モデルホームの数を見るっていうことは大事なんでしょうか?
と、僕は思いましたね。
やっていくうちにわかってきたんですけれども、最初のうちは家のカタチとか、間取りとかに目が行く。モデルホームでも間取りばかり細かく見ていく訳ですよ。
そうして今度は内装の方。タイルもそうだし、「壁紙はどうしましょう」とかそういう話になってくると、一応、会社の方でサンプルを見せてはもらうんですけれども、いまいちピンと来ない。やっぱり大きなもので見たいと思って、モデルホームでいくつか見て決める。今度は外壁とかエクステリア。そうして最後は庭の草木、植栽まで。それはもう、モデルホームで見まくりましたね。
家づくりって面白いなあって思ったのが、屋根の形状とか、屋根の色とか、メーカーさんとのやり取りでどうしましょうっていう話をしていると、「片流れ」とか、そんなこと知らなかったのが、会社の往き帰り、道を歩いていたら、よその家の屋根ばっかり目に入るんですよ(笑)。次は壁の色とか、素材とかね。それも後から知りましたけど、吹きつけがいいのか、パネルがいいのか、タイルみたいのがいいのかと。その時期はもうどこに行っても目に入ってくるのは壁ばかり(笑)。最後は庭木まで。
設計段階から完成までの間は、ものすごくそれを楽しみましたよね。ほんとに、楽しかったです。
雑誌とか、ほかの媒体で情報は集められましたか?
雑誌やなんかも見たことは見たんですけれどもね…。どうも雑誌ではピンと来ることがなかったんですよ。
たとえばうちの家を、僕のこだわりを書いて雑誌で紹介したとしても、僕のこだわりと、読み手のこだわりがピタッとはまるかというと、そうでもないような気がするんですよね。色んな生き方と、色んな家族構成と、色んな趣味があって、その上でのこだわりなので、雑誌ではそれを共有しにくいんじゃないかと。
僕の場合はそれよりも現場で、実際に体感して、本物を見たいと。そういう思いが強かったものだから、モデルホームに行き着いたんですね。
三代澤さんにとって、家づくりは楽しかったですか?
遡ってみると、うちの父親は普通のサラリーマンをしていたんですけれども、なんとかこつこつとやってきて、僕が小学校から中学校へ上がる時に、奈良の方に家を建てたんですね。その時に、うちの父と母が、住宅メーカーの人と毎晩のように方眼紙に、当時はもうほんとに方眼紙に線を引きながらっていう感じで、家づくりの打ち合わせをやっていたんですよ。僕が学校から帰ってきたら、母親もひとりで「こんなふうに考えてみた」とかやっていました。そうしたら僕も横でね、6年生だったので、なんとかその見よう見まねで、家の設計なんて言えるものではないですけど、「お風呂をここに持ってきて」とか、線を引いて自分なりに考えてみたりしてた訳です。
そういうことをしてたので、いつかは家を建てることを、自分もメーカーの人と一緒に家づくりをするんだっていう、そういうことをやってみたいっていうのを頭の奥底にずっと持ってたんだと思います。
それがあったので、最初の頃なんて、「ここに家を建てるんやったらこうやな、ああやな」って、子供の当時の記憶があるから自分で方眼紙を買ってきて、線を引いて、同じようなことをやったりしてたんです。
ところが住宅メーカーの人に会って話をした途端に、もう完璧なものがコンピュータでささっと出てきて。ああ、もういまはこんなことになってるんだと驚きましたけどね(笑)。
でもそういう楽しみをいっぱい体感できましたね。
Season1 シリーズは今回で終了。
次回からはSeason2として、また新たなテーマでお話をうかがいます。乞う、ご期待!
●生年月日:1960年4月14日 ●入社年:1984年 ●出身地:奈良県生駒郡
●好きな音楽:南こうせつさんは、中学時代からずっとファン。アナウンサーになったおかげで会うこともできた。
何度聴いても涙ぐんでしまう曲がたくさんある。コンサートではいつも一人で涙している(笑)
●担当番組:[テレビ]おはよう朝日です・土曜日です/ワイドABCDE〜す/一志相伝(ナレーション)〜放送中
[ラジオ]ドッキリ!ハッキリ!三代澤康司です〜放送中