ミュージック・ポートレイト選「泉谷しげる×夏木マリ 第1夜」 2014.05.18

遅い!還暦を過ぎてますます自分らしく活躍する2人が大切な音楽を持ち寄り語り合います。
・「季節のない街に生れ」シンガーソングライター泉谷しげる65歳。
フォーク四天王と呼ばれギター1本かき鳴らし声をからして歌う姿は観客を熱狂させてきました。
・「なぜこんな」はやり廃りに惑わされず40年にわたり歌ってきたのは今を生きる人々への応援歌でした。
自分のブランド始めるわ。
ジャンルにとらわれない表現者として自分の道を貫いてきました。
「だ〜ま〜れぇ〜!」。
還暦を迎え若い世代の女性たちからカッコイイ女としてリスペクトされています。
しかしその裏には意外な過去がありました。
・「ああ抱いて嵐のように」落ちぶれた一発屋のセクシー歌手としてキャバレーを回り続けた20代。
あてぇが落とし前つけましょう。
アハハハハ…。
昭和の日本。
経済が若者が文化が大きく動いた時代。
確かなものが次々崩れていく世界で自分の内なる声をひたすら信じて生き抜いてきた2人。
心に残る音楽を通して2人の人生を見つめていきます。
戦後間もない青森県。
泉谷しげるさんは5人兄弟の次男として生まれました。
お父さんは大工。
泉谷さんが3歳の時東京で一旗揚げようと家族で目黒に移り住みます。
しかし酒とケンカに明け暮れる父。
借金まみれで音楽とは無縁の家でした。
借金取りから逃げるため駆け込んだのは映画館。
スクリーンに映る昭和の大スターに目を輝かせます。
・「俺らはドラマーやくざなドラマー」・「俺らがおこれば嵐を呼ぶぜ」・「喧嘩代りにドラムを叩きゃ」・「恋のうさもふっとぶぜ」なるほど。
この間これ歌ってたよね。
歌ってました。
まあ原点みたいなもんですね。
チャーリーにしよう。
やっぱりこの不良感ですかね。
はすに構えてたたきながら歌ってるんだよ。
裕次郎さんだからね道楽感があると思うの。
そう。
あん時思ったね。
不良っつうのはさ金持ちじゃなきゃできねえんだと。
持ってる楽器が違うから。
ドラムセットいくらっつったら「そんなにすんの?」みたいな。
だからやはりあの粋さとお金を持ってる感とかタバコのくわえ方も全然違うし。
何つったらいいんだろうな。
これは遠い夢…夢だから。
だからそういう夢をものすごい与えてくれた。
でもあれからもう50年以上たってるのにこの歌をどっかで聴いたりすると何かやっぱり子ども心を思い出すじゃない。
そうなのよね。
困っちゃうよね。
あん時のみっともなさを思い出しちゃって。
何か脱ぷんしながら帰ってた自分がさ。
腹が立って腹が立って。
その屈折感がさ今60過ぎて花咲いてるっていう泉谷だって事だよ。
いやいやそれが友達に見つかって「こいつウンコしてやんの」って。
お父さんは貿易会社に勤めるサラリーマン。
企業戦士だった父の唯一の趣味は古いピアノでクラシックを弾く事。
その音色が夏木さんの音楽との出会いでした。
ホントは音楽評論家になりたかったってぼそっと言うような父でうちのこういう棚に音楽の何て言うのクラシックの事典みたいなのがバ〜ッてあったのよ。
それでピアノはピアノで調律ができてないような鍵盤が黄色いようなピアノがあって。
でほら高度成長だからほとんどうちにはいないんだけど父が。
日曜日とかたまにいる時はショパンだのドビュッシーだの弾いてる父のイメージしかない訳。
いいとこのねえちゃんじゃん。
全然いいとこじゃないのよ。
普通の住宅の四畳半にピアノが置いてあったからだからすごいうるさかったけど。
歌番組とか見てると消されちゃうようなうちだったの。
「テレビはいけません不謹慎です」と。
それであんまり音を聞かない少女がたまに聞く音が父の弾いてるその調律の狂ったショパンだのドビュッシーだって感じなの。
あまりにも現在とは違う生い立ちだったんですね。
だから私意外と普通なんですよ。
最初からロック聴いてるような少女じゃないから。
音楽に目覚めた少女は将来を決める運命の歌に出会います。
