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経済
【ビジネスの裏側】「危険水域」に入った旧三洋・中国「ハイアールアクア」…円安直撃、立ちはだかる“日本の高品質”
中川喜之社長(当時)は「想定より競争力がなくなってきた。円安で出鼻をくじかれた」と語った。
業績が急速に悪化し、25年12月期決算では現預金や売掛金などの流動資産92億5900万円に対し、支払い手形や短期借入金など流動負債92億6600万円。流動資産を負債が上回っている状態だ。
競争環境も激化
加えて25年には、日本の家電大手が白物家電を相次ぎ強化してきた。これまでの主力、薄型テレビなどデジタル家電が不振を極め、収益性の高い白物に本腰を入れてきたため日本での競争環境が激化した。中-高価格帯の商品を展開するハイアールアクアセールスは日本メーカーの主力商品とガチンコ対決を迫られることになった。
大阪市内の家電量販店関係者は「アクアブランドは品質は高いが、『ハイアール』製というと、中国製品を敬遠する日本の消費者が避ける傾向がある」と指摘する。
アクアブランドとは別に低価格帯の本家、ハイアールブランドを販売している関連会社「ハイアールジャパンセールス」(大阪市淀川区)は25年12月決算で1億1400万円の最終黒字を確保しており、圧倒的な低価格という武器があればまだ太刀打ちできる余地があることを示している。
打開策は
それでは今後、業績をどう立て直していくのか。
アクアセールスは昨年後半から、値引き要求の激しい量販店に対し、出荷する商品の内容を変更、出荷量を縮小するなどして、利益改善の取り組み始めているという。中川氏は4月11日付けで社長を退任し、後任には量販店に幅広い人脈のある前営業統括部長の西沢正城氏が昇格した。
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