(鐘の音)
(鐘の音)
(伊藤斗久也)違う…。
(八重樫純)おいもう外明るくなってきたぞ。
わかってる!そう急かすなよ!もう少しで開くはずなんだ。
もう少しもう少しってお前。
ああ頼むよ早く開いてくれよ。
(成増清剛)あ今日病院だろ?検査結果。
(成増清一)ああ。
1人で行けるか?何言ってんだ。
結果わかったらすぐ連絡くださいよ。
ああ。
あ携帯電話忘れずにね。
ああ。
早いか遅いかだけの事だ。
え?人はいずれ死ぬ。
(伊藤)開いた…!
(社長)お前ら何やってんだ!
(八重樫)うわーっ!ああっ!
(社長)待て…!わしの金を返せ…!わしの金返せ…!
(伊藤)放せ!
(桜井麗子)緊張するわね。
ゴルフデビュー。
(吉川香織)うちらみたいなレベルでコース出てほんまええんかいな。
(漆原さやか)ええのええの。
私ドライバーでかっ飛ばす!
(3人)キャーッ!てめえら!俺の事喋ったらぶっ殺すぞ!
(柿野たまこ)皆さーんお待たせしましたー。
なんやったん今の!
(香織)人殺しー!皆さーんシートベルトしてくださーい。
(麗子)早く出して!
(鶴丸りん)お母さんおはよう。
(鶴丸あや)おはよう。
すぐご飯にするね。
うん。
ねえお母さん。
今日なんかあるの?えっ?そのカレンダー。
前から6日に印が。
あああれ…。
あれ間違ってつけたの。
何と間違えたの?えー…忘れた。
よっしゃ。
おう。
(池内弘二)ああご苦労さんです。
タタキか?金庫の仕入れの金を狙ったみたいです。
2人組で1人はこの工場の取引業者の伊藤斗久也。
これは逮捕してます。
もう1人は?
(平林雅彦)もう1人はガイシャの社長に重傷を負わせ凶器のナイフを持ったまま逃走中です。
ああ…。
(川喜多夏帆)「下鴨強殺きょう判決」…。
大阪高裁差し戻し審…最新DNA鑑定が争点。
(ドアの開く音)おはようございます。
(井森幸三郎)おはよう。
(夏帆)あの…。
窓節電エコ。
エコ…すいません。
井森事務官。
今日この真下事件の判決が出るでしょう?真下事件の一番最初の担当検事って鶴丸検事なんですって。
だからなんだ?今日おそらく最新のDNA鑑定が決め手となって無罪判決が出ますよ。
鶴丸検事は最初事件を担当され気の毒に冤罪事件の片棒を担がされたわけですから…。
川喜多。
言葉に気をつけろ。
片棒なんて鶴丸検事が悪事に加担したように聞こえるぞ。
悪事でなくても真下勉さんに15年近くも拘置所暮らしを強いたわけですから。
強いたのは検事ではない。
法律だ。
(井森)そこを間違うと大切な事を見誤る事になる。
(真下朋子)鶴丸検事!おはようございます。
いよいよ今日という日を迎えましたね。
失礼ですが…?何度もお手紙を差し上げたと思いますが真下勉の妹です。
あなたが…。
手紙読んで頂きましたか?拝見しました。
毎回上司と相談して脅迫罪の適用が可能かどうか検討しました。
暴力的な恫喝の言葉が並んだ不愉快な文面でした。
あなた方は私も兄と同じように犯罪者に仕立て上げる画策を…。
あなたと議論するつもりはありません。
仕事ですから。
待ちなさいよ!鶴丸検事!兄も私も私たち親族友人知人みんなこの15年間あなたのせいでつらく苦しい思いをしてきたんですよ!警備!どうなのよ!
(警備員)コラッ!離しなさいよ!兄は今日きっと無罪になります!鶴丸!あんたは兄にどう詫びるの!私たちに頭を下げて謝るつもりなの!?いや土下座しろ!土下座!おはようございます。
鶴丸検事。
井森事務官。
今日最初の取り調べ何時?10時です。
それまで私誰とも会話しない。
いいわね?