夏木さんは小学校3年生の時家庭の事情で東京・池袋から埼玉県大宮へ引っ越します。
辺り一面に広がる見た事もない田園風景。
環境の変化になじめない都会育ちの少女はいつも独りぼっちでした。
おたまじゃくしとかつくしとかもうね水平線が見えるようなイメージなのよあのころ。
それでお友達はみんなちゃんちゃんこ着てる感じな訳。
で東京から引っ越したから母が洋服とか好きだったので7日間洋服を替える訳ね。
そうすると七面鳥って言って7色の洋服を着てるようなイメージがあっていじめられっ子になっちゃう訳そこから。
分かるな。
いじめられて内気になっていく少女。
歌との出会いが彼女を救います。
これ自分で歌った歌なんですよ。
人前で最初に。
っていうのは小学校でいじめられてた時にコーラス部があって何か誘われて行ったら人前で歌う楽しさとかあと音楽のハーモニーの楽しさとか覚える訳ですよ。
この歌で人前に出るの結構好きかもと思ったり音楽って楽しいなと思ったり何か救ってくれた曲でもあるかもしれない。
合唱に出会い人前で歌う楽しさに目覚めました。
次第に活発な少女へと変貌していきます。
高校は都内に進学。
そのころ女子たちを夢中にしていたのがグループサウンズ。
その甘い歌声に思春期真っ盛りの夏木さんは心を奪われます。
グループサウンズの熱狂的な追っかけだったの。
何ていうグループだったんですか?ズバリ聞いてみましょう。
タックスマンっていうグループだったんですけど。
タックスマン?・「お前は俺のもの誰にも渡さない」サックスマン。
サックスマンじゃないタックスマン。
ほらビートルズの「Taxman」って歌あるじゃない。
税理士じゃなくて…。
そうそう「Tax」はね。
ビートルズのカバーもやったのよ。
「Taxman」とか「AndILoveHer」とか。
いい曲歌う訳よ彼らのカバーで。
もう本人の楽曲だと思ってるから追っかけとしては。
「いい曲歌うグループだなその割に売れないな」と思う訳ですよ。
しかしある日その追っかけの仲間からこれ全部元があるんだよと。
で聴いてごらんっていう事で当時レコード屋さん行って聴く訳ですよ。
買って。
何だ本家がいるんだと。
グループサウンズがカバーした洋楽の数々。
中でも夏木さんは切ないボーカルが魅力のアニマルズにハートを射抜かれます。
フ〜!フ〜!いや〜これは当時大ヒットした。
ねえ。
ナンバーワンソング。
彼らがだからこういう洋楽を教えてくれたのよ。
私にとっては青春でボーイフレンドの対象でもあったね。
もう好き。
好きなの。
ボーカルの人が。
彼とつきあいたいぐらいまで思っちゃう訳ですよ。
だけどあんまり売れてるバンドだともうスターになっちゃうから話せないじゃない。
だから追っかけの醍醐味として楽屋の出待ちで待ってると「元気?」とか声かけてくれる。
柱の陰から片目だけ出してるようなそういう女の子だったの。
でアルバイトしてさ。
高校の時アルバイトして。
池袋の地下の靴屋さんで。
それでお金ためて彼らに全部貢ぐ訳。
気持ちもお小遣いも全部。
もう追っかけのかがみだね。
青春の全てでしたね。
グループサウンズブームで若者たちがエレキギターに熱中した1960年代。
泉谷さんの心をわしづかみにしたのはローリングストーンズ。
新聞配達でお金をためエレキギターを手に入れます。
中学校の屋上で十円玉をピック代わりに激しくかき鳴らします。
エレキを持って練習の時クラス会終わってから集めてやったらみんなからうるさいって言われて。
フォークダンスやりたいって抜かしやがってさ。
「泉谷君マイムマイム弾いて」って。
「バカ野郎」。
「フォークダンスかこいつら」みたいなさ。
許せないと思ったね。
あれ以来もう学校行きたくないのよ。
高校に入ったものの1週間で中退。
機械工のアルバイトで日銭を稼いでエレキやアンプにつぎ込みます。
しかし18歳の時自宅が火事で全焼。
青春の全てだったギターもあっけなく焼けてしまいます。
エレキを失った直後に出会ったのはフォークの神でした。
それまでの静かなイメージを覆す強烈なシンガーに衝撃を受けます。
