“東近江の戦争”感じて 6月に八日市飛行場跡地ツアー
滋賀県東近江市観光協会は、日本初の民間飛行場の歴史を持ち、大正時代から終戦直後まで市内にあった八日市飛行場の跡地を訪ねるツアーを6月8日に開く。爆撃から戦闘機を守るための施設で、土塁やコンクリートで造られた「掩体壕(えんたいごう)」など点在する戦跡を巡る。参加者を募っている。
八日市飛行場は1915(大正4)年に同市沖野地区に誕生した民間飛行場が前身。22年に陸軍の飛行場となって規模を拡大し、終戦後に解体された。跡地は現在、宅地や工場となり、面影はほとんど残っていない。同協会が「東近江らしいスポットに焦点をあてて広く発信したい」と企画、住民参加で地元の魅力を知ってもらう「着地型観光」の第1弾として催す。
ツアーでは、飛行場について20年以上研究を続ける八日市郷土文化研究会長の中島伸男さん(79)が語り部となって案内する。全国的にも非常に貴重な17基の掩体壕群、飛行場内に守護神として開設された冲原神社、米軍機による弾痕のある石が残されている御園小などをバスで巡る。
すいとん、はったい粉など戦時食の試食体験もでき、観光協会の百々孝義さんは「平和の尊さを感じる機会にしてほしい」と話している。
ツアーは午前9時半ごろ~午後4時半ごろまでで、定員は30人。バス代や農家レストランでの昼食代も含め、費用は1人7400円。事前申し込みが必要で、問い合わせは同協会TEL0748(48)2100。
【 2014年05月17日 22時30分 】