた昆虫は赤い毛から出る酵素によって分解されていきます。

(エリソン)より進化した食虫植物の中に壺のような葉をつける種があります。
さまざまな方法で昆虫をひきつけたり捕らえたり消化したりします。
サラセニアには下を向いた毛が生えています。
昆虫はこの毛を滑るように壺の中に落ち捕らわれます。
サラセニアの袋の内側はきめ細かな蝋のような物質で覆われています。
そのため昆虫は滑り台を滑るように袋の底に落ち消化されるんです。
電子顕微鏡で見るとサラセニアの毛は全て同じ方向を向いています。
昆虫がよじ登って脱出しようとするのを遮るためです。
毛の代わりに小さなタイルのようなものを並べて昆虫を捕まえやすくしているものもあります。
こちらは先端にネバネバしたノリをつけています。
食虫植物は獲物の大きさや種類に合わせてさまざまに進化を遂げてきました。
沼地に生育する食虫植物は500種類以上。
中には水中に生育しているものもあります。
タヌキモの仲間は一見どこにでもある緑色の水草のように見えます。
しかし顕微鏡でのぞいてみると予想外の営みが明らかになります。
タヌキモの仲間は袋状の罠を使って動物性プランクトンを捕まえます。
袋には弁があり1秒の100分の1ほどの速さで閉じます。
捕まえると地上の食虫植物と同じように消化液を出して獲物を溶かし栄養を吸収します。
一方タヌキモの仲間が自分よりも小さい原生動物の力を借りて獲物を分解してもらっているという説もあります。
この説によるとタヌキモの仲間は獲物を与える事で原生動物を養い原生動物はタヌキモの仲間が消化できるように獲物を分解し提供しているといいます。
本当であればミクロの世界での共生関係です。
栄養を吸収したタヌキモの仲間が花を咲かせています。

(エリソン)もし人間がハエトリグサの罠をデザインしたとしたらポンプや滑車やエンジンを駆使した大がかりな装置を考え出す事でしょう。
しかしハエトリグサはごくシンプルに蓄えた水を排出する事で罠を動かします。
そして水を再利用して罠を仕掛け直します。
植物は私たちに多くの事を教えてくれます。
映画などには巨大な人食い植物が出てきますが実際はあんなに大きくなりません。