「次何歌うの?」みたいな。
それをガ〜ンとやっちゃってるからみんなダッ白けで。
だけど俺はものすごいゾクゾクしちゃって「すごいなこの人」と思って。
お客に応えないと駄目的なものってあるじゃない。
どうしても。
でも「知った事か」みたいなねあの勇気。
もうキリストみたいに美しいんだもん。
「カッコイイ〜!」とか素直に思うんだから。
アコースティックギターを抱え怒りや祈りを自分の言葉で伝える。
その姿に心が震えた泉谷さんは「自分も歌おう」そう決意します。
折しもそのころベトナム戦争反対で始まった学生運動は激しさを増していました。
メッセージ性の強いフォークが若者たちの心をつかみ昨日まで街で歌っていたフォークシンガーが次々有名になっていった時代。
泉谷さんも野心を胸にけん騒の街に繰り出します。
とにかくもうこういう仕事に関わりたくてしょうがなくて当時の人はみんなすてきで脚長くてかわいくて。
自分の姿見てカッコよくはないなあって。
だって小さい時こんなキャラじゃないでしょ?こんなもんですよ。
こんなもんなの?18から?18って言っても信じない。
「えっ?」って。
みんな。
18からおじさんみたいだったのね。
そうおじさんみたいだったの。
だからこりゃ無理だなと。
だから「縁の下の力持ち」じゃないけどライブを1回作ってったりとかイベント作りを。
あ〜そういう子だったの。
そうやっていくとアーティストたち友達になってくれっていきなり言われたって会ってくれないけどプロデューサーとかイベンターって言ったら会ってくれるじゃん。
「これだ」と思って。
それで近づいていったのね。
それで近づいていった。
そんな22歳の春。
泉谷さんを荒ぶる表現者へと駆り立てる運命の出会いがありました。
渋谷のライブハウスで見かけた年下のシンガー。
圧倒的なカリスマ性に目を奪われます。
「すごい!」という。
このテンションをずっとやっちゃう事のすごさ。
つまり恥ずかしがったり冷静じゃないんですよ。
もういくだけいっちゃうんですよね。
狂気の世界。
ビャ〜ンといっちゃう訳ですよ。
でこれは何だと。
客2〜3人しかいないのに2〜3曲で服がビショビショになってる訳だから。
「どうすんだろう?帰りの服」とかね。
もう出る日は必ず見に行ってて「またこいつ来てら」っていうんでマイクから言われて。
でさっきの手を使うんですよね。
「イベンターなんだけど」みたいな。
アハハハハ!でもそのうち一緒に歌うようになる。
一緒に歌う。
「何だお前イベンターでも何でもねえじゃねえか」って言われて。
「ばれたな」みたいな。
とにかく彼の声はオリジナル感がすごいんで。
オリジナルを出すには世間に合わせていい悪いを決めてるんではなく自分の発火そのものなんだっていう事がだんだん分かってきて。
もう我を忘れるぐらいやっちゃえと。
そういう演奏スタイルをこう体得するんだけど。
忌野清志郎と一緒のステージに立ち腕を磨く日々。
魂を爆発させる表現を泉谷さんは手に入れます。
天才清志郎との運命的な出会いは生涯にわたって続く濃密な関係の始まりでした。
ものすごいおとなしい人で会話にならないですね。
人の言う事「うんうん」って聞いてるだけで。
でも割とこう天才の人と会ってみるとそういう人多いね。
ふだん意外と普通だったりするんだよね。
俺結構ふだんも面白いからさ。
おっしゃるとおりです。
みんなつまんねえなと思って。
でもそれがまた怖くていいんですよ。
怖いですよね。
手の内が分からないんで。
俺いまだに分かんないよ忌野清志郎って。
どんな人なんだか言えないもん。
本当に。
そういう気持ちにさせてくれた事にすごく感謝ですよね。
全く違う道を歩んできた2人がこのあと芸能界という同じ世界に進みます。
グループサウンズの追っかけ高校生だった夏木さんはある日思いがけない誘いを受けます。
・「あなたに恋をしていたことも」幼い頃歌に救われた少女は本名中島淳子で歌手デビューします。
父親の反対を押し切ってデビューしましたがその理由は安易なものでした。
グループサウンズとにかく大好きじゃない。