(伊藤)あの社長銀行嫌い振り込み嫌い…っていうか現金見せびらかすのが大好きな奴で…。
お前は社長が支払いの前日には事務所の金庫に金をしまっとくのを知ってた。
それで…。
お前人の金くすねる算段するよりも傾いた自分の会社立て直すのにエネルギー注げよ。
もうやるだけの事はやったんですよ。
それでもにっちもさっちもいかないから。
だったら1人で強盗やれよ。
そうすりゃお前取った金全部自分の物なんだぞ。
1人でやる勇気がねえんだったらやるなバカ!一緒にやった野郎はなんて奴だ?やっぱり首が回らなくなった社長さんか?いえ…ひと月くらい前に飲み屋で知り合って話してるうちに一緒にやろうって…。
何者だよ?
(伊藤)会社クビになってばくちにハマって奥さんに逃げられたとか…。
ハア…絵に描いたような悲しい話じゃねえか。
涙が出てくるよ本当に。
名前住所かつての勤め先何か聞いてんだろ?…名前は八重樫純。
八重樫純…?
(アナウンス)「おかけになった電話は電波の届かない場所にあるか電源が入っていないためかかりません」
(英語教科書の音読)
(英語教科書の音読)ええ〜?結果出るのそんな先なの?だったら朝から病院行く事ねえのに。
お前が早く行って待ってろと言うから。
はいそうです。
僕が悪いんです。
じゃあねうん。
結果出たらすぐ連絡くださいよ。
ああ。
(平林)ああ〜腹減った!お疲れさまです。
平林。
はい。
お疲れさまです。
メシか?はい。
よしじゃあ行くか。
マジですか?やったあ。
お前彼女いねえだろ?いますよ。
数人ほど。
その中で結婚しようなんて子は?いやそこまでは考えてないですよ。
考えろよ。
あっという間だぞ俺ぐらいになっちゃうの。
成増さんはどうなんですか?奥さんは。
死に別れた。
まあ娘は今アメリカにいんだけどまあ勝手にやってるよ。
めったに帰って来ねえんだ。
じゃあ再婚とかは…?まあ考えないでもないな。
今おやじと2人なんだけど最近調子よくなくてなおやじ。
うちのおやじも検査でがんが見つかったんですよ。
でも手遅れで三月で死にました。
三月か…。
(アナウンサー)「大阪高裁差し戻し審で逆転無罪となった真下勉さんの会見が開かれています」
(真下勉)「平成9年に不当逮捕となってから15年」「私の無実を信じ支援してくれた皆様への感謝の気持ちでいっぱいです。
本当にありがとうございます」
(記者)「真下さん警察ならびに検察の今までの捜査を振り返ってみてどのような考えをお持ちですか?」「えーそうですね…。
偏った捜査方針によって逮捕拘留されいくら叫んでも取り上げてもらえない」「これが人権侵害でなくてなんだというんでしょうか」
(高原純之介)これは確か…。
最初あやちゃんが…。
鶴丸検事!ニュースご覧になりましたか?兄は無罪になりました。
井森さんタクシー捕まえて。
ただいま。
兄は夕方京都に戻って来ます。
故郷に凱旋よ。
鶴丸検事!その時兄に会って頂けますね?会って兄に謝ってくれますね?お会いするつもりはありません。
京都府警の山崎警部補は死んだのよ。
兄を捕まえ鶴丸検事と一緒になって犯人にでっち上げた。
山崎はあの世へ行った。
あんたに山崎の分まで兄に私たちに謝ってもらう!川喜多来ました!失礼します!何よあんた!あんた主婦の勘なんて言って捜査してんでしょう!失礼します失礼します!検事!どうぞ。
ちょっと聞いてんの!
(夏帆)失礼します失礼します!もうどきなさいよ!
