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 18日午後9時10分ごろ、福岡県田川市伊田の県道交差点で、駐車していた軽ワゴン車が運転手がいないまま走り出し、近くで開かれていた祭りを訪れるなどしていた歩行者を次々はねた。女子中学生(14)や女児(4)ら歩行者9人が重軽傷を負った。

 軽ワゴン車を所有する同県川崎町の露天商の男性(77)も車を止めようとして、車と電信柱に挟まれ重傷。車の助手席に乗っていた男性の知人の女性(79)も軽傷を負った。田川署は、自動車運転過失傷害の疑いでこの男性と事故原因を調べている。

 田川署と田川地区消防本部によると、露天商の男性が運転席の窓の外から車のエンジンをかけたところ車が動き出し、20~30メートルほど走って歩行者を次々巻き込んだという。田川市の女子中学生(14)、北九州市の男性(59)の2人が重傷。女児(4)、男子中学生(12)、女子中学生(13)を含む7人が軽傷を負った。

 調べでは、軽ワゴン車はマニュアル車。署は、ギアがニュートラルではない状態でエンジンをかけ、車が走り出したのではないかとみている。現場の路面はほぼ平坦(へいたん)だった。

 現場近くにある田川市内の彦山川では17、18の両日、県指定無形民俗文化財の「川渡り神幸祭」が開かれていた。祭りはみこし2基と山笠(やま)11基が川を渡るもので、例年、2日間で延べ約15万人が訪れる。男性はこの祭りに露店を出店していたといい、片付けの最中だったという。