ロシアの新進気鋭のメディア起業家ドミトリー・イツコフ(Dmitry Itskov)は "アバター" と呼ばれるこのプロジェクトにすでに30名の科学者が雇われ、さらなる科学者に支援をを求めていると語ったと英・Daily Mail紙が報道した。
10年後には人間の心を移植(アップロード)し、第2段階では「新しい人間の体」を作り、第3段階では「人工的な脳」としてのコンピューター環境を揃え、最終的には30年以内に「ホログラムの体」によって光の速度で移動することができ、時間や距離の制約を受けない存在を創出することを目的としている。
夢のような話のように聞こえるが、すでに記憶の外部化には成功しており、猿の脳に電極を接続してロボットアームを動かせることも実証済み。脳内で思考された言葉を音声化したり、脳から知覚映像を読み出すこともすでに実現している。
第2段階の「新しい人間の体」についても、米・国防高等研究計画局(DAPRA)が人間が遠隔操作する「半自律・双方向アンドロイド兵士」を研究しており、同じく "アバター" と呼ばれるこのプロジェクトに700万ドルの予算が割り当てられている。ドミトリー・イツコフはDAPRAと協力体制を敷いてこの計画を進行したいと語った。
このプロジェクトが成功すれば、まさに士郎正宗 / 押井守が予見した攻殻機動隊の世界がわずか数十年の間に実現し、さらに "ホログラムの生命体" まで進むことになる。
時間や距離の制約を受けないホログラムの意識体・・・もはや霊だな。
複数の"ハードディスク"としての体がネットワークで繋がったら、人は同時に複数の人生を歩むことになる。そのとき人間の「主体」は全体としての自己として捉えられるだろう。その時にオリジナルの「タンパク質の体」を持っていた心は、「自分」をどう感じるのだろう。
数十年前までインターネットの登場やスマートフォンの登場を誰もが「ありえない世界」と考えていたことから考えると、本当にあっという間にそんな世界が来てしまうのかもしれない。
コンピューターの普及が
記憶の外部化を可能にした時
あなたたちはその意味を
もっと真剣に考えるべきだった
GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