(夏帆)すいません失礼します!逃げても逃げても逃がさないわよ!どこまでも追いかけていく!聞かないの?どうするつもりかって。
いえ私は…。
「論評を加える立場にはございません」ね?検事。
ひと言事務官の禁を破って…。
前置きはいい。
捜査検事の仕事は起訴した時点で終了しています。
知ってる。
教科書に書いてある。
教科書は…とても大切です。
やっぱり警察に行きませんか?市民の義務ってあると思うんですよ。
だからゴルフ自粛して食事だけにしたんじゃないの。
あのまま回ってたらえらい恥かいてるわ。
犯人もう捕まってるよ。
日本の警察優秀やさかい。
でも皆さんは犯人を見たわけですし市民として一応通報だけでもね?市民市民ってうるさいわね。
通報して逆恨みされたらどうすんのよ。
犯人の仲間が私らを探し出して…ブスッ!うっ!…ってそれは市民やのうて死人になってるわ!皆さん!
(看護師)35番の成増さん。
35番の成増さーん。
あっはい!35番はい35番。
お待たせしました。
3番の診察室にお入りください。
(チャイム)
(湯川)あの…。
八重樫にご用ですか?ええ。
借金の?えっ?返済は無理ですよ。
自己破産させますから。
あ私八重樫に債務の整理を任されてまして…。
弁護士さん。
申し遅れました。
私…こういうもんです。
八重樫氏何か警察にご厄介かけるような事を?いえ。
私八重樫の古い友人でして…。
行き先に心当たりありませんか?こっちが聞きたいですよ。
今日の午前中にうちの事務所で打ち合わせする約束をすっぽかされましたよ。
どこ行ったんだ…。
(携帯電話の振動音)ああ…何やってんだよおやじ。
おやじ!帰ってんのか?おやじ!おやじ?
(柱時計の音)
(ノック)失礼します。
何かご用でしょうか?うん…用というほどの用ではないんだが…。
あやちゃん。
はい。
真下勉の妹につきまとわれてるとか…。
誰から…?警備から?いや井森事務官だ。
さっきこっちへ顔を出して…。
井森事務官はなんと?高原部長は鶴丸検事とは付き合いが古いようだからしっかり支えてあげてくれと。
(ため息)確かに真下勉の妹は表で待ち伏せ私に罵詈雑言を浴びせました。
真下勉に無罪判決が出て興奮してるんだと思います。
放っておけばいなくなります。
かなり執拗だとか。
いえ問題ありません。
他に用がなければこれで。
あやちゃん。
1人で全部引き受けようと思うな。
そんな事出来るはずがない。
私が起訴した事が全ての始まりですから。
当時の君の上司地検上層部が最終的に起訴に舵を切ったんだ。
私が担当だった事は間違いありませんから。
鶴丸検事意固地になるな。
…お気遣いとても嬉しく思います。
私も私なりに今日一日悩んで答えを見つけようと思います。
井森事務官。
はい。
最近事務官の領分を超えて仕事と無関係な事に口を挟みすぎのような気がしますが。
検事。
お言葉を返すようですが…。
返さなくていい!以後気をつけます。
(チャイム)
(生徒たち)先生さようなら。
(りん)さようなら。
(八重樫みゆき)鶴丸先生!
(りん)どうしたの?
(生徒たち)さようなら〜。
ちょっといいですか?実は先生ねいつも元気で明るいあなたがここんところ様子が変だったからずっと気になってたの。
心配事?話してみて。
先生…父と母が離婚したの知ってますよね?私ずっと父と2人で暮らしてたんですがお父さんが何もかもうまくいかなくなって…。
昨日の夜からうちに帰ってないんですが…。
朝メールが来て…。
見ますか?八重樫さんがよければ。
(八重樫の声)「お父さんはもうダメだ」「人を刺した」「どこへ逃げていいかわからない」「刑務所には行きたくない」「みゆきしあわせになれよ」
(りん)お父さんに連絡は?しました!何度も何度も…。
メールだっていっぱい送ったし…でも…返事来ないんです。
(支援者)真下さんこちらです。
(支援者)ちょっと右上げて…。
オーケーオーケー。
(支援者)皆さん!真下さんが到着されました!ありがとうございました!
