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医療費抑制、効果は不透明 診療報酬の改定告示

2014/3/5 22:22
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 厚生労働省は5日、2014年度の診療報酬改定を告示した。医療費の伸びを抑えるため、看護は手厚いがコストがかさむ「重症患者向け病床」を減らすのが柱。病院によっては年間数億円の減収になりそうだが、病院の動き方次第のところもある。厚労省の計算通りに進むかは不透明だ。

 診療報酬全体の改定率はプラス0.1%。消費税率の8%への引き上げに伴うコスト増加分の手当てを除けば「実質マイナス」というのが、医療界の受け止めだ。厚労省は限られたパイを「主治医」機能や在宅医療を担う診療所などに手厚く配分する一方、病院には重症患者向け病床の削減などで効率化を求めた。

 重症患者向け病床は、1日あたりの入院基本料が現行で1万5660円と最も高い。患者7人に看護師1人を配して人手をかけるためだが、実際には軽症患者の入院も多いとの指摘があった。

 そこで厚労省は、患者が重症だと判断するのに必要な治療行為などの要件を厳格化。高コストな重症患者向けを現在の約36万床から、今後2年間で4分の1相当の9万床減らすことを目指す。

 診療報酬改定の適用は4月1日だが、重症患者向け病床については半年間の経過措置をとった。同病床の新たな要件を9月末までに満たせない病院は、より入院料が安い病床として届け出し直すため、100床あたり年間1億円近くの減収が見込まれる。実際にはその「2~3倍の減収になる病院が多い」(みずほ総合研究所の渡辺裕一上席主任コンサルタント)。

 診療報酬改定による政策誘導の成否は医療機関の動き方次第だ。入院料が安くなってもその分患者が多く集まれば収入は減らないはずだが、現実には直ちに患者が病院を移るケースは少ない。

 病院が重症患者向け病床のために看護師を奪い合う状況は緩和される見込みだ。ただ、看護師人材紹介大手のエス・エム・エスは「現場の求人需要は足元では大きく減っていない」と指摘。病院経営支援を手掛けるメディファームの裴英洙社長は「リハビリテーションを担う職員の争奪戦も起こり得る」と話す。

 重症患者向け病床は厚労省が06年度の診療報酬改定で設けた経緯がある。病院団体には「またハシゴを外されないか」(日本病院会の堺常雄会長)との不信も根強い。

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厚生労働省、厚労省、病院、診療報酬、エス・エム・エス、堺常雄

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