柳亭市馬の演芸図鑑「ナポレオンズ、瀧川鯉昇、沢村豊子」 2014.05.18

おはようございます。
市馬でございます。
前座の仕事のいろいろをご紹介しておりますが大切な役目に鳴り物を担当する…。
太鼓を打ち分けるんですけれどもいろいろあります。
まずはお客様が入場する時に一番太鼓。
開演の直前に二番太鼓。
中入りの太鼓もありますし終演の時には追い出し太鼓はね太鼓なんてのも打ちます。
一番太鼓というのはお客様が大勢来てくれるようにという願いを込めましてドンドンドンと来いとこう打つんでございます。
ちょっと久しぶりですけどやってみますんでね。
打てるかどうかね…。
こんな感じでございます。
これでお客様を呼び入れる。
そしてお客様がいっぱいになるという楽屋一同の願いがここに籠もっている訳でこれがまた前座の大変な役目でございます。
さあでは今日の出演者をご紹介致しましょう。
マジックのナポレオンズのご両人でございます。
そして落語は瀧川鯉昇さんでございます。
お人柄がにじみ出る温かい高座でございます。
ではどうぞ。

(拍手)どうも〜。
まだやっているナポレオンズです。
どうぞよろしくお願いします。
さあ最初のマジックでございますけどこれはすごいですよ。
なんとバラです。
バラをみんなで見つめていると一瞬のうちにフン!折れるというマジック。
お嫌いですか?そうですか分かりました。
よくマジックを見てタネが分かんないと「何か私はばかじゃないかな」なんて言う人もいますけどこれ本当はね違うんですよ。
マジック見て分からない人の方が頭がいいという事を証明してみたいと思います。
こちらでございます。
ごく普通のコップでございますね。
そのコップの中に皆さん分かりますよね大きめのスカーフを入れちゃうとちょうどいっぱいぐらいになりますね。
それでもってもう一枚のハンカチーフで何をするかというとコップの口の所ですねこういうふうにかぶせてしまう。
それでもって輪ゴムで蓋をする。
皆さん分かりますね?ここまで大丈夫ですね?中の赤いスカーフが完全に密封状態になっていると。
でねこのスカーフが脱走するんですけど上はもう出られないからコップの底ですよ。
底の小さなミクロのトンネルを抜けて少しずつスカーフが出てくるんですよ。
ほらほらほら。
ねっ!でもって完全にエスケープしちゃってじゃあコップを見ると別に穴開いてないんですよ。
ねっ!皆さん分かりますね?これは常識のない人は分かっちゃうんです。
常識のある人は不思議に思うんでございますよ。
何でかっていうとねこれはとても非常識なトリックを使ってるからなんですね。
そこら辺ちょっとね見て頂きたいと思うんですが普通に入れてるでしょ。
普通に入れている。
でもう一枚のハンカチーフでこれ蓋をするだけなんですけどハンカチーフの裏側で皆さんの常識を裏切るとんでもない非常識な事が行われてるんです。
ご覧頂きましょう。
これ裏側ですよ。
ハンカチをかぶせる時に全体を逆さまにするんでございます。
これ分かる人はおかしい!はいそういう訳でございました。
(拍手)さあ最近僕らは「人はなぜ騙されるのか!?」という講演をやってるんです。
でもってその中で騙されやすい人と騙されにくいという人がいるんですけどそれをチェックするマジックがあるんでございます。
まあマジックというかちょっとした実験ですね。
僕がここに数字書いていきましてどうぞって言ったら皆さんで大きな声で「何々」と読み上げる。
また次の数字書きますから足した答えですよ。
足した答えをまたどうぞって言ったら大きな声で言うと。
よろしいですか?どんどんやっていきますからね。
それじゃあ最初の数字ですよ。
はいどうぞ。
(観客)1000。
おっすばらしいですね。
(笑い)じゃあその次足した答えをはいどうぞ。
(観客)1040。
すばらしいですね。
どんどんいきますよ。
はい。
(観客)2040。
はいどうぞ。
(観客)2070。
はい結構ですね。
いきますよ。
はいどうぞ。
(観客)3070。
はいどうぞ。
(観客)3090。
もっと大きな声でいきましょう。
はいどうぞ。
(観客)4090。
はいいきますよ。
はいどうぞ。
(観客)5000。
(笑い)誰ですか?今5000と言った人は。
ほとんど。
本当に小学校皆さん出てるんですか?これ正解は4100です。
どう考えても。
(笑い)だから今日の皆さんは騙されやすいとか騙されにくいとかいうよりも大ざっぱな人が多いんです!
