傷害致死:検察求刑1.5倍の裁判員裁判、最高裁見直しへ
毎日新聞 2014年04月21日 19時20分
大阪府寝屋川市で当時1歳8カ月の三女を暴行して死なせたとして傷害致死罪に問われた両親の上告審で、最高裁第1小法廷(白木勇裁判長)は、弁護側、検察側双方の意見を聞く弁論を6月26日に開くことを決めた。最高裁は2審判決を見直す際に弁論を開くことから、検察側求刑(懲役10年)の1.5倍に当たる懲役15年とした裁判員裁判の1審を支持した2審判決が見直される可能性が出てきた。
1審・大阪地裁判決は「求刑は長期にわたる虐待の悪質性を十分に評価しておらず、児童虐待には今まで以上に厳しい罰を科すことが社会情勢に合う」などとして、検察の求刑を大きく上回る判断を示した。
2審・大阪高裁も「求刑を大きく上回ったからといって、破棄しなければならないほど重すぎて不当とはいえない」と両親の控訴を棄却したため、両親が上告していた。
1、2審判決によると、父親の岸本憲(あきら)(30)、母親の美杏(みき)(31)の両被告は共謀して2010年1月、寝屋川市内の当時の自宅で、憲被告が三女瑠奈(るな)ちゃんの頭を平手で強打して急性硬膜下血腫のけがをさせ、同年3月に死亡させた。【川名壮志】