(悲鳴)
(銃声)
(げっぷ)
(エリソン)樹木の場合樹皮や枝幹など木全体を支える多くの構造物があります。
しかし食虫植物は草であり木ではありません。
もし食虫植物がとてつもなく大きく育ったとしたら自分を支えるだけで精いっぱいで罠を仕掛けるような余力はないでしょう。
生きるために葉を使って昆虫を捕まえる植物もあれば水を捕まえる植物もあります。
木の上に生育するチランジアは雨水から水を得ています。
葉の表面を覆う小さなカップで水を受け止めます。
根を持たないチランジアは根で水を吸い上げる代わりにカップで捕らえた雨水を蓄え必要な水分やミネラルを吸収します。
周囲の環境に適応するための方法です。
一方オジギソウは雨や天敵を避けるために葉を閉じます。
葉が水滴などで刺激されると葉の付け根にある赤く膨れた部分がエアバッグのように反応して葉を閉ざすのです。
植物の葉には葉脈が張り巡らされています。
葉脈の形状は人間の指紋のようにそれぞれ異なります。
エレニ・カティフォリは葉の専門家です。
(カティフォリ)環境や特有の条件が植物の葉脈の形状に影響を及ぼすかどうかを解明したいと考えています。
砂漠から北極圏までさまざまな地域の植物を調べた結果葉脈の形状もさまざまだという事が分かりました。
植物が生育している環境と葉脈の形状に関係があるのかどうかを突き止めたいと思っています。
ニューヨークのセントラル・パークにあるイチョウの木です。
イチョウは地球で最も古くからある植物の一つです。
(カティフォリ)イチョウの葉脈はとても原始的な形状をしています。
今ではほとんどの植物がより複雑で機能的な葉脈を持っています。
およそ2億年前イチョウは地球の陸地の大半を覆うほど広く生育していました。
しかしより効果的に光合成をする事ができる他の植物に打ち負かされていったんです。
葉脈がどう進化したのかを研究するためにイチョウの葉の真ん中に穴を開け紫外線と光学フィルターを使って実験します。
目印となる液体を葉に吸収させ葉脈の形状を浮かび上がらせます。
イチョウの葉脈は原始的でまっすぐにしか伸びていないため葉に穴を開けると傷ついた部分から先に水分を届ける事ができません。
そのため葉の一部が死んでしまいます。
一方より進化した植物の場合葉脈は網目状になっているため水分は傷ついた部分を迂回して葉全体に運ばれます。
これは植物が傷ついた場合でも生き残るためにとってきた秘策なんです。
この網目状の葉脈によって効率的に水や養分を運びあらゆる状況に適応する事ができるようになりました。
植物の葉や葉脈は恐らく現在も競い合いながら進化を続けています。
何億年後かには今とは異なる更に効率のよい葉脈が登場しているでしょう。
植物は進化の結果独創的な生殖行動をとるようになりました。
自分で動かなくてもあらゆる環境に生育地を広げる事が可能になりました。
植物の生殖には3つの方法があります。
1つ目は体の一部から新しい個体を作り出す栄養生殖。
2つ目は自分の花粉を受粉させる自家受粉。
3つ目は花粉を飛ばす事で遠くにいる相手と受粉する他家受粉です。
精細胞は花粉という入れ物で守られ花から花へ昆虫や鳥動物などの力を借りて運ばれます。
自分自身で花粉を運べないなら誰かの力を借りるほかありません。
植物は運んでもらう報酬として花の蜜を提供します。
(デュメ)花粉の粒子の形は実にさまざまです。
人間の指紋に匹敵するほど多種多様だと言えます。
地球上にはおよそ25万種の植物が生育しています。
つまり花粉の種類もそれと同じくらいあるという事です。
なぜこれほど多様なのかは大きな謎です。
考えられる理由の一つは異なる自然条件に適応した結果だという事です。
初期には原型となるような花粉がありそれが次第に多様な進化を遂げたのかもしれません。
厳しい自然条件の下でも花粉は数日間生き延びます。
内部の水分を保つ力があるからです。
ジャック・デュメは特殊な電子顕微鏡を使って花粉の構造を観察し水分が保たれる理由を発見しました。
(デュメ)花粉は驚くべき構造をしています。
体積が小さいと普通なら外界に放たれると急速に水分を失いしぼみます。
ところが花粉はそうはなりません。
折り紙のように折り畳んで中を密閉しているからです。
そうして長い距離を移動しても水分が失われないようにしているんです。
デュメはシダ植物の生殖器官である胞子のうを研究しています。
ハイスピードカメラでシダの胞子のうを撮影し胞子を放出する瞬間を捉えました。
まるで古代の石を投げる武器のようです。
人間が考え出すずっと前からシダはそうして胞子を放出していたんです。
この方法は胞子が遠くへちりぢりに飛んでいくように編み出されたのでしょう。
自分の力で種を飛ばすのはスミレも同じです。
スミレは1m以上種を飛ばす事ができます。
キュウリの仲間には10m近く種を飛ばすものもいます。
種が生き延びるためには親から離れる必要があります。
距離が近すぎると光と水を奪い合う事になり成長しにくくなってしまうからです。
キンミズヒキの仲間やゴボウの仲間は動物に運んでもらうためある策を講じました。
電子顕微鏡で見ると種の先端がかぎ爪のようになっています。
種が動物の毛にくっつきやすくなっているのです。
一方オランダフウロの仲間は尾を回転させながら種を地面にねじ込みます。
タンポポはより確実な方法で種を飛ばします。
動物などを当てにしていたら環境によって運命を左右されてしまいますが風は大抵吹くからです。
強い風が吹けば種をはるか遠くへ運んでくれます。
多くの植物が風を使って種を飛ばしますが風に乗る方法はさまざまです。
パラシュートのようなものもあればヘリコプターのようなものもあります。
植物は種や花粉を分散させる事で生育地を広げてきました。
行き着く先が都市であっても同じ事です。
