鼻毛が出てる人に鼻毛の手入れをさせるには無関係を装って鼻毛の話をするのがいいっていうあれ
たとえば仕事中に、なぜか急になんの脈絡も無く他の人たちが鼻毛の手入れの話を始めたとするじゃん。「ぼくはトイレいくたびに鏡で鼻毛のチェックしてます」とか言ってたとするじゃん。そしたら普段は鼻毛なんて気にしていなくても次にトイレに行ったとき、手を洗ったあとに鏡で鼻毛チェックするじゃん?
自分の鼻毛、出てるじゃん。恥ずかしいじゃん? 自分だって馬鹿じゃないから気付くじゃん?
「ああ、だから鼻毛の話してたのかあ」
このとき、鼻毛の話してた人に対してどういう感情を抱くかっていうのは、自分のパーソナリティとか心的な状態とか状況とか予定とか相手との関係性とか相手の話し方とかに依存するわけじゃん?
「今日デートだったからその前に気付いてよかった。ありがたし」
「あいつ、いやみったらしく鼻毛の話してたけど、自分のこと馬鹿にしてたのか、むかつく!」
「なんで直接言ってくれないんだろう。もしかして実は嫌われてるのかな」
でも、じゃあここであえて空気を読まずに鼻毛を直さずに自席に戻ったとするじゃん?
みるみるうちに鼻毛の話をしてた人たちに落胆の色が広がるのを目の当たりにすることになるじゃん?
「あいつは気付かない」
「あいつは空気が読めない」
「あいつはあほの子」
あほの子なのは事実だからよいとしても、「空気が読めない」というレッテルを貼られると今後のコミュニケーションが少し阻害されるじゃん? 仕事に差し支えるかもしれないじゃん?
だから、ここは空気を読んで個室にこもってスマホで自分の中でも嫌いなパーツである鼻を凝視しながら鼻毛抜くしかないじゃん? そうすると鼻の脂とかも気になってもう困るじゃん? でもそれは不屈の精神で見てみぬふりするしか無いじゃん、だって脂とり紙はデスクに置いてきちゃったじゃん…。
そして何食わぬ顔で自席に戻り*1、周りに安堵の表情が広がるのを見届けることでやっと安心できるじゃん。
エレベーターで知らない人にゲーム好きのこと馬鹿にされたって何とも思わないけどっていうあれ
エレベーターに乗ってたら全然知らない人たちがゲーム好きの大人のこと馬鹿にしてゲラゲラ下品に鼻の穴広げて鼻毛見せながら笑ってたとするじゃん。あ、鼻毛はもう関係無かったじゃん。えーと、まあ、笑ってたとするじゃん。
わたしゲーム好きだけどそれ別になんとも思わないじゃん。だって全然知らない人たちじゃん? その人たちわたしがゲーム好きって知らないわけじゃん? だからそこには読むべき空気とか察するべき雰囲気とか存在しないわけじゃん? 無い物を想像したって仕方ないじゃん。
でもさ、エレベーターでちょっと離れた位置にわたしがゲーム好きなの知ってる人がいたとして、その人たちがわたしに会釈した後になぜかゲーム好きの大人のことを馬鹿にしてニタニタ笑ってたとするじゃん。あ、鼻毛は見えてても見えてなくてもいいんだけど、まあそういう場面に遭遇したとするじゃん。
それだと途端にわたしへの悪口になるじゃん? しかも聞こえるように言うなんてめちゃくちゃ質悪いっていうか明らかに傷つける気持ちしか感じられないじゃん?
だから知り合いだったら、たとえゲーム好きの大人のことを憎んでいても、ゲーム好きの大人のことを馬鹿にしていることがわたしには伝わらないように普通はしてくれるじゃん? それって空気とか以前の思いやりの問題じゃん。
あるいはさ、完全に知らない人だったとしたってさ、エレベーターでデブのこと馬鹿にする話とかされたとするじゃん?
まあわたし別にデブじゃないと思うんだけどさ、でも一応乙女だから体重とかはそこそこ気にしてるわけじゃん?
だから唐突にエレベーターでデブのこと話されたら、「あれ、もしかしてわたしってやっぱりデブなのかな」とか思ってしまうじゃん? だって気にしてるから気にしちゃうじゃん!
