福岡をゲーム業界のハリウッドに 産官学で振興機構 九州経済けん引役の期待も[地方経済]

2014年05月18日(日) 毎日フォーラム
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産官学の「学」はどうか。同機構に参加する九州大は、リハビリ訓練のためのゲームソフト「リハビリウム起立くん」を開発した。起立―着席運動を楽しみながらこなすソフトで、病院や介護施設の利用を見込む。九州大芸術工学部の松隈浩之准教授(画像設計)は「アニメや映画、ポスターなどビジュアルコミュニケーションツールを教えているが、学内の研究成果を社会に出すメリットがある」と話す。

もともと福岡市とゲーム開発会社の関わりは古い。「天下統一シリーズ」で知られる「システムソフト」は1979年、アドベンチャーゲーム開発で有名だった「リバーヒルソフト」(現在は閉鎖)は82年にそれぞれ同市内で設立された。こうした会社からプログラマーらが独立したケースも多い。88年に30歳で「レベルファイブ」を立ち上げた日野社長もその一人で、リバーヒルソフトでプロジェクトリーダーを務めていた。

ゲーム開発にとっての環境の良さと自治体の支援が重なり、福岡市はゲーム開発会社の「聖地」となりつつある。今後は、ゲームを超えて他分野の産業振興や人材育成につながるかが課題だろう。

福岡県内には他にも、ゲーム業界を支援する自治体がある。飯塚市は現在、ゲーム開発会社のクリエイターらを招き、市内にキャンパスがある九州工業大の学生を対象に人材育成講座の開催を検討している。市産業振興課の担当者は「アプリやゲームを開発できる人材が輩出できるということをアピールしたい」と意気込む。

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