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西之島の噴火活動半年 島の拡大続く
5月18日 19時18分

西之島の噴火活動半年 島の拡大続く
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小笠原諸島の西之島で新たな噴火活動が確認されてから20日で半年となります。
専門家が18日上空から観測したところ、溶岩が火口以外の複数の箇所から流れ出していて、今なお島の拡大が続いていることが分かりました。

小笠原諸島の父島の西およそ130キロにある西之島は、去年11月、南東側の海底でおよそ40年ぶりに噴火活動が始まり、去年12月には、新しくできた陸地が元の島と陸続きになりました。
まもなく半年となる18日午前、NHKは専門家と共に航空機で西之島を上空600メートル付近から撮影しました。
西之島は元のおよそ5倍の大きさになっているとみられ、島の中央付近では、噴煙が2か所から上がっていました。
噴煙を上げている火口の1つを拡大して見ると中には赤い溶岩が見え、数秒に1回の間隔で噴火し、噴石や黒い煙が確認されました。波打ち際では高温の溶岩と海水が接触して水蒸気が立ち上っていて、同行した東京工業大学の野上健治教授によりますと、高温の溶岩は固まった表面の下を通って、筋状に海に流れ出しているということです。
野上教授は、「半年もの間、溶岩を流し続けるというのは、国内では珍しく、非常に驚いている。火口まで溶岩が上がっているので、しばらくの間流出は続き、島は今後も拡大すると考えられる。なぜ流出が続いているのか謎で、岩石や火山ガスを採取するなど、詳しい調査をする必要がある」と話しています。

面積は東京ディズニーランドの約2倍

西之島でおよそ40年ぶりに噴火活動が確認されたのは去年11月20日。
南東およそ500メートルの沖合で噴煙を上げる小さな陸地が見つかりました。
噴火で流れ出た溶岩が元の島との間の海を埋め尽くし、およそ1か月後の12月下旬には元の島と陸続きになりました。
人工衛星で撮影した画像では、噴火でできた小さな島から流れ出た溶岩が少しずつ広がって、北側にある古い島とつながり、さらに拡大する様子がよく分かります。
面積は、ことし1月に元の2.5倍、2月には3.3倍、3月には4.5倍と広がっていきました。そして、先月15日の観測では東西およそ1150メートル、南北およそ1300メートルで、面積は元の島の4.8倍、東京ディズニーランドの1.9倍の広さになりました。

溶岩の量は東京ドーム20杯分

写真や地形図などからこれまでに流れ出た溶岩の量は先月中旬までにおよそ2500万立方メートル、東京ドーム20杯分に達していたことが分かりました。
40年前に1年余りかけて噴出した溶岩の量を今回は半年足らずで超えたことになります。
地質学が専門の東京大学地震研究所の前野深助教は、黒い筋状の亀裂が溶岩の流出が続く証拠だと指摘しています。
溶岩は表面は冷えて固まりますが、その下で流出が続くと溶岩がたまって全体的にふくらんで表面に亀裂が入るからです。
前野さんは、「黒い筋は表面に亀裂ができていることを示していて、時間とともに大きく成長し幅も広がっている。この付近では珍しく今後、どう成長していくのか、きちんと観測する必要がある」と話しています。

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