(笑い)弱っちゃったな。
まあねでもね算数は小学校の時にやってからず〜っと時間がたってるからね算数はちょっと忘れちゃってるかもしれないですね。
今度は気持ちを新たによろしいですか?今度はね皆さん大丈夫ですよ。
あのね国語にしましょう。
国語の方が大丈夫でしょ?それじゃあここに僕が漢字書いていきますから漢字をまたどうぞって言ったら自信を持って読んで下さい。
よろしいですか?漢字ですよ。
いきますよ。
漢字ほらほら…。
漢字。
どうぞ。
(観客)「くち」。
もうちょっと皆さん自信を持ってね。
(笑い)不安そうに言わない。
よろしいですか?どうぞ!
(観客)「くち」。
はい結構ですね。
どんどんいきますよ。
どうぞ!
(観客)「ひ」。
すばらしい。
はいどうぞ。
(観客)「しろ」。
(観客)「ひゃく」。
すばらしい。
(観客)「くび」。
(笑い)誰?今これを「くび」って読んだ人。
もう人間クビだそれじゃ。
いやいやいや。
これはねこれから導き出される教訓というのはみんな調子に乗った時が一番危ないという事です。
(笑い)順調に読んでいってここでチョンチョンとやられちゃうとついつい読んでしまうというね。
という事で皆さん方騙されやすいんでね気を付けて頂きたいと思うんでございますよ。
さあそれでは今度は何をやるんだったっけな。
まだ何かやり足りないような感じがする…あっ!これやんないと。
さあそれでは最後にご覧頂きますね。
ナポレオンズ名物頭ぐるぐるです!いきます。
(観客)わあ〜!
(拍手)はい!どうもありがとうございました。
(拍手)
(出囃子)
(出囃子)
(拍手)
(笑い)え〜陽気の変わり目にもう体がついていかれないという日々が続いております。
あんまり大きな声も出せないもんですから後ろの方にお座りのお客様方がここんところこういう状態でございましてね。
鶴田浩二の親類かと思ったらそうじゃないんです。
聞こえていないという訴えがこの間もございまして一番後ろにお座りのこれがまた元気のいいおばちゃまでございました。
でっかい声で「聞こえないよ」とおっしゃいますから一応それにお答えをして「聞こえたとしてもそれほど大した話はしていません」とお伝えをしたんでございますがおばちゃまそんなんじゃめげてないですね。
再び大きな声で「こっちはお金を払っているんだ」とおっしゃいますので「こっちはそれほどもらってません」という事でとりあえずご理解を頂いた訳でございますが…。
まあスポーツでもご趣味でも何でも何か楽しみ事があるというこういう方が元気で長生きができるんだそうでございますがもう月のうちに一日も休みがないなんていうのはこれを自慢している方が結構日本人多いんでございますが明日が久々のお休みという事になりますと皮肉なもんですね休みの当日じゃないんです前の晩がうれしくってなかなか寝つかれないという事になるんでございますが子どもの時の遠足もそうでした。
当日より前の晩に興奮しましてね明日持っていく荷物に間違いがないかという夜中に何度も何度も起き出しまして明日持っていく予定にしておりますお煎餅の枚数を数えたりなんかしましてね何度もやりますから翌日粉々になったやつを担いで何だったっけ元はというような経験があるんでございますが私も今日のこの「演芸図鑑」大変に楽しみにしていた訳でございます。
ゆうべが最高潮でございました。
(笑い)何か今朝から力が抜けているような心持ちがしてるところでございますが休みの前の日にうれしくってなかなか寝つかれないというそんな大人も中にはある訳でございまして…。
「おうおっかあ。
夜が明けたらすぐ起こして。
一番電車で出かけるからね。
弁当は握り飯だよ。
大きめなやつを6つばかり塩をきつくしてさ。
おかずはいいよ。
こっちは釣りに行くんだから釣り上げた魚をその場で食うというのがこれがいいんだ。
夜が明けたら何しろすぐ起こして。
えっとね餌はこれだけ捕ってきたからこれで明日一日楽しめると。
さおが2本代えが1本仕掛けもこしらえてあると。
これなんだよね釣りの楽しみってのはね。
この細い釣り糸。
これで大きな魚を釣り上げた時にこれが切れるかなもつ…えっ?」。
(笑い)「あのねこの細い釣り糸で大きな魚を釣り上げた時にこれが切れる…」。
「釣る前に切れるねこの糸」。
