親から子への「貧困の連鎖」に歯止めをかける政府の施策推進を求め、貧困家庭で育った若者ら約250人が17日、東京都新宿区で集会を開いた。「子どもの貧困率」の削減目標の設定や奨学金の全面無利子化などを訴え、デモ行進した。

 親を亡くし、あしなが育英会の奨学金などで大学に通う学生らが「STOP! 子どもの貧困ユースミーティング」と銘打ち開催。下村博文文部科学相や8党の国会議員が出席した。大阪府内で貧困家庭の子の学習教室を開く渡剛(わたりつよし)さん(24)は「相談相手がいなくて苦しむ子どもが多い。勉強だけでなく生活支援も必要だ」と話した。

 今年1月に施行した「子どもの貧困対策法」に基づき、政府は7月をめどに対策推進の大綱をまとめる。学生らは大阪や名古屋、仙台でも集会を開く予定。

 日本の子どもの貧困率は15・7%(2009年)。ひとり親世帯に限ると50・8%(同)で先進国の中で最悪の水準にある。(中塚久美子)