だから彼と一緒にいたいっていう思いがこんなに膨らんじゃった訳。
「結婚してもいいぞ」みたいな。
そんな感じになっちゃう訳ですよ。
そうするとデビューしたらグループサウンズと一緒にいられると。
その不謹慎な思いだけでデビューしちゃう訳。
俺がプロデューサーって称してやつらに近づくのと…。
一緒一緒。
一緒ですね。
しかしデビューして2枚のレコードを出しますが全く売れません。
仕事は地方のキャバレーを回るだけ。
そんな時歌とは何かを教えてくれたのが逆立ちしてもかなわない魂の声でした。
・「Crybaby」聴いた時にぶっ飛んで。
「うわ!」って。
なるよね。
腰抜かします。
腰抜かす。
まあ歌謡曲になる訳でしょ自分の歌が。
だけどこういうボーカリストにホントはなりたいと。
バンドのフロントで…ほらグループサウンズってバンドだからバンドのフロントでこういう歌を歌う女になりたいって思うんだけど当時さそんな事務所とかに言えないじゃない。
「お前歌下手くそなのにこんな歌える訳ないじゃん」って言われるに決まってるから。
ず〜っとジャニスは聴く音楽だったのそれ以来。
それでそこから私のキャバレー回りが始まったりとか何かちょっと歌謡曲チックな演歌チックな生活になって全然自分のイメージとは違う何て言うのか音楽の世界になってくる。
一方泉谷さんは忌野清志郎に出会って半年レコード会社の目に留まりデビューします。
・「ちきしょうちきしょうちきしょうちきしょう」・「おもしろくないあいつ」注目されたのは客席と一体になる熱いライブ。
そして社会を風刺した過激な歌詞でした。
・「待ちに待った戦争だ」・「国が認めた戦争だ」・「みんなで殺そう戦争だ」いつでもやめるつもりでいたから。
あっそうなの。
そうだよ。
だってこのキャラだからそんなやれるとは思ってないし。
1年ぐらい暴れて終わりかなみたいな。
だからメチャクチャやってたんじゃないかなと。
しかしステージでウケるためではなく自分の心の歌を歌いたい。
そう思うようになります。
岡林や清志郎とは違う自分らしさとは何か。
向き合ったのは時代の風景でした。
移ろいゆく東京の町並み。
横目で見る働く人たちの汗。
大切なものが何かも分からず過ぎていく季節。
心に浮かんだのは今日を懸命に生きる人への応援歌でした。
名曲「春夏秋冬」。
やっぱり今日で全てが終わるとか始まるとかっていう事を…。
つまりまあみんな日常の災害があって自分を毎日のように頑張んなきゃと思って生きてる訳でしょ皆さん。
だから俺結局ね音楽とかエンターテインメントはね貧しいやつのもんだなあと思った訳。
金持ちに向かって俺は作ってねえなっていうのがあって。
だから内田裕也がさロックとフォークの共演の時にさフォークをすごくバカにした訳ですよ。
「お前ら四畳半フォークとか貧しい歌ばっか作りやがって。
ロックンロールでなぜいけないんだ」って言うからさ「貧しくてなぜ悪いんだこの野郎」ってこっちも始まっちゃって。
本気でケンカになっちゃったんです。
貧しい歌の何がいけないのって。
貧しいもんだろって。
だってスターがささん然と輝いてたのは周りが全員貧しかったからそこに夢を託せた訳じゃない。
今だって貧しくないと言ってるけど本当はどうか分からないよね。
実生活においてはね。
物はいっぱいあるけど心が貧しい寂しい。
病気ももっと進化しちゃってるし。
だからそのために励ますもんじゃない。
だからそれでいこう。
貧しい歌を作ろうという。
今年はいろいろあったろ。
いろいろつらい事もあったろ。
だからよ忘れたい事も忘れたくない事も今日は自分の今日にしろ!自分だけの今日に向かってそっと歌え。
・「あ〜」・「Yeah」そして2人は時代の旬といわれる存在になります。
・「丘の上ひなげしの」1970年代。
巻き起こったのは空前のアイドルブーム。
花の中三トリオをはじめ10代のアイドルは飽和状態となりました。
ならば次はアダルト路線だ。
歌手中島淳子の再デビューが決まります。
「夏に向けてヒットを決めよう」。
