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上場企業の好決算が相次いだのに対し、株式市場の動きはさえない。 アベ…
上場企業の好決算が相次いだのに対し、株式市場の動きはさえない。
アベノミクスの「賞味期限切れ」だけが理由ではない。1年ではげ落ちる円安効果の先に、新たな成長の展望を描けない企業が多いからだろう。
求められるのは、人材にきちんと投資して、その能力を結集し、イノベーション(革新)を生み出す態勢だ。
日本企業が「技術で勝ってビジネスで負ける」と言われて久しい。その原因は、①社会の変化が生む潜在的なニーズがつかめない②自社内外の技術やデザインを、売れる商品に結びつけられない――という二つの「ない」に集約されそうだ。
そんな弱点を克服するにはどうすればいいのか。
工場向けのセンサー類などを手がけるキーエンス(大阪市)は、営業担当者が客先から聞いた苦情や要望、相談をカードに忠実に記録し、開発担当者の下に集積している。
ただ、「個々の顧客が欲しいものは作らない」。開発担当者が多くのカードに目を通すことで大勢の顧客の「求めるもの」が浮かび上がり、汎用(はんよう)性のある技術や製品への道筋が見えてくる。「筋の良い」開発をより分ける組織能力こそがイノベーションの生命線という。
対照的に、取引先の現場で社員が見聞きしたアナログ情報を徹底して掘り下げていくのが、冷凍システムなどをつくる前川製作所(東京都)だ。
顧客の工場に営業、製造、設計など部門横断的なチームで出向いて話を聞く。その後、チーム内で情報の解釈を出し合い、ニーズの全体像を掘り下げる。
社内でさらなる意見交換を経て、参加者が共通の理解に行き着いた時、具体的な製品の開発が始まる。経営トップは自然な議論で結論が出るのを待つという点がユニークだ。
日本企業は生産現場で「カイゼン運動」を積み上げてきた。自社の知恵と社外の情報を結びつけ、発展の道筋をつけられる土台はあるはずだ。
一方、日本政策投資銀行が東京や大阪、広島などで開く「イノベーション・ハブ」のように、複数の企業が知恵を出し合う場も生まれている。地方の有力企業もメンバーだ。
地方には投資家の圧力とは無縁なオーナー企業も多い。こうした中堅・中小を含む企業群がオープンな議論を通じてニーズを把握し、社内に埋もれた技術や人材の再評価に踏み出していければ、日本の産業界も面目を一新する。
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