シリア内戦、「ホムス包囲」を記録した映画が密かに制作され、カンヌで上映された。
シリアの「革命の首都」と呼ばれたホムスの市街地から、この5月9日、およそ3年にわたる包囲と戦闘の末に、反政権側武装勢力が撤退しました。そしてほどなく開幕したカンヌ国際映画祭で上映されたのが、そのホムスの包囲を密かに記録した映像を1本の映画としてまとめた作品……。
更新日: 2014年05月18日
nofrillsさん
シリアの「革命の首都」と呼ばれたホムスの市街地から、この5月9日、およそ3年にわたる包囲と戦闘の末に、反政権側武装勢力が撤退しました。そしてほどなく開幕したカンヌ国際映画祭で上映されたのが、そのホムスの包囲を密かに記録した映像を1本の映画としてまとめた作品……。
更新日: 2014年05月18日
nofrillsさん
「ホムス包囲」を記録した映画が、カンヌで上映されたという。
Syrian woman's siege of #Homs film gets standing ovation at #Cannes mme.cm/N5MU00 #NOW_Eng #NOW_Syria #Syria
NOW Englishはレバノンの英語メディア。フォローしておくといいですよ。レバノンはMENA地域の情報ハブだから。
すさまじい。こんな映画が作られたということ自体に驚き。ホムス包囲が密かに映像記録されていた。AFP. Syrian woman's siege of Homs film gets standing ovation at Cannes mme.cm/N5MU00
記事最後が…「この映画の制作はつらいものだった」というのは「ですよねー」かもしれないけれど、編集作業のリアルが…「一番よい死体映像、一番美しい犠牲者」を選ぶ作業であったと…。 now.mmedia.me/lb/en/nowsyria… シリア、ホムス包囲が密かに映像記録されていた。カンヌ出品
ホムス包囲の映画(カンヌ出品)についてのツイートへの反響が大きい。しかし日本語圏マスコミ様は相変わらず「日本人監督の作品」にだけ注目、かな。カンヌに関してはいつものこと。パルムドール作品も必ずしも劇場公開されず、あとからソフトがバカ売れして上映会、みたいになるんだよねこの映画祭。
今回のカンヌのコンペティションはケン・ローチ(今回のを最後に長編から引退すると言っている)、ジャン・リュック・ゴダール、マイク・リー……と、普通に映画好きなら「ををを」と思うようなラインナップなのですが、マスメディアでコメントしちゃうような人が、"「フランス映画社」が「フランス映画を配給してる会社」と思ってて、「昔はアラン・ドロンのような日本人ウケするスターがいたが、今は…」" と述べてても問題ない日本では、どうなんでしょうね。
http://twitter.com/nofrills/status/414403131691130880
反響が大きいのでホムス包囲の映画(カンヌ出品)についてのAFP記事 now.mmedia.me/lb/en/nowsyria… を日本語にしようかと思ったのだが、最初に読んだときに自然と日本語になっていた気がした部分(翻訳者スイッチオン状態)が、より明確に言語化される前に消えていく感。そこに
そこに湧いて出てくるのが「アサド対反アサドなんていう単純な図式じゃないんですよ~」というプロパガンダ(親アサド、親ロシア側の)と、それを無邪気にも、というより怠慢にも真に受けて拡散していたことばの記憶。「革命の首都」ホムスについて読むときに。そこから「革命戦士」たちが撤退した後に
……というわけで、その映画について日本語で何かを書く前に、ホムスについてざっと見ておくことにします。
ホムスについてはすでに何本も「まとめ」を作っているので、そちらもご覧下さい(本「まとめ」の末尾にリンク集をつけるつもりです)。
作成した「まとめ」の一覧: シリア
http://matome.naver.jp/odai/2136685372340826901
▼ホムス (Homs)
シリア中西部、レバノン国境からほど遠くない位置にあるホムス (Homs) は、ダマスカス、アレッポに次ぐシリア第三の都市。
2004年のセンサスで、ホムス市の都市圏人口は75万人規模。それ以降も増えていたと推定される。農産物中継拠点として栄え、また地中海に近いという立地から石油・重工業などで外国の企業が工場を建設するなどしてきた。
http://en.wikipedia.org/wiki/Homs
いわゆる「アラブの春」のただ中にあった2011年3月15日、Twitterで #Mar15 のハッシュタグがシリアについて用いられた。政府の腐敗と抑圧への組織的抗議行動が南部のダルアなどいくつかの都市で始まった。
※写真はダルーアで4月29日に逮捕され、5月25日にひどい遺体となって家族の元に返された当時13歳のハムザ少年 (Hamza Ali Al-Khateeb: http://is.gd/pWIG6Y ) の写真を掲げるデモ隊。
これがホムスに広がったのが3月18日。この日は金曜日で、ネットで「尊厳の金曜日」金曜の礼拝の後に数千人が街に出て対政府抗議行動を行なった。これに対し警察は身柄拘束と暴行で応じ、人々の怒りは高まった。4月になり、デモは続き、治安当局は非武装のデモ隊に発砲した。
このころからホムスは「シリア革命の首都」と呼ばれるようになった。
http://en.wikipedia.org/wiki/Siege_of_Homs
写真は2011年4月、ガーディアンの写真特集より。デモ隊がまだ「普通のシリア国旗」を掲げている。
何千人という人々による抗議デモと、それに対する治安当局の発砲、という事態は、ホムスでもほかの都市でもずっと続いた。(「国際社会」はこのとき、リビアにかかりきりだった。)
日々報告される死者数は2ケタだった。それは「テロ」で殺された民間人の人数ではなく、政権側の発砲で殺された民間人の人数だ。
「平和的民主化要求デモ」は急速に「武装蜂起」化した。
「反アサド政権」側は赤・白・黒の「普通のシリア国旗」ではなく、緑・黒・白の「シリア独立旗」を使うようになった。
