本やライフハックの記事などを読んでいると、イチローってよく出てきますよね。
筋肉はしなやかで、内臓のすきまにも老廃物がたまらない。
理想的な筋肉は、イチローやタイガーウッズ。彼らはしなやかに歩く。(『ウォーキング考』より)
基礎を超徹底的にやることで、高品質なものができる。高級旅館は、味噌汁がおいしく、空調がちょうど気持ちよく、挨拶がとても気分よい。
イチローは小学生のときから、毎日グラブを磨く。
(『毎朝1分で人生は変わる』より)
イチローは毎朝カレーを食べる。数年前から「食パンとそうめん」に変更。
“白い巨塔”が好きで何度もDVDを見ている
そうかイチローは毎日グラブを磨いていたのか。なんと!今はカレーやめて、毎日そうめん食べているのか。僕もやらねば…。と、そういう気持ちにさせる魔力があります。
イチローゼとは
確かにイチローはすごい人だし、僕も大好きです。でも、その気持ちとは別に、なぜこんなにもイチローばかりが参考例に出てこないといけないのか、ちょっと不思議に感じます。まるで人間代表。ミスターパーフェクト。みんなが何かの習慣や、ライフハック、この話は良い話だと説得するものとして最高の事例。それが「イチロー」です。
そんな「イチローが言うならそうかもな…と感化される状態」のことを、いつしか私は「イチローゼ」と呼ぶようになりました。
イチローゼの効用
このメソッドを使うと、あんまり中身のない文章にも、それらしい説得力をつけることができます。
スタバでは、チャイティーラテを頼む人は成功しやすい。あのイチローも毎日飲んでいた。
夜はテンションを上げるため、ニ郎系のラーメンを食べるとよい。イチローもジローに毎晩通っていた。
多くの一流が使うメモアプリは「DayOne」である。もちろんイチローも試合のデータは、全てそこに記録している。
野球で成功したければ、愛知に住むべきである。イチローもそこで、野球の全てを学んだのだから。
このように、文章の末尾にイチローを出すことで、説得力をつけることができます。スーパーのチラシで、りんごを売りたいときにも「あのイチローも食べたことのある「りんご」99円」とするだけで、見え方が大きく変わります。(もちろん勝手にイチローの名前を商用利用したらダメですが)
さいごに
このように、なんとなくみんなが感じていた暗黙知をキーワード化したり、見える化させることで、新しい発想や視点が生まれてくることはよくあります。以前書いたジョジョハラもそうですが、そういう「勝手にグルーピング」「勝手に命名」していくことは、発想には役立ちます。イチローもよくやっていたそうです。