そこから「夏に決まり」で夏木マリと命名。
エキゾチックな顔立ちと豊満なボディーから付いたキャッチフレーズは…女性の色気を前面に出したイメージで勝負に出ます。
「絹の靴下」のプロジェクトが阿久悠さんがいらしてこの女をどうやって売ろうと。
でよく見ると何か…。
おっぱいでかい。
おっぱいでかいからソフィア・ローレン的にねイタリアの女みたく大地をはだしで歩くような女。
成熟した感じにしていろいろみんなで相談してくれてやったっていう。
妖艶な大人の魅力と挑発的なフィンガーアクションが話題を呼びレコードはスマッシュヒット。
しかし彼女の心はくすぶり始めていました。
ただあてがわれて歌ってて歌が下手っぴだったし自分の意思が1ミリも入ってないから歌わせられた感みたいな。
だから…どうしたってジャニスみたいに歌いたいのにそういう何か歌謡曲チックなの歌うのがどっかでこう反抗してたっていうか。
自分の実力っていうか力はないんですよ。
ないんだけどいつも夢はでっかかったから。
イメージは。
やってる事と自分のイメージが相当ギャップがあったので愛してない仕事でしたね。
見せかけだけの歌は次第に売れなくなっていきます。
気が付けばまたもキャバレー回りへと逆戻りしていました。
一応まあヒット曲があるから「夏木マリビッグショー」っていう看板はかかってんだけどホント歌なんて聴いてないからね。
お客がこうやってついでに見てる感じだから。
だからお客は横向いてるもんっていうシミュレーションが。
8年間続いてくの私。
キャバレー回りが。
ある時十三のキャバレーで私が藤田まことさんの前歌をやってたのよキャバレーで。
そして音合わせって4時ごろ終わるんだけど終わってふっと行ったら十三の隣のソープランドみたいな所でエルヴィス・プレスリーがハワイのライブやってたの。
中継だったの。
その日が私の十三の働く日だったのよ。
スターの場所と私の十三の歌う場所があまりにかけ離れてたんでもうそれがさ…。
まあ比べる事はできないんだけどもうすんごい…。
いつでも奈落の底で仕事してたんだけど奈落の底をもうベロベロに落っこっちゃったっていうその日だったんだなそれが。
そんな時幼い日々に音楽のすばらしさを教えてくれた父親が亡くなります。
このままキャバレー回りで終わっていいのか。
途方に暮れていた時友人に連れていかれたのは新宿の厚生年金会館。
そこで目にしたのはレゲエの神といわれるシンガーでした。
私後ろの方の2階か何かの後ろだったんだけどもうホントにお客さんが一つになって。
私もシャイな子だったからあんまりこうできなかったんだけどもう自然にやってる。
行った?全部見てますよ。
涙は出るわさ…。
涙が出るもんね。
で自然に立っちゃうわさ…。
そう体は動くわ立っちゃうわさ。
こんなに我を忘れて楽しんだのっていうのはなかったなと。
それまで。
ないないない。
「脱出せよ!」歌詞に背中を押されるように所属事務所を移籍。
心機一転して受けた仕事それは…。
ショーガールとして日劇の舞台に立つ事でした。
芸能界で生き残る最後のチャンスかもしれない。
夏木さんは体当たりの歌と演技で食らいつきます。
そして…。
改めてご挨拶させてもらいますきに。
30歳。
本格的に役者として歩み始めます。
鬼政の親分さん。
あてぇが落とし前つけましょう。
こんなものは捨てて…。
8年間のどさ回り。
その長い長いトンネルの先に開けたのは俳優夏木マリへの入り口でした。
それまでのキャバレー回りしたり「絹の靴下」だったりボ〜ッとしてた時代は私のプレパレーションみたいなイントロみたいなもんなのよ。
でもあの時間をもうちょっと真剣とか本気でやってたら今こんなにお釣りみたいに大変な事もなかったのかなってちょっと1ミリ思う時もある。
やっぱ失敗は失敗ね。
人間は失敗した方がいいから。
失敗と認めて次に来たんだなと思うけど。
無駄も必要なんじゃない?うんだからそう思った。
20代30代はそうなんじゃないかな。
何かこう計画的にうまく…。
そうだった?そりゃそうですよ。
行き当たりばったりですよ。