(笑い)「長え事行ってなかったら釣り糸がいかれて『店は早じまいをします。
よろしいですか?』って…。
ほかのものがそろっていて糸がないと明日釣り仲間に交じってさおだけ出してるっていうのはあんまりいい形じゃねえしな。
弱ったねおい。
せっかく明日久々の休みで…」。
「すいません。
ここにちょっと馬をつないでいきますんで後をお願いします」。
「おい!」。
「あいつらこの間もここへ馬をつないでいったんだ。
今どきよくこんなものを引っ張って歩いてるな全く。
馬ってえのはおとなしかないんだから。
馬の八掛っつってねこれっばかりのもんでいきなり暴れ出すからさ…この尻尾尻尾。
尻尾今こうなんだよ。
これがね通りかかろうとするとこうなるんだよこれがさ。
痛いからねこの…。
これ釣り糸にならねえか?ちょっと待てよ。
どうどう…。
よいしょっと。
おっいい引きだこれ。
ちょっと待てよ。
いいやこれ釣り糸になる。
これでいいや。
これで明日釣りが…。
俺が悪い訳じゃねえからね。
勝手に馬つないでったから。
こうやってね…」。
(笑い)「あんまり同じ所から引っ張っちゃうとはげちゃうからな。
馬だってはげって気にするだろうからね。
この辺から…」。
「え〜っとこれで足りるかな?足りない時にまさか馬を海に連れていく訳にはいかねえからな。
電車に乗って駅員さんが『何ですか?これ』『釣り道具です』って通らねえだろうからね。
もうちょっと余計に引っ張っておくかこうやってね」。
「おう!何やってんの?」。
「あっ兄貴。
明日久々の休みでさ釣りに行こうと思ってね道具を並べていた。
そうしたら肝心の釣り糸てぐすがいかれちゃってんだよ。
いくら何だって糸がなきゃ釣りにならねえだろ。
もうこれね駄目かなと諦めかけていたらそうじゃないんだよ。
今ここへ馬をつないでいったやつがいてさこの馬の尻尾がいい引きでねこれつないで釣りやろうと思って今ここでちょっと抜いてた」。
「お前今…馬の尻尾を抜いてたのか?」。
「馬に断ったのか?」。
「えっ?これ抜いちゃいけねえの?」。
「ああ〜知らずにやってたんだな。
そうだろうな。
知ってたらそんな大それた事しねえもんな普通は。
寒気してきたな。
俺また来る」。
「ちょっと待って待って…。
何?馬の尻尾って抜いちゃ…。
俺聞いた事はねえんだけどさどういう事?ちょっと聞かせて」。
「知りたい?いやいやこれは話するのはいいんだけどこの間さ俺もお前と同じような了見でつないであった馬を見ているうちにこの尻尾が釣り糸の代わりにならねえかなと思って引っ張っていたら向こうの方から青い顔して駆け出してきた人がいるんだよ。
『あなたなんて事をなさるんですか。
馬の尻尾を抜いたらこれこれこういう事になるじゃありませんか』って言われて驚いたね。
今度はこっちが真っ青になっちゃってさ『いや〜危ないところをあなたのおかげで助かりましてお礼という訳じゃないんですがよろしかったらちょいと脇で一杯おつきあい頂けませんか?』ってまあこの話はしてもいいんだけどもね元がかかっている話…」。
「ちょっと待って待って。
じゃあ俺も酒と…。
おっかあおっかあ。
兄貴大事な話があるからね冷やでいいから持ってきて。
枝豆ゆだったら塩振ってここへ持ってきて。
ちょっとこれやって」。
「ああ悪い悪い。
あっ酌?はいはい…。
ゴチになっていい?」。
「はあ〜。
こりゃいいや。
今湯の帰りでね湯上がりっていうのは一杯飲みたくなるよ。
ところがさ今日は湯銭しか持ってうち出ねえからね…。
でうちへ帰って出直すとまたかかあグズグズ言うだろ。
こういうの気分なもんだからねどっかで飲みたいなと思っていたんだよ。
そしたらお前今ここで馬の尻尾を引っ張って『あっこの野郎知らずにこういう事やってんだな』と思ってね教えてやったら一杯飲めるかななんて思ったんだよ。
ものを知らねえやつに会うと助かるねこういう時は」。
「今話する。
今話する。
慌てちゃ駄目だこういうのはね。
これいい?あっそう。
枝豆初物だよ」。
「これね中に2つ入ってるのと3つ入ってるのってあるんだよね。
どうって事はねえんだけど3つは何か得したような気がするじゃねえか」。
「ああ落ち着く」。
「いや俺全然落ち着かねえんだよ。
あのねちょっと馬の尻尾の話をしてそれから後でゆっくり…」。
