全国学力テスト:課題の改善状況探る設問が倍増
毎日新聞 2014年04月22日 18時44分(最終更新 04月23日 00時32分)
小学6年と中学3年を対象にした全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)が22日、実施された。今年は過去のテストで浮かび上がった課題の改善状況を確認する問題が、昨年に比べ倍増し、全設問の3割を占めた。
テストは国語と算数・数学で、各教科とも基礎知識を問うA問題と、応用力をみるB問題がある。4科目計147問のうち45問(31%)が課題の改善状況をみる問題で、昨年は16%。課題は、四則混合式の理解(小学校算数)▽文章や資料から必要な情報を取り出し自分の考えを書く(中学国語)−−など。
テストは国公立校と私立校の計約224万人が受けた。文部科学省によると、実施日の誤認のほか、インフルエンザによる学年閉鎖などの影響で、22日に実施できなかった公立校が全国で計48校あったという。今年度から実施要領が改定され、市区町村教委の判断で学校別結果を公表できるようになったほか、都道府県教委も市区町村教委の同意を得れば、市区町村別・学校別の成績を公表できる。結果は8月に発表される予定。
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小学校国語Aでは、新聞の「投書」を題材にした問題が出題された。昨年も中学校国語Bの問題で新聞記事が取り上げられており、「新聞の活用が教育に有効」とする文部科学省の方針が改めて示された。
投書は架空のもので、12歳の女子児童が近所で見つけた捨て猫に心を痛め、命の大切さを訴えた内容。これを読み、書き方の特徴として正しいものを四つの選択肢から選ばせる設問だった。
問題を作成した国立教育政策研究所は「新聞の投書は、書き手の工夫をとらえる面で素材として意義がある」と説明している。【三木陽介】