中米
ジャングルの片隅に
マヤの儀式が行われた洞窟が
口を開けていました
胸まで水につかりながら奥へ
危うい足場を頼りに岩を登ると
突如鍾乳石に囲まれた空間
その先に
驚くべき光景が待ち受けていました
その人骨
古代マヤ人はここで雨乞いをしたのです
洞窟は
人間世界と神々の世界をつなぐ
聖なる場所でした
謎に満ちたマヤ文明
メキシコの密林にこつ然とピラミッドが現れます
そしてここにも
今日の世界遺産は
マヤ独自の建築を極めた
美しい建物が並びます
雨の少ない大地
繁栄の秘密は
地下に隠されていました
9世紀のユカタン半島北部
ウシュマルと呼ばれた都市国家には
2万5000人もの人々が暮らしていました
これは政治の中枢だった会議所
広場の周囲を取り囲むのは
王宮だったと考えられています
日本でいえば平安時代
マヤの人々が石の道具だけでつくり上げた
巨大な建造物
とりわけピラミッドは圧巻です
第一の謎は
その誕生
そこには山への信仰が隠されていました
近づいて見上げれば
ピラミッドはまさに山のごとくそびえ立っています
しかしこのピラミッドは
初めから今のような形に作られたわけではありません
内部に入るとその証しが刻まれています
狭い通路の片側は
彫刻が施された壁
このピラミッドは5回の増築を重ねてきたんですこの壁は一番最初に建てられたときのものです
古代マヤでは王が交代すると
それまでのピラミッドの上に
新しいピラミッドを増築することがありました
これは5層
増築を重ね
巨大化したのです
高さ35メートル
その頂で王は儀式を行いました
ピラミッドは神殿だったのです
階段は目もくらむような急傾斜
4番目の神殿です
最も高い場所に5番目の神殿があります
そこは王だけが入ることを許されました
祠のような…
古代マヤ人には
洞窟こそ神々の世界への入り口でした
王はここで神の声をきいたのでしょうか
ピラミッドの高さにはもうひとつ理由があります
ピラミッドはマヤ人にとって聖なる山でしたこの土地には丘も山もありませんだから人工の山をつくったんです
その証拠が階段の脇に
段々に並んでいるのは
山の神様です
マヤ人は山を先祖の住みかと考え
聖なる場所を築いたのです
かぎ鼻を持つ…
平地に築かれたピラミッドは
まさに人工の山
山への強い憧れを表していたのです
ユカタン半島の付け根にある国…
今から25年ほど前
郊外の洞窟で
古代マヤをめぐる大発見がありました
特別な資格を持つガイドが同行すれば
見学することができます
ただし道のりは過酷
たどり着くまでは3時間近くかかります
入り口から1キロほどで
ちょっとひと息
鍾乳石に囲まれた
広い空間に出ました
一帯は石灰岩の大地です
雨水が岩を解かして
神秘的な光景をつくり上げました
探検隊はさらに奥へ
ここが大発見の現場
眠っていたのは人骨です
生け贄として神様に捧げられた
古代マヤ人にとって
洞窟はこの世とあの世をつなぐ入り口
周囲からは
儀式に使われた土器も見つかっています
干ばつなどに苦しめられたとき
マヤの人々は生け贄を捧げて
雨を祈ったこともあったのです
マヤ文明は密林に栄えました
森の中に当時の道路が残されてます
こうした道が都市と都市を結んで
張り巡らされていました
ウシュマルからの道を18キロも歩けば
この門を入り口とする別の都市
カバフです
統一国家を持たなかったマヤ文明では
いくつもの都市国家が共存していました
その数は最も多いときで
70もあったといいます
マヤ文明は2000年以上も続きました
9世紀頃大きく繁栄した地域のひとつが
ユカタン半島北部の
プウク地方です
中でも最大の都市国家が…
この地方の名にちなんで
…と名付けられた
独特の建築スタイル
切り石を巧みに組み合わせたモザイク模様は
マヤ建築の傑作です
壁面には神々がいました
王権のシンボル…
ヘビの口に人の顔が彫り込まれているのは
マヤ建築の頂点を極める「古代都市ウシュマル」は
それにしてもなぜウシュマルは
これほどの豊かさを手にすることができたのか
秘密は地下に隠されていました
2万5000人が暮らした巨大都市
でもそこは文明に欠かせない大河がなく
雨も少ない土地です
街には雨期に降るわずかな雨を集めた
水路の跡が残っていました
第二の謎は
マヤ文明を支えた知恵が
地下に眠っています
これは地下貯水タンクの入り口です当時の人々はここに雨水をためていました
ウシュマルを含め一帯には
こうした穴が数百余りも見つかってます
いずれも人の手で掘られたものでした