ニューヨークにはアメリカ北東部に生育する植物の種類の55%が確認されています。
ロンドンではイギリス全土の60%です。
ひっそりとたくましく植物は都市に根づいているのです。
はるか遠くからやって来る植物もいます。
(ピオラ)飛行機や船に乗ってやって来るんです。
グローバル化によって植物はそれまで到達できなかった地域にまで生育地を広げるようになりました。
ヨーロッパではイタドリは元からの植物の生態系に影響を与える典型的な侵略的外来種です。
ピオラはイタドリが繁殖した要因を研究しています。
(ピオラ)イタドリの地下茎はとても丈夫で成長が早く一年に数メートルも伸びます。
また地下茎の一部からでも新しい株が育ちます。
更にイタドリは他の植物にとって有害な物質を土の中に分泌します。
元からある植物は有害物質に侵され成長が遅くなります。
その間にイタドリが取って代わるのです。
日本では周囲の植物が時間をかけてイタドリの有害物質に適応してきました。
イタドリは自然界の敵が少ない都市部で急速に殖えています。
更に他の侵略的外来種との結び付きも確認されています。
(ピオラ)このアリはイタドリと同じくもともとヨーロッパにはいませんでした。
私たちはこのアリがイタドリの茎から分泌される液を得る見返りにイタドリを害虫などから守っていると考えています。
ヨーロッパで問題となっている侵略的外来植物はイタドリだけではありません。
アカザの仲間やキオンの仲間トネリコバノカエデなどたくさんあります。
中にはニワウルシのように巨大に育つものもあります。
ニワウルシの木は高さ30mに達します。
枝もどんどん広がります。
しかしこの木の最大の特徴は他の植物や昆虫菌類バクテリアウイルスなどを殺すさまざまな有害物質を持っている事です。
侵略的で怖い植物なんですが見た目はきれいなんですよね。
イタドリは観葉植物としても用いられています。
植物はどれもその美しさで人間を魅了します。
緑に飢えている都市部の人々は植物が都市に根づくのを手助けしています。
都市に植物を殖やそうと活動している人々がいます。
無機質なコンクリートの壁にも花を咲かせようとしているのです。
看板や車にまで花を咲かせ緑だらけにしようとしています。
植物は壁やコンクリートに生える事はありますがアスファルトに定着する事はありませんでした。
しかしそれを実現させようとしている人たちがいます。
車の音であふれ返る都会の一角に自然の静けさや風の音などをもたらそうとしています。
街に緑を持ち込む事で景観をがらっと変えるんです。
パリやフランス南部のリヨンで実施しています。
ブラジルサンパウロやニューヨークベルリンなどでも行う予定です。
リヨンのベルクール広場では広場を150種類の植物で覆い生物には多様性がある事を伝えます。
ベルクール広場はヨーロッパ最大級の舗装された広場です。
完成には丸3日かかりました。
都市に緑をもたらす試みが支持されるのは環境保護を訴える効果があるからでしょう。
コンクリートと植物という全く正反対の組み合わせは人々に驚きを与えました。
ニューヨークのかつて鉄道が走っていた線路の跡地では今人々は自然と出会い自然を味わっています。
天気や日の光季節や時間を感じ取っているんです。
時間の流れこそが特別なものなんです。
人間は周囲にあふれる自然から季節を感じてきました。
植物が春に芽生え冬に死を迎える事で時間の流れを感じ取ってきたんです。
しかし現代の都市の公園や庭からでは季節の移ろいを強く感じる事は難しくなっています。
公園や緑地を造るスペースは限られています。
しかし建築家や植物学者の手を借りる事であらゆる建物を植物で覆う事ができるかもしれません。
今から20年前都市空間に自然をもたらすために緑の壁や垂直な庭園を造ってはどうかと思いつきました。
緑の壁は空気を浄化します。
空気と水植物そしてバクテリアを含んだ土があれば作る事ができます。
二酸化炭素は植物に取り込まれます。
この類いまれな能力が人々が植物を都市に根づかせようとする理由です。
ニューヨークでは屋根が植物に覆われたバスが走っています。
都市を走るバスの屋根を植物で覆う事で街の緑を殖やそうと考えています。
植物は二酸化炭素を取り込んで酸素を供給します。
また雨水を吸収し都会のヒートアイランド現象を抑える効果もあります。
このバスでは主に乾燥に強いセダムが使われています。
葉に水を蓄える事ができ水不足で枯れる事はほとんどありません。
このバスの屋根は水をためたり排出したりする事ができるようになっています。
一方こちらはハンモックのようになっています。
今街を走っているのと同じタイプです。
ニューヨークを走る全てのバスの屋根が植物で覆われるのを見たいですね。
高い所からバスを見ながら「ラベンダーのバスが来たぞ」「次はバジルのバスだ」なんて言えたらいいですね。
(シュイッテン)植物は二酸化炭素を吸収します。
これは人間の営みと完全に調和します。
植物は大昔から建築材料として使われてきました。
人工的な素材が使われるようになったのはつい最近の事です。
この「竹の家」は地面に生えたままの竹を利用します。
短期間で育つ竹は家造りに最適です。
竹の寿命はおよそ30年。
ちょうど人間の家族の一世代分に相当します。
生きた自然素材の家に住むなら竹はぴったりです。
世代交代の長さにも完全に見合っています。
竹の断面を電子顕微鏡で見ると竹がなぜ折れにくいかが分かります。
無数にあいた穴の中にバネのような繊維があります。
これが強度を増す役割を果たしているのです。
長い進化を遂げてきた植物には人間が抱える問題を解決する鍵があるとシュイッテンは確信しています。
シュイッテンが建築素材として注目するもう一つの植物ハスには建築業界も関心を示しています。

