「みんなで作るWEB大図鑑」を標榜するズカンドットコムは、画像認識を利用して魚種を判定するアプリ「魚みっけ」の配信を開始しました。釣りや海辺での水遊び、夏の自由研究などに活躍しそうなアプリは、iOS版とAndroid版があります。  

ズカンドットコムは、生物や鉄道、フィギュア、風景、虹など、趣味に合わせて自由に共有型のWeb図鑑が作成できるサービス。中でも人気のWEB魚図鑑は、釣った魚を撮影して写真を投稿、釣りのソーシャルゲームといったように魚をコレクションできます。



魚種がわからなければ「未同定」を選択しておくと、魚に詳しいほかのユーザーが魚種を特定してくれ、図鑑の正確さも上がります。ズカンドットコムの山出潤一郎代表は「世の中には細かい違いが嬉しい人たち、それを分類したい人たちがたくさんいます」と話しています。

ズカンドットコムは市井の産学連携といったところがあり、表立ってないものの研究者が参加しています。魚図鑑で言うと、フィールドワークが必要な研究者からすれば釣り人の釣った魚の写真は研究サンプルです。反対に釣り人側からすれば対象魚と外道(対象魚をの周辺で釣れる魚)を除く魚の種類は知らないことが多いはず。前述の山出代表は「この10年、近海だけで約500種類の魚が増えました。好奇心さえあれば図鑑は作れる時代、ズカンドットコムによってWebメディアが生物の多様性に貢献します」と語っています。

「魚みっけ」アプリのベースはこのWEB魚図鑑です。投稿された写真の中から特徴点がとれそうな画像を抽出し、約2000種を判定できます。精度は7〜8割で、生物分類上の「科」までであれば97%と高い精度で判定できるとしています。



たとえば、花の写真判定アプリなどもありますが、その精度は製品版で1割程度。「魚みっけ」が高い精度で検出できるのは、写真判定の対象が魚だからということもあるようです。釣った魚を撮影する場合、たいていは平らな面において魚の全体を側面もしくは上部から撮影します。撮り方がある程度決まってくるため、3Dの画像認識ではなく平面の特徴点抽出で対応できるそうです。ズカンドットコムの直江憲一取締役は「釣った魚は画像認識に向いています。今後はさらに精度を高めていきます」と話しています。

アプリの利用料は300円。魚種判定3回までは無料で利用可能。