東京都の認知症の女性(67)が2007年に群馬県館林市で保護され、身元不明のまま今月まで介護施設に入所していた問題で、館林市がこれまでに支出していた経費全額を家族に請求しない方針を決めたことが17日、分かった。
安楽岡一雄市長は「認知症は社会全体の問題で、人道的見地から請求すべきでない」と理由を話した。総額はまだ算出していないという。
女性は07年10月30日、群馬県警に保護され、今月に身元が判明した。身元不明のまま市が住民票を作成し、市内の介護施設で生活していた。身元判明後、家族との対面が実現した。
田村憲久厚生労働相は16日の記者会見で、保護された人の生活保護費の負担について「どう考えるか検討しなければならない」と述べ、今後も同様に行方不明者が増える可能性もあることから、ルール作りを考える必要性があるとの認識を示している。〔共同〕
安楽岡一雄、田村憲久