この一帯は石灰岩の地層です石灰岩は水が染み込みやすいので内部はこうした分厚い漆喰で守られていました
貯水タンクの内側は
防水効果の高い漆喰で
塗り固められていました
これは修復された貯水タンクの入り口
緩やかな傾斜をつけて
雨水が中央に集まるようにしてあります
内部の漆喰壁は
1000年以上前に作られた
貴重なオリジナル
ウシュマルはこうした数百もの貯水タンクに
支えられていたのです
漆喰の原料は
意外なことに…
切り出した石灰岩を
1000度を超える高熱で焼くところから
漆喰作りは始まります
焼けた石灰岩に水をかけると
膨張して粉々に砕けます
この過程で石灰の性質が
大きく変化するのです
水で練り上げれば出来上がり
水を通しやすい石灰岩から
防水効果の高い漆喰を作る
古代マヤ人は
雨の少ない土地で水を確保し
高度な文明を築き上げました
マヤの伝統を受け継ぐ土器の工房があります
器の下地に塗るのは
水で溶いた石灰です
ここでは出土した土器の形や絵柄を
忠実に再現しています
色付けはユカタン半島の赤土で
色鮮やかな器を使うのは
王様や貴族に限られたとか…
素朴な中にも
どこか高貴な風合いが感じられます
こちらはカカオをのむためだけの器
イグアナがしがみつく香炉
古代マヤ人の豊かな感性があふれます
第三の謎は
命をつなぐ作物
それがトウモロコシでした
ウシュマルの遺跡ではあちこちで
トウモロコシをかたどった彫刻に出会います
古代マヤ人が
最も大切にした作物です
このレリーフもトウモロコシの葉っぱ
アメリカ大陸原産のトウモロコシは
今もマヤ人の主食
種まきのときには大地の神に祈りを捧げます
4色のトウモロコシは
東西南北を意味しているそうです
(祈りを捧げる)
トウモロコシの栽培は
まさに命の綱
雨が降る時期を予測して種をまく
それには正確な暦が必要です
天体の動きを知り人々に伝えることは
王の重要な役割でした
民衆の前で種をまく日を予言したのです
繁栄を誇った…
都市の広さは10平方キロメートルに及んでいました
今ほとんどは密林に埋もれています
中心にはいくつものピラミッドが築かれました
人工の山・ピラミッドには
重要な役割がありました
民衆に向かい
王が神の言葉を授ける舞台でもあったのです
かつて王は人々が見守る中
盛装した姿で頂へと上がりました
(音を鳴らす)
(予言の言葉)
農作業の日取りなどを
王はピラミッドの高みから予言したといいます
ときには暦を手に
その暦がこちらの
国立図書館に保管されています
世界にたった4冊しかないという
マヤの古文書
ほとんどはマヤを征服したスペイン人に
焼き払われてしまったのです
ドレスデンにあるのは最も詳しい1冊
古代マヤ人は正確な暦を持っていました彼らは日食や月食の時期までも把握していたんです
これは日食を表す文字
マヤの数字
点は「1」
棒は「5」を表しています
古代マヤ人は日数を計算して
天体の動きを予測することができたのです
そうマヤの人々は語り継ぎます
日々の糧を求める思いが
高度な知識をうみました
春分の日
太陽はピラミッドの中央から昇ります
増えすぎた人口で環境が破壊され
衰退したともいわれるウシュマル
川ひとつない密林に花開いたマヤ文明は
今もひっそりと埋もれています
2014/05/18(日) 18:00〜18:30
MBS毎日放送
THE世界遺産[字]【藤原竜也が語る「密林に浮かぶピラミッドの謎」】
メキシコに眠るマヤ文明の古代都市ウシュマル。その象徴は高さ35mの巨大ピラミッド!いったい何に使われたのか!? 雨も降らない密林に栄えた巨大都市の謎に迫る!
詳細情報
番組内容
メキシコ・ユカタン半島北部に眠る、マヤ文明の古代都市「ウシュマル」。9世紀、2万5千人が暮らした巨大国家でした。日本で言えば平安時代、石の道具だけで作り上げた巨大な建造物が立ち並びます。その美しさはマヤ建築の最高傑作とも称えられ、モザイク模様や神々をモチーフとした彫刻が溢れます。謎に満ちたマヤ…、密林に花開いた豊かな文明の秘密に迫ります。
出演者
【ナレーター】
藤原竜也
制作
■番組HP
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ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
福祉 – 文字(字幕)
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