◇夏場所<8日目>
白鵬(29)=宮城野=が嘉風を落ち着いて退け、8連勝で単独トップを守った。全勝での折り返しは、自身の記録を更新する8場所連続(15日制)。遠藤(23)=追手風=は稀勢の里に敗れ3連敗で4敗目を喫した。日馬富士は新小結千代鳳を退け、鶴竜は注文相撲で宝富士を下し、いずれも6勝目。琴奨菊は元気なく4敗目を喫した。
嘉風を押し出して初日から白星を8つ並べた白鵬。8場所連続のストレート勝ち越しは、2011年初場所から12年春場所までの7場所連続を抜き、自身が持つ史上1位の記録を更新した。
「一つ一つ積み重ねた結果。達成していくことが一つのモチベーションになる」
白鵬の8日目勝ち越しは、もはや当たり前の風景となっている。だが3横綱となった今場所、日馬富士と鶴竜はすでに2敗。鶴竜は平幕の宝富士に立ち合いで変化してまで勝ちにいった。そう考えれば、さすがと言うべきだろう。
「横綱でも勝ち越しはひと安心。長年、肉体的精神的に鍛えないとできない」と自負する。
8時30分に今場所3度目の満員札止めとなった館内。遠藤人気もあるだろうが、白鵬はそう思っていない。
「横綱が強いと日本経済がよくなると、聞いています。3横綱が誕生したから、景気がいいはずですよね」。場所の主役は遠藤ではなく横綱。それも自分だと言わんばかりだ。
若手に向けて「大きな壁(白鵬)というか金の扉を開けるというか、それを開けた者が上に上がる」とメッセージを送った白鵬。だが、それに続けて「いい壁になっている」。まだまだ立ちはだかっていく。 (岸本隆)
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