全国学力テスト:4教委が公表前向き 6割は消極的
毎日新聞 2014年04月22日 06時00分(最終更新 04月22日 10時26分)
◇全都道府県と政令市教育委員会に毎日新聞が取材
学校別の結果公表が可能になる今年度の「全国学力・学習状況調査」(全国学力テスト、22日実施)について毎日新聞が全都道府県と政令市教育委員会に取材したところ、茨城、三重、大分各県教委と大阪市教委が公表を検討していることが分かった。32都道府県教委は「公表の検討や予定がない」、12県教委が「検討中」などだった。また、石川県輪島市など少なくとも5市町が公表の意向を表明していることも分かった。
6割以上の自治体は「学校の序列化につながる」などとして結果公表には消極的だが、一部自治体の積極姿勢が今後、他に影響を与える可能性もある。
4月中旬、全国の支局などを通じ、各都道府県教委、政令市教委に学校別結果を公開するかどうかを聞いた。
茨城県教委は「公表範囲を市町村別、学校別にするかを含め、公表を前向きに検討している」と回答。「平均正答率だけでなく、他の学校が参考にして改善できるようなものを公表する」としている。大分県教委は「公表する方向で市町村教委に働きかけている」と答えた。
また、都道府県教委が現段階で把握している状況として、輪島市▽徳島県石井町▽佐賀県武雄市、大町町▽沖縄県宮古島市−−が公表する意向を表明しているという。この他、岡山県内の一部自治体なども公表の意向を示している。
青森、新潟、兵庫、熊本など12県教委は「検討中」「未定」などと答えた。宮崎県教委は「公表については教育上の効果がある一方、過度の競争を招くなど弊害や影響が考えられ、慎重に対応を考えたい」としている。
岩手、東京、大阪、福岡など32都道府県教委は公表の検討や予定がないと回答。「公表は学校の序列化につながり、本来の趣旨とは違う結果が起こりうる」(岩手)など公表に否定的な見解を示す教委もあった。
20の政令市にも同様の質問をしたところ、学校別結果の公表を予定しているのは大阪市教委。大阪市教委は「昨年10月、学校管理規則を変更し『学校における平均正答率および平均値を含む結果』を公表することにした」としている。札幌、千葉、北九州市など7市は「検討中」などで、他の12市は「公表予定がない」とした。【まとめ・坂口雄亮】