一方泉谷さんは「春夏秋冬」の大ヒットでフォーク界をリードする存在になっていました。
・「眠れない夜風が窓をたたき」・「手招きして誘い水をまく」・「眠れない夜」そしてデビューから4年。
音楽業界を震撼させる勝負を仕掛けます。
所属していたレコード会社を脱退。
同世代のライバル4人が手を組み突如として自分たちのレコード会社フォーライフを立ち上げたのです。
拓郎小室陽水泉谷。
画期的な挑戦を仕掛けた4人はフォーク四天王と呼ばれ名実ともに時代の寵児となりました。
しかしビジネスパートナーとなった同い年の男に泉谷さんはまざまざと才能を見せつけられます。
ふざけた才能があるというか。
ふだん作ってる声いい声だろう的に作ってるやつは大嫌いであれなんだけどやっぱ「青空、ひとりきり」ってすごいなと思う。
だからやっぱり嫌いでもいいものはいいというのが俺のタッパじゃないかなと思うんだよね。
もちろん交遊もしたくないし電話もかけ合いたくないんだけど。
そうなの?仲悪いの?仲悪いでしょ。
ああそう。
だからフォーライフ無くなったんだもんね。
そうだよ。
自分の音楽を好きなように作れる。
しかしそんな淡い期待の先に待っていたのは慣れない取締役の仕事に忙殺される日々。
音楽に没頭できない環境に気持ちは離れていきます。
体制に対してこの野郎ってやってたから面白いもの作れたんであっててめえが体制になってさ面白いもの作れる訳がない。
くんないってそんなもの。
言っても27だよあのころみんなな。
4050の男たちの給料まで考えてる訳ですよ。
できる訳がないじゃない。
何していいか分からないんだし現実問題。
だからそういう意味ではやっぱり曲もどんどんいいもの作れなくなるし。
だからさヒットもして会社の経営も27で両方できたらさ誰も苦労しねえぞ。
そうだね。
でもその時は分かんなかったから若さがあったから全部くれとやってみたよ。
やってみる事はいい事じゃない?やってみた。
でもくんない世間は。
分かったのね。
世間はくんない。
「春夏秋冬」歌ってる人間が経営者ですかって言われるのいかがなもんかでしょそれ。
だからさ一抜けて。
そら「お前カッコつけやがって」って相当怒られましたよね。
怒られたしやっぱりそういう会社を辞めればフォークの裏切り者になる訳ですよ。
だから客はいなくなるわレコードは売れなくなる。
たとえ裏切り者と呼ばれてもやっぱり自分は一シンガーでありたい。
泉谷さんは僅か3年でフォーライフを脱退します。
あの件は切りがついたんだ!フォーク界から干されしかたなく飛び込んだのは役者の世界でした。
気長にやるさ。
でも…。
じゃあ諦めっかい?自分のやりたい事は何なのか。
次回時代の荒波にもまれながら挫折の先に自分らしさを探す2人の人生を見つめます。
2014/05/18(日) 00:30〜01:15
NHKEテレ1大阪
ミュージック・ポートレイト選「泉谷しげる×夏木マリ 第1夜」[字]

泉谷しげる&夏木マリの人生の10曲▽泉谷の盟友・忌野清志郎との運命の出会い▽売れないアイドル・夏木を鼓舞した“レゲエの神”▽陽水/裕次郎/ジャニス・ジョプリン他

詳細情報
番組内容
泉谷しげる&夏木マリの人生の10曲▽還暦を超えても世間にこびない発言と活動で若い世代からもリスペクトされる二人の人生に流れていた音楽は?▽泉谷の盟友“天才・忌野清志郎”との運命の出会い▽GSに夢中になった夏木の青春▽紅白で話題となった“今を懸命に生きる人への応援歌”「春夏秋冬」の誕生▽暗黒のキャバレー回り時代、売れないアイドル・夏木を鼓舞した“レゲエの神”▽陽水/裕次郎/ジャニス・ジョプリンほか
出演者
【出演】泉谷しげる,夏木マリ,【語り】ヒロ寺平

ジャンル :
音楽 – その他
趣味/教育 – 音楽・美術・工芸
バラエティ – トークバラエティ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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