2014-05-18
■[自白の研究]「犯人になる」心理
- 朝日新聞デジタル 2014年5月17日 「冤罪が作られる様子、克明に 綴方連盟事件のメモ初公開」
「自分の考えをそのまま作文に表現すればいい」。1940〜41年、そう指導したとして小学校教員ら50人以上が治安維持法違反に問われ、三浦綾子の小説「銃口」のテーマになった思想弾圧事件「北海道綴方(つづりかた)教育連盟事件」。被害者の一人が捜査当局の厳しい取り調べの様子を記したメモが関係者の自宅で見つかり、札幌市の道立文学館で初公開されている。
記事で紹介されているメモの内容には非常に興味深い点があります。
「叩(たた)く。ける。座らせる。おどかす。そのうちに自分も妙な気持になり、手記を直され、教えられてゐるうちに『赤く(共産主義者に、の意)』なってゐた」
拷問と評して然るべき暴力的な取調べと筋書きの押し付けという、“わかりやすい”虚偽自白の事例ですが、にもかかわらず「そのうちに自分も妙な気持になり」「『赤く』なってゐた」という、浜田寿美男氏の言う「犯人になる」心理が働いているらしいことがわかります。
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