政治・行政
ウォッチ集団自衛権 9条の無実化懸念 横浜で集会
安倍晋三首相が目指す「戦後レジームからの脱却」を考える集会が17日、横浜市神奈川区のかながわ県民センターで行われた。文化学園大の白井聡助教(政治学)が講演し、「集団的自衛権の行使容認は日本の戦争参加につながり、憲法9条を成り立たなくさせる」と警鐘を鳴らした。
「積極的平和主義」を唱える安倍首相は15日、集団的自衛権行使容認に向けた憲法解釈変更の検討を政府などに指示。白井さんは「積極的平和主義とは、敵を明確にし、攻撃して自国を守る米国型国家の理念」と解説。その理念実現のために、今回の行使容認は決定的な効果を持つとした。
戦後憲法を「みっともない。日本人が作ったんじゃないから」と批判した安倍首相の発言を自主憲法制定への意思の表れとし、解釈変更の検討指示は「平和主義を掲げる戦後憲法に対して死刑宣告をしたようなもの」と断じた。行使容認で平和憲法を有名無実化し、改憲への動きを加速させる可能性を懸念した。
さらに、「日本が限定的に行使しようと考えても、米国側には日本の都合は関係ない。行使の範囲はなし崩し的に拡大していく」と指摘。その結果、「限定的な行使容認といっても、戦争の犠牲者増加につながる」と訴えた。
集会は、市民や人権団体でつくる「秘密法反対・かながわ実行委員会」が主催し、約120人が参加した。
【神奈川新聞】