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そして次回に地域ごとのデータが発表された。
第12回福島県民健康管理調査検討委員会において配布された妊産婦に関する調査は下記である。
http://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/6439.pdf
対象者は以下である。
平成23年度においては
○平成22年8月1日から平成23年7月31日までに、県内各市町村において母子健康手帳を交付された方。
○県外市区町村から母子健康手帳を交付された方のうち、県内に転入または滞在して3月11日以降に県内で妊婦健診を受信や分娩した方(いわゆる里帰りをした方)
平成24年度においては
○平成23年8月1日から平成24年7月31日までに県内各市町村において母子健康手帳を交付された方。
○上記期間うちに県外市区町村から母子健康手帳を交付された方のうち、県内で妊婦健診を受信し分娩された方。(いわゆる里帰り分娩をした方。)
この回では様々な情報が発表された。
筆者は2014年2月3月にドイツ・ベラルーシで行われたIPPNW(核戦争防止国際医師会議)に出席したが、その際に「チェルノブイリ原発事故後に目立って増加した奇形は、心臓奇形、多肢症、腎臓奇形」という報告を数回耳にした。
様々な問題が気にかかるが、まず心臓奇形について調べてみた。
これは偏りがあるように見えるが、出生数で割り、パーセンテージを出してみないとわからない。
エクセルの表にしてみたものが下記である。
発生数/出生数で出したパーセンテージを、福島県の地域別の地図上に載せる。
青字が平成23年度で、赤字が平成24年度の発生率である。
福島県全体の数字を見ると、変化が無いように見えるのだが、地域別で見るとかなり上下しているように見える。
筆者は統計学に造詣が無いため、統計学の専門家数名に見ていただいた。
すると、
平成23年度と24年度の比較において、相双地区に関しては意味のある心臓奇形率の上昇がみられた可能性がある、県北地区の心臓奇形率の低下も意味のある低下といえそうである、
相双地区の心臓奇形の発生率の上昇は有意である、などのコメントを得た。
ちなみに、福島第一原発があるのが相双地区である。原発事故後4か月の行動記録から外部被ばく線量を推定した基本調査を見ても、相双地区の外部被ばく線量が高いことが推定される。