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【芸能・社会】

ASKA容疑者を逮捕 覚せい剤所持容疑 尿検査も陽性

2014年5月18日 紙面から

覚せい剤所持容疑で逮捕された、人気デュオ「CHAGEandASKA」のASKA容疑者

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 警視庁組織犯罪対策5課は17日、覚せい剤取締法違反(所持)の疑いで、人気デュオ「CHAGE and ASKA(通称チャゲアス)」のASKA(本名宮崎重明)容疑者(56)=東京都目黒区東が丘=を逮捕した。ASKA容疑者は以前から薬物疑惑が報じられており、活動自粛状態だった。今回、警察が尿を検査したところ、実際に覚せい剤や別の違法薬物の陽性反応が出るという結果に、衝撃が広がった。

◆知人の女も逮捕

 ASKA容疑者とともに、知人の会社員、栩内(とちない)香澄美容疑者(37)=港区南青山=も、覚せい剤取締法違反(所持)で逮捕された。

 2人の逮捕容疑は4月6日ごろと同12日ごろ、栩内容疑者の自宅マンション室内で少量の覚せい剤を所持した疑い。ASKA容疑者は「今まで覚せい剤を所持したことはない」と供述。2人とも容疑を否認している。

 だが、ASKA容疑者の尿を検査したところ、覚せい剤や合成麻薬MDMAの陽性反応が。自宅の家宅捜索では、書斎の引き出しの中などから袋や箱に入った覚せい剤とみられる粉末や、MDMAとみられる錠剤のほか使用器具も押収した。

 栩内容疑者のマンションの家宅捜索では薬物は見つからず、ASKA容疑者が覚せい剤を用意して、持ち込んでいたとみている。

◆ろれつ回らず?

 ASKA容疑者は17日未明に栩内容疑者のマンションを訪れ、同午前7時半ごろに外に出たところで、捜査員が任意同行を求めた。素直に応じたが、ろれつが回らない様子もみられたという。

 同容疑者は、チャゲ&飛鳥として1979年に「ひとり咲き」でデビュー後、「万里の河」「モーニングムーン」などを次々にヒットさせ、それぞれがソロ活動も開始。ASKA容疑者は光GENJI「ガラスの十代」の作詞作曲も手がけた。

 「SAY YES」(91年)はフジテレビ系のドラマ「101回目のプロポーズ」の主題歌として300万枚を売り上げ、爆発的にヒット。93年に発表した「YAH YAH YAH」も300万枚を超え、2人が拳を突き上げながら歌う姿を、多くの人がまねをして社会現象に。ソロでは、「はじまりはいつも雨」(91年)などミリオンセラーとなった。

◆週刊文春が報道

 国内だけでなく、中国や韓国など海外でも人気を集めたが、2009年にチャゲアスの活動を休止。昨年1月に活動再開を発表し、同8月末には6年ぶりの復活ライブが予定されていたが、同6月、ASKA容疑者に一過性脳虚血症の疑いがあるとして延期となった。

 まもなくして、療養中だったASKA容疑者に薬物疑惑が浮上。8月、ガラスのパイプで覚せい剤を吸引するところを、山口組系暴力団員に盗撮され、脅されていると「週刊文春」で報じられた。

 これを受け、9月27日に公式サイトを通じて、「違法なことは一切やっていません」と疑惑を否定。その後、所属事務所に無断で週刊文春の記者を自宅に招き、3時間のインタビューを受けた。覚せい剤の使用はあらためて否定したものの、暴力団員との接触や、「アンナカ」と呼ばれる興奮剤の一種を常用していたことを告白した。

 所属事務所は「これまでの信頼関係を損なうもの」とし、ASKAの音楽活動を無期限で自粛させていた。

 ASKA容疑者が逮捕されたことにより、「CHAGE and ASKA」の復活はますます実現が難しくなった。

◆出身地福岡でも驚きの声

 ASKA容疑者の出身地、福岡県では驚きの声が広がった。

 県内にあるASKA容疑者の出身大学に通う男子学生(18)は「ショックだ。先輩が逮捕されるなんて。覚せい剤に手を出してしまうほど曲作りに苦労していたのだろうか」と話した。

