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北朝鮮、手抜きマンション崩壊異例の公表 警察トップが謝罪

2014年5月19日6時0分  スポーツ報知

 北朝鮮の国営メディア・朝鮮中央通信は18日、首都・平壌市内の住宅建設現場で13日に手抜き工事により「重大な事故が発生し、人命被害が出た」と報じ、担当幹部が遺族らに謝罪したことを伝えた。韓国の聯合ニュースによると、入居が始まっていた23階建ての集合住宅が崩壊し、多数の死者が出たもよう。北朝鮮メディアが国内での事故を報じたのは極めて異例。韓国の旅客船沈没事故を受け、北朝鮮の安全重視をアピールする狙いがあるようだ。

 北朝鮮の各部門の責任幹部たちが、事故現場で遺族や地域住民らに謝罪した。警察トップの崔富一・人民保安部長は「責任は朝鮮労働党の人民愛の政治をよく支えられなかった自分にある」と反省。工事を担った朝鮮人民内務軍の関係者は「工事で手抜きをし、重大な事故を発生させた」と語った。

 事故が起きたのは、平壌の中心地。市内を流れる大同江の左岸の平川区域で、芸術創作センターなどの文教施設が並んでいる。聯合ニュースによると、北朝鮮では完成前に入居が始まることが多く、この建物には、すでに92世帯が入居済みだったと推定されている。当局は被害者数を公表していないが、死者は数百人にのぼる恐れもある。

 朝鮮中央通信は、建設にかかわった幹部の無責任を指摘しつつも、「事故が発生した即時、国家的な非常対策機構が発動して生存者を救出し、負傷者を治療し、事故現場を整理するため、緊張した作業が行われた」と強調している。

 同通信によると、金正恩第1書記は事故の一報を聞いた夜、「胸を痛めて夜を明かし、党、国家、軍隊の責任幹部が万事をさしおいて事故現場へ出向き、救助作業を指揮するようにしたばかりか、被害を一日も早く癒やすように具体的な教えを与えた」という。

 北朝鮮は、韓国のセウォル号沈没事故後は「『朴槿恵難破船』が沈み始めた」などと一貫して韓国政府の対応の不手際を批判しており、指導部が国民の安全を重視していることを強調する意図があるとの見方も出ている。

 北朝鮮が国内の事故を報じたのは極めて異例。2004年4月に北朝鮮で161人が死亡したとされる大惨事となった「龍川駅列車爆発事故」では、韓国メディアの報道を受けて、その翌日に公表している。

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