「駄目だ駄目だ。
そうやって人間はイライラしたりね怖い顔なんかしたら駄目だよ。
人間っていうのはねにっこり笑っているこれが一番体にいいんだってさ。
笑ってなきゃ駄目なんだよ。
ところが聞いたらさこのごろ落語を聞いても笑わないやつがいるんだってさ」。
(笑い)「何を考えてんのかと思ってね。
知ってる?落語っていうのはね面白いとか面白くないそんな事はどうでもいいの。
あれつきあいで笑ってるだけで体にいいんだからさ。
笑わなきゃ駄目だよ。
そんな怖い顔してるとねいろいろ悪い事はねそういう顔してる人のとこに集まってきちゃうよ。
あのね悪いやつは大勢いるだろ。
最近電車に乗るとね女の体に触るやつがいる。
悪いね。
そういう事がないようにってさ…」。
「女の人しか乗っちゃいけないという車両があるの。
それでねその隣の車両と間の連結器の所によくおかまが立ってるという話が…。
うそうそ…。
怖い顔してるね。
笑うかなと思って」。
「俺そんな事はどうでもいいんだからさ馬の尻尾の話を先に…」。
「怖いやつだね。
じゃあ分かった。
ゴチになった。
これ片づけて話すよ。
ちょっと待て待て…」。
「はあ〜うまかった。
すっかりゴチになっちゃった。
どうもありがとう」。
「教えてくれ馬の尻尾の事。
どうなるんだよ?」。
「馬が痛がるんだよ」。
(拍手と笑い)一昔前っていいますかねまあ昭和30年ぐらいまでは銭湯へ行きますとよくこういう風景が見受けられたものでね町内のおじさんが頭の上に手ぬぐいなんぞ載っけてね…。
旅行けば駿河の道に茶の香り流れも清き太田川…なんてね二代目広沢虎造先生の「清水次郎長伝」一世を風靡しましたからどんな人でもやったんですけど私も子どもの時から浪曲が好きでしてねはなし家になって何年か前でございますけれどもお客さんの前で浪曲をやるという機会がありましてうれしかったね。
「灰神楽三太郎」をやったんですけども…。

(三味線)これなんですよ。

(三味線)毎度皆様お馴染みの
(三味線)あの次郎長に子分があるが強いのばっかり揃っちゃいない
(三味線)中にゃトボケた奴もあるドジで間抜けで出たらめでその上寝坊でおっちょこちょい今日のゲストでございましてすばらしい音色で浪曲を盛り上げます。
曲師の沢村豊子さんでございます。
御師さん失礼します。
はい御師さんありがとうございます。
さあさあどうぞどうぞ。
どうぞ。
大丈夫ですか?気を付けてね。
はいどうぞ。
いや〜御師さん久しぶりでございます。
どうも。
今日はよろしくお願い致します。
いいえこちらこそ…。
でもね御師さんの一人の三味線のこの…これで浪曲やった時の気分のよさね。
もうあれは何事にも…。
お上手ですよ。
いやいや…とんでもない。
もう素人なんでね。
とんでもない。
よく1に声2に節3啖呵とかね浪曲の事を言いますよね。
でもやっぱり私たちはまず三味線がね…。
この三味線が大変だなと。
1に三味線じゃねえかと思うぐらい。
そんな事ない。
それ言ったら「何言ってんだ」って言われますよ。
素人了見にね。
まあ好きなんですけども浪曲の三味線っていうのは何かの民謡だったら伴奏じゃないですか。
浪曲の一応伴奏にはなってるんですけど一応勝手に弾いちゃいけないんですよね。
浪曲の方弾きだしっていってジャンジャ〜ンってありましたら私はこういうふうにやるよとかきっかけとかって…。
でも何か譜面がある訳じゃないでしょ?譜面はありません。
みんな耳で聴いて覚えた。
そこはもうジャズの掛け合いみたいに…。
どんな節が来るか分からないですよね。
浪曲師とそして三味線のこのぶつかり合いというか息の合わせというか…。
本当にそれが難しいです。
速さがちょっと違っても節をただ自然と渡すんですから。
音楽みたいにグワ〜って決まらないですよね。
「何が何て何とやら」なんていつの間にかリズムになってそのリズムをこちらで弾いてこの速さだなと思ったらそれを弾くんですけど二度と同じ手がない。
その時だけの…。
そりゃそうですよね。
なかなかねピッタリは…一年弾いてても一年中ピッタリとはいきませんからね。
お互いに生身の人間なんだから。
その時の気分とか全然乗らない時があるんですよ。
演者が一生懸命やってるのに三味線がこれじゃいけないと思っても乗らない時があるんですよね。