(バイアー)ハスを住宅の屋根や壁に使うというシュイッテン氏の構想は魅力的です。
ハスから学ぶべき事はたくさんあります。
我々はハスの葉を参考に壁の汚れが簡単に落ちるコーティング剤を開発しました。
こちらはコーティング剤を使っていない壁。
こうして…水をかけるとどうなるか。
水を流しても壁の泥汚れは残ったままですよね。
こちらはコーティング剤を使った壁。
同じように汚れています。
でも水を流すと泥を吸い上げます。
ハスの葉はなぜ水をはじくのか。
電子顕微鏡でその秘密を探ります。
ハスの葉を拡大すると表面にたくさんの突起があるのが分かります。
これが水をはじくのです。
ハスは汚れを寄せつけない事で微生物から身を守っています。
シュイッテンの理想は現実のものになるかもしれません。
シュイッテンが思い描く都市。
それは全ての生き物が連携し合う持続可能な都市です。
(シュイッテン)植物は私たち人間と隣り合って生きています。
植物には学ぶべき事がたくさんあります。
人間は今こそ植物の声に耳を傾け100%持続可能な生き方に立ち返る時なのではないかと私は思います。
いや〜みんなたくましいね。
2014/05/17(土) 19:00〜19:45
NHKEテレ1大阪
地球ドラマチック「植物“生き残り大作戦”」[二][字]

植物が地球を“征服”しようとしている!?じっと動かないように見える植物。実は様々な方法を駆使して着実に生育地を広げている。植物の驚くべき生き残り戦略に迫る。

詳細情報
番組内容
火山地帯、寒冷地…あらゆる場所に生息する植物。熱泉近くに育つイネ科の植物は、菌類の力を借りて熱に耐える。食中植物ハエトリグサは水を利用して虫にワナをしかける。植物は生き残るために驚くべき進化を遂げてきた。子孫を残すため10メートルも種を飛ばし、ドリルのように回転して種を地面にねじ込む。有害物質を出して他の植物の成長を遅らせる秘策も。最新映像技術で植物の知られざる姿を紹介する。(2013年フランス)
出演者
【語り】渡辺徹

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
ドキュメンタリー/教養 – 宇宙・科学・医学
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
英語
サンプリングレート : 48kHz

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