梅雨時のだるさに、食中毒の防止に。梅干しの酸味パワーの効果がスゴかった!


梅干し

今年も梅雨がやってこようとしています。うっとうしい天気にジメジメとした湿気。なんとなく体もだるくてやる気も出ない。

そんな梅雨特有の体調の悪さを一掃してくれるのが梅干しなのです。


梅雨時は体調不良になりやすい

梅雨は「梅」に「雨」と書きます。
語源の説はいろいろありますが、一番有名なのは「梅の実が熟す時に降る雨だから」というもの。
ちなみに中国にも梅雨があり、こちらも同じ字を当てて「メイユー」と発音します。
さて、この梅雨の時期は昔から体調を崩す人が多く、疫病が流行りやすいと言われてきました。
毎年7月に京都で行われている祇園祭も、元々は流行している疫病を鎮めるための祭りでした。
梅雨時に体調を崩しやすい原因のひとつが高い湿度です。
湿度が70%を超えると自律神経のバランスが崩れて、副交感神経が優位になりやすくなります。
その結果、食欲不振になったり無気力になりやすくなるのですね。
また、この梅雨はカビが発生しやすく、食べ物が腐りやすい時期でもあります。
目に見えないところに生えたカビを吸い込んだり、痛み始めた食べ物を食べるのも、体にとっては非常に良くありません。

梅干しの酸味が食欲不振を吹き飛ばす

梅干しを食べると思わず口をすぼめるほど酸っぱいですよね。
この酸味の正体は「クエン酸」。
スポーツドリンクの酸味もこれで付けられています。
このクエン酸は疲れの原因である筋肉や血液の中の「乳酸」を分解したり、制御する効果があるのです。
つまり、疲れている時に食べるといち早く元気になれるわけですね。
また、内臓の動きを活発にしてくれる働きもありますから、食欲不振を解消してもくれるのです。

食中毒防止の効果も

お弁当を作る時、ご飯の真ん中に梅干しを乗せることが良くあります。
これは見栄えだけではなく、クエン酸の防腐効果を利用するためでもあるのです。
炊いたご飯の約60%が水分。
保存状態が悪いと、とても腐りやすい食品なのです。
また、クエン酸にはは青魚の生臭みを消す効果もあり、サバやイワシなどを煮るときに梅干しを生姜一緒に入れて煮ると、臭みがなくなる上に腐りにくい煮物が出来上がります。

選ぶなら昔ながらの梅干しを

さて、このように梅雨時にだるくなった体には非常にうれしい効果のある梅干し。
ぜひ積極的に摂りたいものです。
しかし、スーパーの棚にはたくさんの種類の梅干しが並んでいて、どれを買ったらよいか迷ってしまう人もいるでしょう。
梅干しには白梅干しと味付け梅干しの2種類があります。
白梅干しとは粗塩のみで付けた梅干しのこと。
昔ながらのしょっぱく酸っぱい梅干しです。
これに赤紫蘇を加えたのがもっともポピュラーな赤紫蘇梅干しです。
白梅干しを塩抜きをして、鰹節や昆布、はちみつなどで味付けしたものが味付け梅干しです。
白梅干しの塩分が18%~25%くらいなのに対し、味付け梅干しの塩分は8%前後。
酸味も少なく旨みが強い梅干しなので、最近ではこちらのほうが梅干しの主流になってきています。
しかし、梅雨時の健康維持には昔ながらの白梅干し、赤紫蘇梅干しが一番。
塩抜きをすれば同時にクエン酸も抜けてしまいますし、強い塩分にはより防腐効果が期待できます。
血圧が気になる、という人は一日に半分だけ食べるなど量を工夫しましょう。

いかがでしたでしょうか。
ちょっと地味な存在ながら様々な場面で重宝される梅干しは、梅雨時の健康維持の強い味方だったのですね。
「梅雨時は毎年体調を崩しがち」という方はぜひ積極的に梅干しを食べてこの時期を乗り切りましょう。