気分が乗った時は最高ですけど。
本当ですよね。
だからお客様には分からないところがあるんですよね。
そんな御師さんですけどとにかく芸歴が長いっていうのは分かるんですけど…。
長すぎましたね。
御師さんに年を聞いちゃ悪いんだけどももう芸歴は…。
私年聞かれても平気です。
じゃあもう芸歴60…。
もう70…喜寿の年を過ぎました。
喜寿過ぎたから…。
喜寿過ぎたからすぐもう80で。
ちょっと頂きます。
どうぞ。
そうするともう芸歴がやっぱりね…66〜67年になるんでしょ?そのかわり10年間子育てでやめてました。
途中ね。
それでいくつで…。
えっとね12の時に東京へ来たんです。
それであれでしょ?何かお父さんが三味線を習わせたんでしたっけ?それはね11歳の頃にもう私は純粋の日本舞踊が大好きだったんです。
その日本舞踊を習いたいって習わせてくれてましたのが私一人きょうだいの中で。
それをお師匠さんになった時には三味線ぐらい弾いて…。
三味線持って教えないとかっこ悪いから習いに行けって言われて分かりましたって言ってお父さんの言うとおりに端唄習って間もなくですよ話が来たの。
で近所の劇場に浪曲の一行が来た訳ですか?はいはい。
そこの楽屋に連れていかれたと。
そうです。
「東京行く気ないかい?」って今度その師匠が言ったんですよ。
そしたら「はい!」って自分では…。
踊りのお師匠さんはやっぱり東京でちゃんとしたあれをやらないと駄目だっていう頭がありましたのですぐに何にも言わずに「はい連れていって下さい」って言ったんです。
旅興行なんかもついて歩いたんですか?ついてじゃなくてすぐに舞台へ引かされて。
もう耳で…話戻りますけど一旦うちに帰ったけどすぐ明日佐賀から次の所へ行くからそこからずっと東京へ連れて帰るっていうんでずっと天草だ何だと…。
興行しながら?そう興行しながら東京へ行ったもんですから何にもしないでただ舞台の後ろでこうやって聴いてるうちに子どもですよね自然と覚えが早かったのか何だか知らないけどそこへ持ってきてお三味線ちょっと手ほどきしてもらったから…。
あとはもう舞台にすぐ連れていかれました巡業コースが決まったからって言って。
そのころの御師さんの写真があるって…。
ええあります。
ちょっと見せてもらっていいですか?だから12〜13歳の…アハハハ出ました!御師さんちょっといい?あら〜まあ!後ろに間違いなく「13」って書いてあります。
かわいらしいねこの…この御師さん。
後ろに「13歳」書いてあります。
昭和24年1月10日撮影。
はあ〜。
何か三味線につかまっている感じですけどもね。
きれいなおべべで。
そうですか。
すいませんね大事な写真を。
でも御師さんもいろんな人の節もやらなきゃいけなくなってそういうのはどうなんですか?いやいや頭にはありますよ皆さんの節。
だからあれですけどそんな自分では…。
もともと節から入ったんじゃなくて最初から三味線ですから…。
節の経験はないんですね?ないです。
ですからいまだに腹から声出せません。
たまにはうなってみたいと思う事はないんですか?あのほら昔の名人のさちょっとさわりというか…。
さわり?それこそ…どうですか?どうですか?浪花亭綾太郎。
ああ「妻は夫をいたわりつ」。
やって下さ2014/05/18(日) 05:15〜05:45
NHK総合1・神戸
柳亭市馬の演芸図鑑「ナポレオンズ、瀧川鯉昇、沢村豊子」[字]

落語家・柳亭市馬のナビゲートで、とっておきの演芸と対談をお届けします。演芸は、ナポレオンズのマジック、瀧川鯉昇の落語「馬のす」。対談のゲストは沢村豊子。

詳細情報
番組内容
落語家・柳亭市馬のナビゲートで、とっておきの演芸と対談をお届けします。演芸は、ナポレオンズのマジック、瀧川鯉昇の落語「馬のす」。対談のゲストは沢村豊子。
出演者
【出演】瀧川鯉昇,沢村豊子,ナポレオンズ,【ナビゲーター】柳亭市馬

ジャンル :
バラエティ – お笑い・コメディ
劇場/公演 – 落語・演芸
バラエティ – その他

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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