(支援者の拍手)
(真下)ありがとうございました!ようやく無罪判決が出ました。
真下勉皆様のご支援のおかげでここまで頑張って来られ…。
(嗚咽)
(女性)おめでとうございます!
(拍手)ありがとうございます…!お兄ちゃんおめでとう!朋子…。
お前にも苦労かけたな…。
(支援者の拍手)池内さんが油を売ってるなんて珍しい。
ああ検事。
主婦の勘ってね…。
別に池内さんに話す事じゃないけど…。
いや聞かせてください。
主婦の勘って別にふざけて言ってるわけじゃないの。
私には特別な能力も知識もないしだからあらゆるものを総動員して真実に近づきたいって思って。
それで主婦の勘なんて事を…。
…だと思ってます。
だけど大抵の人はそうは思わない。
嫌われる仕事だからね…我々の仕事は。
だけど嫌われる事を恐れちゃいけない。
たった今得た結論。
結論が出たなら万々歳ですよ。
そっちは何?悩み事?ええまあ…。
2か月前に昔の友人に会ったんです。
何十年ぶりぐらいかなあ…突然向こうから連絡があって。
お金?ドンピシャです。
そいつ高校の時のサッカー部のキャプテンだったんですよ。
まあどこの高校でもそうなんでしょうけども運動部って大学受験があるから2年の終わりか3年の1学期で大体部を引退するんですよ。
でもそいつは3年の最後までキャプテンやってチームは県のベスト8。
本人は国立大学現役合格。
すごい。
こっちはあっさり浪人ですよ。
(2人の笑い声)だから僕の中ではそいつの事は別格。
一目も二目も置いてたんです。
それなのに久しぶりに会って飲んだらめそめそ泣き出して…。
金の無心始めるんで驚きました。
それでお金貸してあげたの?いいえ。
お前は変わった情けないって罵倒して先に帰りました。
でもずーっと後味が悪くて…。
池内さん。
後悔してる?私もそういう事ある。
よくある。
しょっちゅうよ。
悔いてばかり。
その人とまた会うんでしょ?おそらく。
出来る事は最後まで付き合ってあげる事だと思うな。
罵倒しても取っ組み合いのけんかになっても最後の最後まで付き合ってあげる。
最後の最後まで?…と思うけどなかなかそうはいかないのよね。
体がいくつあっても足りないし。
しょせん完全無欠の人間なんていないんだから。
気にしない。
そう開き直るしかないわ。
(笑い声)私たち嫌われてナンボよ。
そう思わない?開き直りですか。
たとえ10人の人に嫌われてもたった1人わかってくれる人がいる。
それを信じて…。
よし!少し元気出て来た。
僕も少し楽になりました。
おやじ?どうしたんだよ心配したぞ。
え?携帯なくした?ああ病院で落として見つかったよ。
検査結果?良性だった。
百まで生きると医者が太鼓判を…。
ハハハハハ…。
何浮かれてんだよ。
百までなんか生きられるわけ…。
まあとりあえずよかったよ。
安心した。
うん切るよ。
ああ。
(平林)あっ池内さん!どこ行ってたんですか?さっきから若いお客さんがお待ちです。
客?はい。
りんちゃんの生徒さん?八重樫みゆきさんの父親どうも事件を起こして逃げ回ってるみたいで…。
お父さんの名前は?純です。
八重樫純さん…。
お父さんからメール来てるんですが…。
お父さん探してもらえませんか?父を助けてください!わかった。
探してみよう。
お父さんが行きそうな場所とかお父さんが好きな場所とかわかるかな?
(読経)ただいま。
おお!今回いろんな事考えさせられたよ。
この寺の事これから先の事…。
自分のこれからの事とか。
好きなようにすればいい。
わしはお前にはなから期待はしておらん。
おやじ。
ここに女手欲しくないか?そりゃああるならあるに越した事は…。
(笑い声)そうか…。
ここです!お父さん…。
お父さん!
