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川内 はさみ職人 帽子をチョキチョキ

後頭部部分が切り取られている川内のカスタム帽子。自作した超軽量帽子の説明をする
後頭部部分が切り取られている川内のカスタム帽子。自作した超軽量帽子の説明をする

<陸上:第4回高橋尚子杯ぎふ清流ハーフマラソン>◇18日◇岐阜メモリアルセンター長良川競技場発着◇ハーフマラソン(21・0975キロ)、3キロの部

 公務員ランナーが「はさみ職人」として活路を見いだす!? 今秋のアジア大会(韓国・仁川)男子マラソン代表の川内優輝(27=埼玉県庁)が18日、高橋尚子杯ぎふ清流ハーフマラソンに出場。1時間3分48秒で日本人2番手の11位だったが、苦手の暑さ対策に用意したオリジナル帽子の感触に手応えをつかんだ。

 目標の1桁順位はアフリカ勢に阻まれた。日本人トップの座も、ラスト600メートルで抜かれた中尾に2秒差で譲った。ただ会見場に現れた川内は、至って上機嫌だった。

 川内 タイム的には当初目標の63分台。かなり暑い状況でも冷静に給水も取れたし、10キロ過ぎからは1人でレースを引っ張った。アジア大会でライバルになるバトオチル選手にも勝ち、暑さ克服に向けていいレースになったと思います。

 会見場に持ち込んだ必勝アイテムのオリジナル帽子を満足そうに見つめた。

 昨年8月の世界選手権。レースを前にモスクワの宿舎で、川内は奇っ怪な行動に出る。トレーナーにはさみを借りて、特注で軽量化された帽子を、さらに切り刻んだ。「重そうな部分は商標表示を含め1人でチョキチョキしました。『川内君、変なの作ってるね』と言われながらチョキチョキチョキチョキしてました」と振り返る。

 軽量化と通気性を重視した帽子が30分ほどで完成。世界選手権は14位に終わったが、暑さ自体はさほど感じなかったという。

 「いよいよかぶろうか」と満を持してモスクワ以来の着用。「軽すぎて途中で脱げそうになった」のは改良の余地ありだが、体感気温は30度近くあったレースで効果を発揮した。フル、ハーフ2本と続いたヤマ場の3連戦で全てタイムは目標達成。「川内は口だけでウソつき、とネットで出回ったけど何とか有言実行ですね」と胸を張る。アジア大会V逸なら、来年の北京世界選手権代表選考会は「絶対に出ない」と退路を断つ川内。「はさみ職人」と化して、窮地を乗り越える。【渡辺佳彦】

 [2014年5月19日9時49分 紙面から]

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