デブに聞こえるところでデブの悪口言わないで!って思うじゃん? それも、空気とか以前のマナーの問題じゃん。
「空気読め」と「自意識過剰」の狭間で苦しい、世の中は
で、なんでこんな話するかっつーと、自分が自意識過剰だからじゃん?
すぐ人目を気にしたり、人に何か誤解されたかもしれないことがあるとウジウジするからじゃん? 馬鹿じゃん? 時間の無駄じゃん?
でもやめられないじゃん? だって自意識過剰じゃん?
空気読んだ方がいいのか、それともこれはエレベーターの会話と同じに考えればいいのかとかもうさっぱりわからなくて苦しいじゃん?
だって自意識過剰じゃん?
で、自意識過剰の常として、他人が気になって自分がどうしたいか、自分がどうするのがいいのか分からなくなってくるときとかあるじゃん?
でも!
そんなときに「じゃあ自意識ってなんなの」とか「自意識過剰って言う方がどうなの?」とか考えてもしかたないわけよ、だって現象としていわゆるかぎかっこつきの「自意識過剰」なのは事実なんだから、受け入れて生きていくしかないじゃん?
…だからマンガ、紹介したいと思う(とても冷静で無脈絡)。
青空エール(河原和音)
- 作者: 河原和音
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2010/02/25
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甲子園で応援するトランペットに憧れて初心者で強豪校の吹奏楽部に入部した主人公がうじうじぐずぐずぐ悩みながら前向きに成長していく物語。特別ものすげえ面白い箇所があるわけでもなく、無駄に前向きなので、ときどきいらっとすることもあるのだけれど、主人公がうじうじぐずぐずしているときに、同じパートの水島くんが発する言葉がなかなか鋭く刺さるので頻繁に読み返す。
とくに4巻の次の台詞は大事に心にしまって、ときおり取り出しては愛でている。全自意識過剰の民に捧げたい。
でも もう告っちゃったんでしょ?
それに相手がどう思うかなんて 結局想像でしかないんだから
そんなこと ここで議論しても意味なくない?
結局自分がどーしたいかじゃん?
それは自分で決めれる事なんだから
自分で決めれるのは 自分の気持ちと行動だけでしょ?
そう。どれだけありもしない相手の気持ちを勝手に想像しても、物怖じして進めなくなるだけだ。相手がどうであっても存在する、自分の気持ちを確かめて、行動を決めよう。まずはそれからだ。
カズン(いくえみ綾)
- 作者: いくえみ綾
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2007/05/23
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高卒後フリーターのぽっちゃりでお化粧したことないボンちゃんが、バイトして友達やら好きな人やらができてダイエットしたりお化粧したり可愛くなっていって前向きになっていって、途中で挫折もあって、めっちゃくちゃかわいい話。ダイエットしたいときに読むとモチベーション上がっていい。
高校時代地味だったのに彼氏ができて垢抜けた女の子りっちが、まっすぐみんなに好かれるボンちゃんにいやなこと言ってきて腹立たしい場面もあるのだが、そいつがすごくいい味をだしている。とくに、嫌なことがあってせっかくダイエットに成功したのに暴飲暴食してリバウンドしてしまったボンちゃんが「吐こうと思ったけど吐けなかったからまた太ってぶさいくになってしまった」とこぼしたときに、その嫌なりっちが言う台詞がとてもよい。
自分のやったことがありもしない結果を生み出すんじゃないかってビクビクして物怖じしてしまう、全自意識過剰の民に捧げたい。
吐くよりいいって
食ったら太る!
これ自然!