(池内)待て!逃げるな八重樫!逃げてばかりじゃ何も変わらんぞ!お父さん!お父さん…。
八重樫!なんでこんな奴連れて来たんだよ。
お父さんを刑務所に入れたいのか!違う!あの…私みゆきさんの担任の鶴丸といいます。
私が警察に探してもらおうと言いました。
みゆきさんを責めないで…。
八重樫…みゆきさんはお前が行きそうな所を俺に教えてくれたんだ。
ここはその2番目だ。
うちの近くのグラウンドで少年サッカーの練習をいつも飽きずに眺めてたってな。
お前は自分の事で精一杯だったんだろうがみゆきさんはお前を心配していつもお前を見続けてたんだ。
それを忘れるな。
連れてけ!早く!八重樫。
(池内)この前は悪かった。
あの時俺がお前にもっと親身になってやってればって何度も思ったよ。
あれからお前の事いろいろ思い返してたんだ。
どうせろくでもない事ばかりだ…。
実は僕も八重樫と同じサッカー部だったんだ。
高校1年の時ほんの2〜3か月だけど…。
大抜擢されて試合に1試合だけ出た。
その時相手の選手とぶつかって運悪く右足骨折。
それでジ・エンドだ。
俺が誘ったんだ。
部員が少なかったから池内も入れって…。
俺が悪い。
けがまでさせて恨んでるだろ?その反対だ。
けがして入院して朝松葉杖ついてトイレに行こうとしたら廊下にお前がいた。
椅子で眠りこけてた。
試合のあと病院に見舞いに来てくれて他の奴らは帰ったのにお前は1人残って朝までいてくれたんだ。
もう忘れた。
俺は忘れない。
昔話はもういい。
早く連れてけ。
八重樫俺も待ってるぞ。
居眠りしないで待ってるぞ。
(みゆき)私も待ってる!お父さんずっと待ってるから!早く帰ってきてね。
お父さん…。
ごめんな。
(泣き声)
(みゆきの泣き声)なんですか?すぐにどけて!皆さん!レッツゴー!あ…あの…おまわりさん…私たち今朝…。
(3人)血のついたナイフを持った男を見た美人目撃者なんです!
(井森)わかりましたありがとう。
どうでした?事務官。
やはりまだ検事の出てくるのを表で待っているようです。
検事通用口からお帰りください。
どうして?逃げる必要なんてないわ。
(井森)検事。
(井森)終わりましたらうちの店までお越しください。
長い一日の疲れを癒やされては…?ありがとう。
真下さんはもう京都に?兄は検事にお会いするのを首を長くして待っています。
いいわ会うわ。
会いましょう。
(ドアの開く音)
(朋子)こちらですどうぞ。
鶴丸検事お久しぶりです。
こちらこそ…。
朋子。
話してなかったが鶴丸検事は一度拘置所に私を訪ねて来てくださった。
最高裁で差し戻しが決定したあと…。
やっぱり後ろめたくて謝りに…?いや世間話を少ししただけだ。
そうでしたね?どうぞ。
真下さん。
あなたやあなたの妹さん支援者の方々が私に何を期待しているか知りませんが私はあなた方に言い訳も謝罪もするつもりはありません。
捜査は適正に行われた。
我々の判断に誤りはない。
申し上げたかった事は以上です。
失礼します。
ちょっとあんた待ちなさいよ!あんたのせいでお兄ちゃんは…。
(真下)やめなさい!だってこれじゃあ…!鶴丸検事。
あなたに謝られたらどうしようかと思ってた。
あなたに謝られたらどうしようかと思ってた!あなた言いましたよね?「私たちは間違っていなかった」。
間違ってもらっては困る。
間違いを認めてもらったら困る!お兄ちゃん…!真下さん…。
またあなたに会えてよかった。
待ちなさいよ!待て鶴丸!やめなさい!鶴丸さん…あなたご主人いらっしゃるんでしょ?素敵なご主人…かわいいお嬢さんも…。
私はいない。
何もない。
ずっと裁判に振り回されて…。
検事はお前の事も気にかけてくれてた。
拘置所に来た時もお前の事を根掘り葉掘り…。
仲人でもしてくれるっていうの!?父や母の事だって検事は…。
父さんも母さんも死んじゃったのよ!お兄ちゃんの無罪判決を聞かずに…。
もういない!
