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「俺たちの遊び心は本気だ!」そんな製作陣の心意気がヒシヒシと伝わってくる、ピクサーの世界。ストーリーの面白さと共に、妥協なく作られたその美しい作品群は、多くの人を惹きつけてやまない。しかしそれも、舞台裏の奮闘があってこそだ。

また、彼らのサプライズ好きは有名で、作中には「一体誰が気付くんだ!?」というような、驚きがいたる所にちりばめられている。ということで、海外サイトに掲載された『知られざるピクサーのトリビア61選』を紹介したい。隠された「暗号」や、製作裏の事実を知れば、ピクサー作品を鑑賞する楽しみが倍増すること間違いなしだ。

その1 : ピクサーは、1979年にルーカスフィルムのコンピューター・アニメーション部門として設立されたのが始まり。
その2 : スティーブ・ジョブズが、1986年にこの部門を買収し「ピクサー」と名付けた。
その3 : ピクサーがディズニーによって買収されたのが2006年。同時にジョブズはディズニーの筆頭株主となった。
その4 : 現在のピクサーのロゴに登場するランプは、1986年の短編アニメーション『ルクソー Jr.』の主人公ルクソーJr. 。
その5 : 『ルクソー Jr.』は、アカデミー短編アニメーション賞にノミネートされた初のCG作品。
その6 : ピクサーは、トロピカーナやリステリンなど、企業のテレビコマーシャルの制作も行っていた。また、『トイ・ストーリー3』のロッツォ・ハグベアの偽コマーシャルも制作した。
その7 : ディズニーとピクサーは、1991年に3つの映画の製作を契約。その最初の映画は『トイ・ストーリー』。
その8 : ディズニーが主人公ウッディを嫌みな性格だと感じたことで、『トイ・ストーリー』の製作は中止になりかけた。
その9 : 製作中止を避けようと、『トイ・ストーリー』の監督ジョン・ラセターとスタッフは、すぐにウッディの性格を変更した。
その10 : ウッディの顔には、 “お化けのキャスパー” がちょっとだけモデルになっている。ラセター監督は、子供の頃にキャスパーの人形を持っていたという。
その11 : バズ・ライトイヤーの顔は、ちょっとだけラセター監督がモデルとなっている。
その12 : ウッディの声を担当した俳優トム・ハンクスは、子供の頃、誰も見ていない所では、おもちゃが生きて動いていると想像していたそうで、『トイ・ストーリー』の仕事を楽しみにしていたという。
その13 : おもちゃメーカー「マテル社」が、『トイ・ストーリー』へのバービー人形の出演を断ったため、羊飼いのボー・ピープが誕生した。
その14 : 『アベンジャーズ』を監督したジョス・ウィードンは、『トイ・ストーリー』の脚本に携わっており、レックスの生みの親でもある。
その15 : 『トイ・ストーリー』に決まるまで、次のようなタイトルが提案されていた:『The New Toy』、『The Cowboy & The Spaceman』、『The Favorite』、『Toyz in the Hood』
その16 : ピザ・プラネットのトラックは、ほぼ全てのピクサー映画に登場する。
その17 : 『バグズ・ライフ』、『モンスターズ・インク』、『ファインディング・ニモ』、『ウォーリー』は、ピクサー主要製作陣が集まった、たった1回のランチミーディングで誕生した。
その18 : ランチミーディングが行われたのは食堂「Hidden City Cafe」。『モンスターズ・インク』には、同じ名前のカフェが登場する。
その19 : 『バグズ・ライフ』には、黒澤明の『七人の侍』が意識されているという。
その20 : 『バグズ・ライフ』の様に、アリを主役にしたアニメーション映画は、1988年にも企画されていた。ディズニーの『Army Ants』というタイトル。
その21 : ピクサーの『バグズ・ライフ』と、ドリームワークスの『アンツ』の公開時期が重なったのは単なる偶然ではない。背景に、ディズニーとドリームワークスの確執があった。
その22 : ピクサーの全ての長編映画に登場する「A113」。これはジョン・ラセターやブラッド・バードなどが在籍していた「カリフォルニア芸術大学」の教室番号。
その23 : 「A113」は、他のディズニー作品や、『ザ・シンプソンズ』などのTVシリーズにも度々登場する。
その24 : 当初『トイ・ストーリー2』は、ビデオだけでのリリースが予定されていたが、企画段階のクオリティの高さにディズニーが感銘を受けたことで、映画として製作されることになった。
その25 : 『トイ・ストーリー2』のプロットが気に入らなかったラセター監督は、チームと共に数日で、プロットを全て書き換えた。
その26 : 『トイ・ストーリー2』は、デジタルで制作、編集、上映された初の作品。
その27 : 『トイ・ストーリー2』は、第1作よりも高い興行成績を収めた、初のアニメーション作品。
その28 : 『トイ・ストーリー2』は、一度、データが完全に消えてしまったことがあったという。運良くバックアップが残っており、事なきを得た。
その29 : 俳優ビリー・クリスタルは、バズ・ライトイヤーの声優を断ったことを後悔していたので、『モンスターズ・インク』のマイクの声のオファーが来たときには喜んで受けたという。
