日本―ヨルダン 前半、先制のヘディングシュートを決める吉良=ビンズオンで(共同)
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◇サッカー女子アジア・カップ 日本7−0ヨルダン
【ホーチミン禰宜田功】なでしこジャパン、7大会連続W杯出場! サッカーの女子ワールドカップ(W杯)予選を兼ねた女子アジア・カップ第5日は18日、ベトナムのホーチミン近郊のビンズオン省などで1次リーグA組最終戦が行われ、日本代表はヨルダンに7−0で大勝し、準決勝進出と来年の女子W杯(カナダ)出場を決めた。日本は浦和FW吉良知夏(22)が左クロスを頭で合わせて先制するなど2ゴール。中島、阪口も2得点を決め、20歳の猶本、23歳の小原ら若手が躍動した。
「なでしこジャパン」が貫禄のゴールラッシュで圧勝し、ベスト4入り。アジア5カ国に与えられる来年のW杯切符を獲得した。
引き分け以上で4強進出が決まるという状況で迎えたヨルダンとの1次リーグ最終戦。大幅にメンバーを入れ替え、若手をめいっぱい起用した。先制点を奪ったのは前半25分だ。
左DF宇津木から絶妙クロス。これを代表3戦目のFW吉良がGKの頭上を越す巧みなヘッドで沈めた。代表初得点にも歓喜はなく、ホッとした表情を見せた吉良。チームメートの祝福を受けても、その様子は変わらなかった。
吉良は08年のU−17女子W杯に出場し、1次リーグのフランス戦でハットトリックを達成した経歴を持つ。爆発力を秘める22歳は終了間際に自身2点目。初戦のオーストラリア戦では振るわなかったが、リベンジを果たした。試合後には「初戦は何もできなくて悔しかった。きょうは積極的に行こうと思っていたが、前半のうちに点が取れて良かった」と笑顔を見せた。
「なでしこジャパン」は底上げが急務とされるが、1次リーグ3戦で全登録選手25人を起用した。アピールに張り切るフレッシュな顔触れを中心に、この日は大量得点が生み出された。意義ある戦いの末に勝ち得た、7大会連続7度目のW杯出場権。世界女王が連覇に向け、力強く第一歩を踏み出した。
◆まずアジア女王 佐々木監督が喝
W杯連覇への最低条件をクリアしても、まだやり残したことがある。アジア女王の座に就くことだ。佐々木則夫監督は「まずはW杯出場権を獲得したということに尽きる。これから決勝トーナメントで、(優勝)カップを狙うことになるが、中国、韓国は非常にいいコンディションなので、気を引き締めて臨みたい」と話した。
この日は第2戦から先発全員を入れ替えた。さらに、ボランチの猶本を後半から左サイドバックに、澤を投入した後半27分からはボランチの阪口をセンターバックへとポジション変更。次々と得点を重ねていく中で、あらゆる可能性を試した。
「相手がどういう状況でも最後まで全員で攻守にわたって戦ってくれた」と指揮官。W杯連覇の前に、手にしたことがないアジアの覇権を、チーム一丸で奪いにいく。
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