2014年5月18日15時29分
「編集長の責任を痛感」「表現のあり方について今一度見直します」――。人気漫画「美味しんぼ」(小学館)の東京電力福島第1原発事故の描写をめぐり、週刊ビッグコミックスピリッツ編集部は19日発売号で見解を示した。鼻血と被爆を関連づけた描写は、放射線リスクや表現の自由をめぐる議論に発展。地元にも波紋が広がっている。
■「被曝で鼻血」両論併記
「根拠のない風評に対し、国として全力を挙げて対応する」。安倍晋三首相は17日、訪問先の福島市で記者団に述べた。
「風評」とされる内容の一つに、被曝の影響とした鼻血の描写がある。同誌の特集では、放射線との因果関係について否定と肯定の双方の意見が掲載された。
日本大学歯学部の野口邦和准教授(放射線防護学)は、被曝による鼻血が考えられるのは「全身に500~1千ミリシーベルトを超える被曝をした場合」とし、福島県民の被曝はそこまでではないとした。
被曝の専門家には同様の意見が多い。東北大の細井義夫教授(放射線医学)によると、大量の被曝で鼻血が出るのは、血液を固める血小板が減るためで、その場合は歯茎などからも出血しやすくなるという。
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