［経済］「Ｓｅｌｌ　ｉｎ　Ｍａｙ」市場警戒　昨年は日本株急落、今年は？＋（1/2ページ）（2014.5.17 22:44）

　「セル・イン・メイ（５月に売れ）」という言葉が、東京株式市場に暗い影を落としている。もともとは米国相場の格言だが、日本でも昨年５月２３日に日経平均株価が１１４３円安という歴史的な急落に見舞われ、相場の転換点になった。今月に入ってからは海外投資家も売り越しに転じている。史上最高値を更新していた米国の株価も下落基調になり、関係者の警戒感は高まっている。

利益確定

　「ここ数年は日本でも、セル・イン・メイが当てはまるようになってきた。それは、ヘッジファンドの運用資産が膨らんだ時期と重なる」と指摘するのは三菱ＵＦＪモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘投資情報部長だ。為替や株価指数先物の取引を組み合わせた短期売買で稼ぎ、東京市場でも存在感を増す欧米のヘッジファンド。５月にはその決算が集中するとされ、未決済のまま抱えた株の一部を売り、利益を確定する動きが出やすいという。

　昨年５月２３日の株価急落の直接的な引き金は、当時のバーナンキ米連邦準備制度理事会（ＦＲＢ）議長が量的金融緩和の縮小に言及したことだ。しかし、それを受けて株や先物を大量に売ったのは、やはりヘッジファンドなどの海外投資家。平成２４年も欧州債務危機などで５月の平均株価は約１０％下落している。