福島県地域別の心臓奇形の発生率~相双地区は上昇しているのか?(おしどりマコ)
2014年05月17日

放射線防護の大学研究者に取材すると、重要な情報だが、年度の区切りではなく第何週のときに原発事故があったか、何か月のときにどれくらい線量を浴びたのか、というような、もう少し詳細な調査、情報が必要ではないか、とのことであった。
チェルノブイリ原発事故と比較して、問題ない、ということを言う研究者もいるが、人口密度が全く違う、放出放射線量・被ばく線量は低くても、日本のほうがはるかに人口密度が高いので、リスクとしてかなり低い数字であっても、実数として出現してしまうのではないか、とも話していた。
小児の循環器の医師にも何名も取材したが、このような地域差の上下はわからない、とのことであった。
しかし「自分の子供に問題が発生するということは、数%の発生率ではなく、100%の問題になる。それに原発事故の影響があるのか無いのか、今の医学、科学では結論づけることはできないはずだ。影響はわからない、という視点で調査をするべきだ。」と言う医師は多数いた。
この取材において、何人かの医師・研究者は、実名でのコメントの許可を得た。しかし、スピリッツの「美味しんぼ」の例でもあるように、被ばくと鼻血の可能性をマンガで表現するだけで、国から圧力がかかる。
心臓奇形と原発事故についての記事へのコメントはやはり匿名にしてほしい、との依頼があったことを付け加えておく。
医師の言葉にもあるが、原発事故の影響は「わからない」という視点で調査をすべきであると筆者は強く思う。
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この「妊産婦調査」の調査は、全てを網羅しているわけではない。
それは「母子健康手帳を交付された方」のみが調査対象だからである。
筆者は検討委員会において「中絶」について質問した。
筆者が取材した福島県の女性で中絶された方々よりはるかに数が少なかったからである。
回答は「母子健康手帳の交付後に中絶された方のみの数なので、交付前の中絶は含まれていない」とのことであった。
母子健康手帳交付前の診察で奇形が判明し中絶されたケース、診察時に知らないうちに検査をされ中絶を勧められたケースも存在している。
母子健康手帳交付後に、中絶された方の理由はなぜか、と質問すると
「奇形が判明したので中絶された方がほとんど。その奇形の種別までは調査していない」とのことであった。
新生児の先天性疾患は、大変センシティブな問題であるが、筆者も繁殖を考える女性なので声を大にして言いたい。
私たちは、調査をしない段階での「健康に影響は無い」などいらない。
「健康に影響があるかどうかわからない」という前提での詳細な長年の調査こそ必要としている。
(撮影、おしどりケン)
【DNBオリジナル】