 ASKA容疑者は1989年、福岡市制100周年を記念したイメージソング「心のボール」の作詞・作曲を手がけた。全国的なヒットに喜んだ男性職員(56)は「未来への希望を歌った曲で、当時は市のイメージアップにつながったのだが…」と肩を落とした。

 福岡出身のアーティストの活躍を見守ってきた福岡市内のライブハウスの女性支配人は「ヒット曲を連発し、音楽業界のトップとして活躍していただけに残念だ」と話した。

◆東京湾岸署に身柄留置

 ASKA容疑者逮捕の一報を受け、身柄が留置されている警視庁東京湾岸署には、17日の昼すぎから続々と報道陣が詰めかけた。

 集まった約60人の報道陣は、同所の正面と裏の入り口でASKA容疑者が姿を現すのを待ち構えたが、警察側が午後2時前、報道陣に対して「まだ明日の(検察への)送致の時間は決まっていない」と説明。

 18日の午前中にもASKA容疑者が送検される見通しであることから、ASKA容疑者を乗せた車が出てくるとみられる裏口周辺は、撮影のためにマスコミ各社が場所取りをした脚立で埋め尽くされた。

◆CHAGE「大変残念です」

 ASKA容疑者の逮捕を受け、相方のCHAGEは公式サイトでコメントを発表。「今日までASKAの回復を待ってきましたが、このような事態になり大変残念です」と、無念さをにじませた。

 その上で「突然のことで頭の整理がつきませんが、今は現在開催中の(単独)ファンクラブイベントに僕は全力を注いでいきます。ファンの皆さま、関係者の皆さまにはご心配とご迷惑をおかけしたことを心からおわび申し上げます」とつづった。

◆公式サイトで謝罪  所属事務所

 所属事務所「ロックダムアーティスツ」は公式サイトで謝罪。「ファンの皆さま、また関係各位に多大なるご迷惑をおかけしましたことを、深くおわび申し上げます。現在は事実関係を確認中であり、今後の対応については改めて発表させていただきます。重ねて深くおわび申し上げます」としている。

◆ファン会報誌で活動再開に意欲

 昨年10月から活動休止中だったASKA容疑者だが、4月にファンクラブ会員に配られた会報誌では、医師の許可を得てケニアとドバイにプライベートで旅行したことを報告。「今回の旅はいろんな意味で、今後の糧になったように思います」と胸中を告白していた。さらに「昨年、みなさんに御心配をおかけした、そのお返しとしてプレゼントさせてください」とのメッセージとともに、制作中と思われるような楽曲のデモCDを同封し、活動再開に向けて意欲を見せていた。

 4月29日には、東京・有楽町の東京国際フォーラムで、ミュージシャン玉置浩二(55)のコンサートにサプライズ出演。ASKA容疑者は玉置から「スキャンダルなら俺のほうが横綱」と声をかけられ、「お前に比べれば、俺の“冬”なんて大したことない」と返し、玉置とともにチャゲアスのヒット曲「SAY YES」のワンコーラスだけ、デュエットを披露していた。

 長年、ASKA容疑者とコンビを組んでいるCHAGE(56)は4月からソロツアーを開催中。18日には広島クラブクアトロで公演を行う予定だけに、ASKA容疑者についての発言が注目される。

 ファンにとって、ASKA容疑者逮捕のショックは計り知れず。チャゲアスの公式フェイスブックには、「冗談だよ♪と笑わせてもらえませんか…悲しすぎる…」、「ニュースを聞いた瞬間、涙が出ました」などと悲痛な心境をつづった書き込みが殺到した。

 ◆ASKA(アスカ) 本名・宮崎重明。1958(昭和33)年2月24日、福岡県大野城市生まれ、56歳。第一経済大学(現日本経済大学)在学中、高校からの友人だったCHAGEと男性デュオ、チャゲ&飛鳥結成。グループ名を現在のローマ字表記にしたのは01年。妻は元CBCアナウンサー。娘はシンガーソングライター宮崎薫。

 

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