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      美味しんぼで県内反応

      美味しんぼで県内反応

      東京電力福島第一原発の事故による健康影響の描写が議論を呼んだ漫画「美味しんぼ」を連載する雑誌の最新号が、19日発売されました。
      最新号では、「福島の人たちに、危ないところから逃げる勇気を持ってほしい」、「福島の未来は日本の未来だ。これからの日本を考えるのに、まず福島が前提になる」などと登場人物が語る場面が描かれ、自主避難者への支援の大切さを訴えています。
      「美味しんぼ」は、小学館の雑誌、「週刊ビッグコミックスピリッツ」に連載されている人気漫画です。
      先月28日の連載で主人公が福島第一原発を取材したあとで鼻血を出す場面などが描かれ、福島県などが「風評被害を助長する」などと批判していました。
      最新号では、登場人物が会話の中で「福島の人たちに、危ないところから逃げる勇気を持ってほしい」、「福島の未来は日本の未来だ。
      これからの日本を考えるのに、まず福島が前提になる」などと語る場面が描かれ、自主避難者への支援の大切さを訴えています。
      また、漫画のあとに自治体からの批判や、有識者13人の賛否両論を載せた特集記事が10ページにわたって組まれ、最後に「編集部の見解」が掲載されています。
      この中で編集部は「一連の内容に多くのご批判とご抗議を頂戴しました。多くの方々が不快な思いをされたことについて、編集長として責任を痛感しております」と述べた上で、
      「残留放射性物質や低線量被ばくの影響について改めて問題提起したいという思いもあった」とし「批判を真摯に受け止め表現のあり方について今一度見直す」としています。そのうえで「様々なご意見が、私たちの未来を見定めるための穏当な議論へつながる一助となることを切に願います」と締めくくっています。
      漫画「美味しんぼ」について福島県内では、「県民の心が傷つけられた」などと批判的な意見がある一方で、「放射能の影響が事実なら心配だ」といった不安の声も多く聞かれました。
      福島市に住む46歳の会社員の男性は「自分の周りで鼻血がでたという話は聞いたことが無いし、根も葉もないことではないかと思う」と話していました。
      中島村の64歳の女性は「今回の記事で県民の心は傷つけられたと思います。放射線量が下がってきて食品もいろんな検査を通して落ち着いて生活できるようになってきたのに、3年目にして不安に追い打ちをかけられた気持ちです」と、不満の声をあげていました。
      郡山市に住む25歳の会社員の女性は「取材もふまえて福島県にゆかりのある人の意見も載せられているので、地元の意見も反映させてくれたのかなと思います」と一定の理解を示しながらも、「なぜ、今なのかと思うし、毎日福島で私たちが過ごしていることを否定された気持ちです」と、複雑な感情をのぞかせていました。
      相馬市に住む59歳の会社員の男性は「鼻血の問題など放射能の影響が事実なら心配だ。ただ事実かどうかわからないし、福島のことを知らない人が見たら福島は危険なのだと思われてしまうだろう。
      デリケートな問題なので伝え方に配慮してほしかった」と話していました。
      また、いわき市の仮設住宅で避難生活を続ける双葉町の50代の女性は「漫画が出たあと、知人から鼻血が出てないかと笑いながら言われたのがショックでした。漫画で見たぞと言われて、良い気持ちではないです。双葉町に帰れない中で、良い迷惑です。漫画を書いた人に対しては怒りでいっぱいです」と話していました。
      漫画は読んでいないという70代の男性は「鼻血が出たことはないので全く関心はない。一部の人がそう言っているだけでここの仮設住宅でも鼻血が出たという話を聞いたことはない。私たちは普通に暮らしている。福島では住むことができないとも書かれていたが、そんなこと思ってもいない」と話していました。
      また、別の70代の男性は「漫画には関心がないので読んでいないが、県内外の子どもたちが面白おかしく読むことでどう感じるのか不安がある。放射能への影響についてはさまざまな考え方があって慎重な意見が必要だと思う。難しい問題なので漫画で表現できる問題ではないと思う」と話していました。

      05月19日 13時21分