トップページ社会ニュース一覧美味しんぼ 大阪府と市が小学館に抗議文
ニュース詳細

美味しんぼ 大阪府と市が小学館に抗議文
5月12日 13時35分

美味しんぼ 大阪府と市が小学館に抗議文
K10043809211_1405121952_1405140923.mp4

雑誌に連載されている漫画「美味しんぼ」で、12日に発売された最新号の中に東日本大震災のがれきを処理した大阪の焼却場の近くで眼などに不快な症状を訴える人がいるなどという表現があることについて、大阪府と大阪市は12日、「事実と異なり、極めて不適切な表現だ」として、小学館に対し抗議文を送りました。

大阪府と大阪市が抗議したのは、12日に発売された「週刊ビッグコミックスピリッツ」に掲載されている雁屋哲さん原作で、花咲アキラさんが描く漫画「美味しんぼ」の内容についてです。
この中で、登場人物の会話の中に東日本大震災のがれきの処理について、「大阪で受け入れたがれきを処理する焼却場の近くに住む1000人ほどを対象にお母さんたちが調査したところ、放射線だけの影響と断定はできませんが、眼や呼吸器系の症状が出ています。鼻血、眼、のどや皮膚などに、不快な症状を訴える人がおよそ800人もあったのです」という表現があります。
この表現について、大阪府と大阪市は今月9日に「雑誌のような状況はなく、不適切な表現だ」などとして、小学館に対し発売までに内容の一部を訂正するよう申し入れていました。
しかし、大阪府と大阪市は表現の訂正などがなかったため、「事実と異なり、無用な不安をあおるだけでなく極めて不適切な表現だ」として12日、小学館に対し、手紙とメールで抗議文を送りました。

松井知事「事実と違うところ多々ある」

大阪府の松井知事は記者団に対し、「漫画の内容は事実と違うところが多々ある。あたかも大阪で福島のがれきを処理したかのような表現になっているし、鼻血などの症状が出たように描かれているが、そのような事実はないことを保健所や医師会に確認した。表現の自由があるので事実であれば抗議しないが、事実ではないことで風評被害というか、いらぬ混乱を招くようなことはやめてもらいたい」と述べました。

橋下市長「行き過ぎではないか」

大阪市の橋下市長は記者団に対し、「漫画の世界だから、基本的には、自由に表現してもらっていいがフィクションなのか、事実なのか、よく分からないなかでは、行き過ぎではないか。地元の医師会に確認しても、漫画にあるような患者はいないため、根拠を出してもらいたい。『美味しんぼ』は、僕も楽しく読んでいるが、福島の厳しい状況を考えて、みんなが安心できて、元気が出るような内容にしてもらいたい」と述べました。

小学館「次の雑誌で見解表明したい」

大阪府と大阪市の抗議について、小学館広報室はNHKの取材に対し、「今月19日に発売する次の雑誌の中で、これまでの内容について、関係する自治体や有識者から聞いた意見を掲載するとともに、そうした意見を踏まえた雑誌の編集部としての見解を表明したい」と話しています。

[関連ニュース]
k10014380921000.html

[関連ニュース]

  自動検索

美味しんぼ 復興相「誠に遺憾」 (5月13日 15時54分)

美味しんぼ「不安 口にできなくなると問題」 (5月13日 12時33分)

美味しんぼ 福島県知事が「残念」と不快感 (5月12日 18時14分)

小学館 鼻血との因果関係「断定していない」 (5月12日 16時03分)

美味しんぼ 福島県が「容認できず」 (5月12日 12時51分)

このページの先頭へ