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2014-05-15

国立国会図書館で発生した保守・運用委託会社による内部情報の不正取得についてまとめてみた

| 22:31 |  国立国会図書館で発生した保守・運用委託会社による内部情報の不正取得についてまとめてみたを含むブックマーク

国立国会図書館の館内ネットワークで発生した保守・運用委託である日立製作所社員(技師)による内部情報の不正取得についてここではまとめます。

(1) 概要

2014年5月15日、国立国会図書館日立製作所はそれぞれ図書館の内部情報の不正取得に関するお知らせを公開しました。日立製作所国立国会図書館保守・運用業務を請け負っていましたが、同社の社員が保守運用業務のために割当てられた管理権限を悪用し行ったことが明らかになりました。

(2) 被害

  • 日立製作所技師は不正に取得した入札情報等を少なくとも次の4人にメールで共有していた。
    • 技師の上司である主任技師
    • 国立国会図書館の営業担当者
    • 営業担当者の上司である営業部長代理
    • 営業担当者の同僚である営業主任
不正取得された情報資産

確認(報道)されている不正取得された具体的な情報は次の通り。

(3) 発端

  • 日立製作所技師と一緒に貸与PCの画面を見ていた国会図書館職員が閲覧ファイル履歴の不審な点に気づいたことによる。*3
    • 技師が見てはならない管理業務と関係ない入札に関る資料のファイル名であったため。
    • その後の調査から職員専用フォルダにアクセスしていたことが明らかとなった。

(4) 原因

  • 保守・運用を請け負っていた日立製作所技師が運用管理に利用するアクセス権限を悪用し不正に取得(PCへ保存、メールにて外部へ送信)したため。
    • 技師は2011年から国立国会図書館に常駐し館内ネットワーク保守・運用を行っていた。
    • 管理のために割り当てられたアクセス権を用いて行われた。
    • 技師が当該行為を働いた動機については「受注活動を有利にしたかった」と日立製作所の調査において明らかにしている。*4

(5) 対応・対策

国立国会図書館
対応
対策
日立製作所
対応
対策
  • 情報管理ルールの見直し
  • 情報セキュリティに関する教育の再徹底
  • 全社での取り組みとして不適切行為を牽制できる仕組みの再構築
  • コンプライアンスのさらなる強化等による再発防止の徹底
  • 当該事案の関係者5人の処分

インシデント関連情報

インシデントタイムライン

更新履歴

  • 2014/05/15 PM 新規作成
  • 2014/05/16 AM 最新情報の反映