その30 : 『モンスターズ・インク』のサリーの毛は、232万413本。
その31 : 『モンスターズ・インク』のブーの声を担当した2歳のメアリー・ギブスは、収録中じっとしていなかった。そのため、スタッフが動き回るメアリーを追いかけながら、彼女の声を収録した。
その32 : 『モンスターズ・インク』の最後の方で、ブーがサリーに差し出すおもちゃは、『ファインディング・ニモ』のニモ。
その33 : 短編アニメ『マイクとサリーの新車でGO!』は、ピクサーで初めて、長編作品のキャラクターが登場した短編作品。
その34 : ピクサーには、「Lucky 7 Lounge」という名の秘密の酒場があり、本棚の裏にある。
その35 : 当初、『ファインディング・ニモ』のマーリンは、俳優ウィリアム・H・メイシーが声を担当していた。しかし全シーンの収録終了後、出来上がりに違和感を覚えたプロデューサーは、マーリン役をアルバート・ブルックスに交代させた。
その36 : 『ファインディング・ニモ』に登場するホホジロザメのブルースの名前は、スピルバーグの映画『ジョーズ』に登場した「機械仕掛けのサメ」から取られたもの。
その37 : 『ファインディング・ニモ』では、歯科医院の壁に飾られている資格免許書まで、詳細に作り込まれている。
その38 : 『ファインディング・ニモ』は、世界一DVDが売れた作品。世界で4000万枚以上売り上げられている。
その39 : 『Mr. インクレディブル』の原題『The Incredibles』は、『The Invincibles』(無敵という意味)になる予定だった。
その40 : 『Mr. インクレディブル』の監督ブラッド・バードは、ラジオ番組出演したサラ・ヴォーウェルの声を聞き、ヴァイオレット・パーの声優に起用した。
その41 : 『Mr. インクレディブル』では、シーンに臨場感を出すために、ダッシュ役の俳優スペンサー・フォックスがスタジオ中を走り回り、息が切れた状態で収録を行ったこともあった。
その42 : 『Mr. インクレディブル』は、PG指定を受けた初のピクサー作品。
その43 : 『カーズ』は、ピクサーに一番利益をもたらした作品。グッズ販売だけでも100億ドル(約1兆円)の利益となった。
その44 : 『カーズ』のドック・ハドソンの声優を務めたポール・ニューマンは、実際にレーサーとしても活躍していた。
その45 : 『レミーのおいしいレストラン』のレミーの毛は、115万70本。
その46 : 『レミーのおいしいレストラン』のタイアップ商品としてワインの発売が予定されていたが、未成年飲酒の助長につながるとして中止された。
その47 : 『ウォーリー』の主人公 ”WALL-E” の名前は、 “Waste Allocation Load Lifter : Earth-Class” (ゴミ配置積載運搬機地球型)の頭文字をつなげたもの。
その48 : 『ウォーリー』は、12万5000枚の絵コンテが作成されている。通常、多くても7万5000枚程度だった。
その49 : 『カールじいさんの空飛ぶ家』で、カールじいさんの家を持ち上げるときにつけられた風船の数は、2万622個。
その50 : 『カールじいさんの空飛ぶ家』は、アカデミー作品賞にノミネートされた2番目のアニメーション映画。ちなみに最初の作品は、1991年の『美女と野獣』。
その51 : 『カールじいさんの空飛ぶ家』は、初の3Dピクサー作品となった。
その52 : 『トイ・ストーリー3』は、ピクサー抜きでの製作が決まりかけたことがある。キャラクターの権利を保有しているディズニーとピクサーの間で意見が対立したことで、実際にディズニーだけでの製作が着手されていた。
その53 : ディズニーの考えた『トイ・ストーリー3』のストーリーラインは、「台湾のおもちゃ工場からバズを助ける」というものだった。
その54 : 『トイ・ストーリー3』に登場するバービーとケンのオリジナルモデルは、1983年「グレート・シェイプ・バービー」と1988年「アニマル・ラヴィン・ケン 」。
その55 : 『トイ・ストーリー3』では、アンディの部屋に『カールじいさんの空飛ぶ家』のカールとエリーから届いたポストカードが壁に貼られている。
その56 : 当初『メリダとおそろしの森』のメリダの声は、女優リース・ウィザースプーンが担当する予定だった。
その57 : 作品の中で、メリダは22の異なった衣装を着ている。
その58 : 『モンスターズ・ユニバーシティ』のプロモーションの一環として、モンスターズ大学のホームページが実際に作られた。
その59 : ピクサーは『Newt』という新しい作品の製作を発表したが、ブルースカイ・スタジオの映画『ブルー 初めての空へ』と話が似すぎていたため、お蔵入りとなった。ちなみに『トイ・ストーリー3』のアンディーの部屋のドアに『Newt』のステッカーが貼ってある。
その60 : 米コメディ『チアーズ』のクリフ・クラヴィン役で有名な俳優ジョン・ラッツェンバーガーは、全てのピクサーの長編映画に声優として参加している。『トイ・ストーリー』ではハム役。
その61 : 全てのピクサー作品が、同じ1つの世界に存在しており、時間軸・世界観が共有されている。

参照元:Buzz Feed(英語)
執筆:小千谷サチ
Photo:RocketNews24.

▼『トイ・ストーリー3』登場の“ロッツォ・ハグベア”の偽CM。