(泣き声)どうぞ行ってください。
(泣き声)
(ドアの閉まる音)
(支援者)真下勉さんの社会復帰を祝して乾杯!
(支援者たち)乾杯!
(真下)ありがとうございます!
(拍手)拘置所に真下さんを訪ねた事…自分でもどうしてあんな姑息な事をしたんだろうとあとで後悔しました。
あなたの事をお兄さんに訪ねたのも話の継ぎ穂がなかっただけで本当は…。
(朋子)うちの両親のお墓に花を供えたのも姑息なまねだと…?父と母の命日に供えられる一対の花。
私は支援活動や裁判に没頭して両親の命日さえ忘れて…。
思い出してあとで行くとお墓に花が…。
余計な事を…。
いえ。
あなたも私たちと一緒に兄の裁判と並走してたんだってさっきようやく気がつきました。
長い間お疲れさまでした。
お兄様の無罪判決おめでとうございます。
鶴丸検事。
その一言で私の15年が…。
ありがとうございます!
(三味線)来たか?あやちゃん。
はい今電話がありまして「お誘いは嬉しいけどくたびれたからうちに帰る」と。
ほらやっぱり来ないだろ?高原部長のおっしゃったとおりでした。
酒でうさ晴らしなんて彼女には似合わん。
真下勉とはどんな話になったと?いえ何も。
わたくし賭けに負けましたから今板場で鳴門の鯛の刺し身を部長に作らせています。
いいね。
井森君今夜は飲もう!はい。
(咳払い)ん?うん?
(犬の鳴き声)成増…。
人の顔見て隠れるなんて無礼千万!
(ため息)成増さんお酒付き合わない?あっ俺はいいです。
私飲むわよ〜。
鶴丸あやさん。
今日は一日大変ご苦労さまでした。
あーっ美味しい。
愛があれば年の差なんてって言うけど…どう思う?いいんじゃない?素晴らしい事よ。
でも俺はあんたを「お母さん」なんて呼ぶ事になるんだぜ?はあ?なんの話?鶴丸あやさん。
はい?実は俺…りんちゃんを…。
りん?
(りん)ただいま〜。
あっおかえり〜。
あっりんちゃん!あっ成増さんいらっしゃい。
お母さん表で一緒になって…。
え?
(麗子・香織・さやか・たまこ)あやさーん!ゴルフどうだった?それどころやなかったわ〜!おなかすいちゃった…。
おなかすいたよ〜!えっじゃあさ何はともあれ一杯やろうか!じゃあ成増さんちょこちょこっとおつまみか何か…。
成増〜?どこ行った?やっぱり言わなくてよかった…。
そう思うでしょ?紅しょうがある?美味しい!いい味!井森!痛いよ!何すんだよ痛いな!お前な…お前な!なんだよ!鶴丸あやに逆らうんじゃないぞ!バカ!ちょっとぐらいくたびれたぐらいで来ないってどういう事だ?清剛…こうしてお前と2人で飲むのも久しぶりじゃのう。
ハハハ…。
あなたには黙秘権があります。
自分の意思に反して供述する必要はありません。
では始めます。
2014/05/19(月) 15:05〜16:00
ABCテレビ1
京都地検の女8[再][字]
「冤罪の罠に落ちた主婦のカン!!鶴丸あや…最後の危機」
詳細情報
◇番組内容
名取裕子主演▽“主婦の勘”を武器に難事件に立ち向かう女性検事・鶴丸あやの活躍を描く検察ミステリー第8弾!心に響く深い人間ドラマを京都情緒たっぷりにお届けします!
◇出演者
名取裕子、寺島進 ほか
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
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日本語
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