ムアンマル・カダフィの長期独裁政権を打倒したリビアの反政府勢力が、リビアがイタリアの植民地支配を脱したときの独立旗をシンボルとして掲げたように、シリアの反アサド政権の側は、1932年にシリアがフランスの支配を脱したときの旗を掲げている。
http://en.wikipedia.org/wiki/Flag_of_Syria#Flag_used_by_the_Syrian_National_Coalition_and_Syrian_Interim_Government
こうして、2011年秋にはホムスのデモは「赤・白・黒」ではなく、「緑・白・黒」の旗に埋め尽くされていた。10月末にはシリア政府軍とシリア自由軍(FSA)の戦闘が激しくなり、ホムスのいくつかの街区は完全に戦場となった。
2011年11月3日にはシリア国軍の戦車による砲撃がバーバアムルの住宅街に加えられ、100人以上が殺された。その後も戦闘は激化し、反政権軍がバーバアムル地区を押さえた。政府軍側は地区の周囲に塹壕を掘り、地区を包囲した。
http://en.wikipedia.org/wiki/Siege_of_Homs
2012年2月にはバーバアムル地区への攻撃で英サンデー・タイムズのマリー・コルヴィン記者と、フランスの写真家、レミー・オシュリックが落命した。一緒に密かにホムスに入っていた英国やフランスのジャーナリストは何とか脱出し、一部始終をメディアに語った。
しかし、「国際社会」は動かなかった。動けなかった。語る立場にあった彼らが「英国人」や「フランス人」であったことで「すべては政権転覆を画策する西側の陰謀」とする情報戦が加速しただけだった。
……と、その経緯は、ウィキペディアにはかなり細かく記録されている。
War-weariness key to ending fight over #Homs & possibly wider #Syria conflict, says BBC's Paul Wood bbc.in/1jEsSZ4
RT@CdricLabrousse Ready to leave the most symbolic battle for #Syria. The Old Homs rebellion. the heart of their city pic.twitter.com/zwOaSoNI2v
シリア、ホムス旧市街から反アサド武装勢力が撤退という現地映像。使われてるのが都バスにしか見えない…BBC News - Rebels evacuating Old City of Homs bbc.com/news/world-mid… pic.twitter.com/onq6lxyEpb
(都バスに見えるだけで、都バスじゃないと思います。)
Assad's forces take Homs, 'capital of Syrian revolt' reut.rs/1l259BN
包囲が始まって3年後の2014年5月、包囲は終わった。
最後の反アサド政権武装組織戦闘員数百名が撤退したのが5月9日。
http://en.wikipedia.org/wiki/Siege_of_Homs
10日には人が戻り、新たに撮影された写真も次々と流れてきた。(私のTLには本当に次々と、流れてきた。ほかの人のは知らん。)
こそこそ隠れることなく、居場所を特定されないよう気を使うこともなく撮影されたホムスの破壊の写真は、すさまじいとしか言いようのないものだった。
NEW MAP update: Military situation in #Homs Governorate (May 9). #Syria @KeepingtheLeith pic.twitter.com/OmbRj90aJY
Evacuation of rebels from Old City in #Homs complete, Syrian state TV reports bbc.in/1jEGRhx
Rainy day in #Homs’s Ghost town of an old city. Pix 4 by Phtographer #GhassanNajjar pic.twitter.com/3ONYUQ4tZf
Remnants of war #Homs old city. Pix 5 by photographer #GhassanNajjar pic.twitter.com/aiX5iO36XR
Images from devastated Syrian city of #Homs as rebels complete evacuation bbc.in/1l2nYVo pic.twitter.com/fr4JG45uE3
A ceasefire deal between rebels and government forces has allowed photographers to capture how three years of fighting has destroyed the Syrian city of Homs.
何点も大判写真があります。
An incredible tunnel used by rebels during fighting in #Homs’s old city. Pix 6 by photographer #GhassanNajjar pic.twitter.com/r4ZeS9A2uK
A tunnel used by rebels running from the Grand Nour mosque in Hamidiyeh #Homs’s old city. Pix 7 by #GhassanNajjar
pic.twitter.com/NuufYucGl7
https://twitter.com/HalaJaber/status/464444845742776321
※同じ写真。
Inside the Grand Nour Mosque in Hamidiya in #Homs’s old city. Pix 8 by photographer #GhassanNajjar. pic.twitter.com/yc30sQLrrS
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