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経済
【経済裏読み】さらに国際世論から孤立する中国…独政府の微妙な“嫌悪”、ベトナムとの対立で悪化か
オバマ米大統領の日本などアジア4カ国歴訪(4月23~29日)は、常に対中国の気配を漂わせた。オバマ氏は各国で安全保障の連携強化を強調し、実質、対中包囲網が狭まった感がある。その一方、中国の習近平国家主席は3月末に訪問した欧州各国の先々で南京虐殺をアピールしたが、宥和的なはずのドイツで待ち受けていたのは、なにやら思惑がありそうなプレゼントだった。南シナ海でのベトナムとの対立も加わり、中国の国際社会での立ち位置が揺らいでいるように見えるのだが。
メルケル氏のプレゼントは毒入り?
習氏は訪独で良好な関係をアピール。だが、メルケル独首相が習主席に贈った中国の古地図が物議を醸している。
豪日刊紙「シドニー・モーニング・ヘラルド」電子版などによると、メルケル氏のプレゼントは中国の古地図を印刷したもので、1735年の清朝の領土が示されている。ところがこの地図はウイグル、チベット、内モンゴルはおろか、尖閣諸島も領域外だという。
よりによって、なぜこんなプレゼントを?各メディアの見出しは「メルケル氏が贈った地図は、中国へのメッセージか」「メルケル氏、地図で中国をピシャリ」「プレゼントは毒入りか」など…。
尖閣諸島や南シナ海などでの無理な領有権の主張、国際的に非難を受けている人権問題など、中国の無謀さは際立っている。メルケル氏が嫌悪感を示したとの見方があるようだ。
ホロコーストの宣伝利用もくろむ中国
独デア・シュピーゲル誌によると、習氏が訪独に当たって希望したのは、ナチス政権下のドイツに虐殺されたユダヤ人のための「ホロコースト記念碑」見学。だが、ドイツは拒否したという。
かわって習氏は戦没者追悼施設「ノイエ・ヴァッヘ」の見学にメルケル氏の同行を要望したが、ドイツ政府はこれも拒否。同誌は消息筋の話として「日中間の歴史を巡る対立に政府は関与したくない」と伝えている。
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