そう。自分がやったことというのは、自分に戻ってきていることなのだ。それ以上でも以下でもないのだ。それを忘れずにいよう。
ラウンダバウト(渡辺ペコ)
- 作者: 渡辺ペコ
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2008/12/19
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中学2年生のちょっとマイペースな真(女の子)の話。恋の話や人の生き死にの話なんかもあるけれど、ゆるく読めるため気に入っている。
作品の中で、真に恋心を寄せる男の子黒柳が出てくるのだが、この二人の関係がやきもきして楽しい。
3巻で黒柳が遠方に引越してしまう前日、友達のはからいで真と二人で話をするシーンがある。このシーンがとても好きだ。
自分のやっていることがOKなのかOKじゃないのか気になって夜も眠れない、全自意識過剰の民に捧げたい。
黒柳「大丈夫だよ 俺は」
真「うん 黒柳が大丈夫なのは 知ってるよ」
黒柳「ありがとう」
自分が大丈夫と知っててくれる人がいるのは良いものだ。きっと誰にも周りに一人や二人はいるはずだ、「大丈夫」と知っててくれる人。
心配しなくても、わたしは大丈夫だ。そういう言い聞かせて、前に進もう。
海街diary(吉田秋生)
- 作者: 吉田秋生
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2010/02/10
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病気で両親を失くした主人公すず(中1からはじまって今中3)が、異母姉妹に引き取られて鎌倉で暮らし、さまざまな人やものごとに触れて、すずだけではなく周りの大人も成長していく話。
この話の中に、サッカーの天才少年だったが小児がんで足を失くした男の子裕也が出てくる。裕也は義足でピッチに復帰するが、もちろん前のようなプレイはできない。その様子にみんなが落胆する中で、ひとりキャプテンの風太だけが、裕也が右足に見切りをつけて左足の練習をしていただろうということに気付き「あいつはやっぱりすごい」とすずに伝える。で、すずがそのことを聞いて、感じたことを、姉に話すシーンがあり、とても好きでよく読み返している。
自分のやったことの結果がみんなにとってもう取り返しのつかないことに繋がったんじゃないかと絶望してしまってゲロを吐きそうになっている、全自意識過剰の民に捧げたい。
なんか
いくら努力しても どうにもならないことって やっぱりあるけど
だからって別に 終わりじゃないんだなって
やったことは取り返しがつかないかもしれない。でもだからって別に、全部が終ってしまうようなことなんて、ほとんどないのだ。今からできることを、一生懸命やろう。
ハイスコアガール(押切蓮介)
ハイスコアガール (5) (ビッグガンガンコミックススーパー)
- 作者: 押切蓮介
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2013/12/25
- メディア: コミック
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ゲーム好きの少年ハルオとお嬢様ゲーマー大野、一途ゲーマー日高のゲーマーズラブコメ。
ゲーセン狂のハルオは小学校のときたまたまゲーセンで遭遇した同じ学校の大野にストリートファイター2で負け、それ以来いろいろすったもんだはあるが一緒にゲームをやって心を通わせていく。しかし、お嬢様大野は家の方針でゲームを禁じられており日々厳しい教育を受けてる。こっそり抜け出してはゲームセンターへ通っていたが、ことを問題視した教育係によって二人の仲は決定的に引き裂かれてしまうこととなった。
しかしそのできごとのあと、ハルオが吹っ切れたようにゲームや手伝いに勤しむハルオを見たお母さん(いい味)とのやりとりが素敵で何度も読み返している。
周りの人と比較して、自分がどういう風に評価されてるかとかが気になって、気になって、気になって、自分を見てくれてる人、安心出来る人がいないと思い切って前に進めない、そんな全自意識過剰の民に捧げたい。
アイツが一生懸命やるなら俺もいろいろ一生懸命にならねーと
勉強もバイトも 家の事とか 趣味も
確かにこの前は「これが最後かもな」って思ったよ
でも今まで何度も疎遠になったけど
いつの間にか 筐体の前に二人して座ってんだまた顔を合わす機会があったらよ
「こんなゲームが出たぞー!!」って
アイツと感動してーんだよな
それが俺にとって 何よりの楽しみなんだから
前向きに生きたって いいだろ?
そうだ。見ててくれる人が今はそばにいなくても、またいつか会えるようなときに、胸はって話せるように、一生懸命生きていこう。そうしよう。
というわけで普段はエアリプをしないし気付かないことに決めてるのですが
昨日思い立って全方位に向かって行ったエアリプをここでも貼付けておきたいと思います。
自 意 識 過 剰 だ ね
— mah(まー)@自意識過剰 (@mah_1225) 2014, 5月 18
ゆるく生きていきたいものですね。
*1:リアルわたしなら「もーーー鼻毛でてたじゃーん。言ってよーーめっちゃはずかしいじゃんー」って笑いながら席に戻ると思われます。